再掲・第三百五十三夜・ Vampire 2 『The Hunger』(1983) | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2013-08-19

吸血鬼映画を何作か取り上げたのでしょうね。

 

 

 

 

 

フランケンシュタイン映画を観続けたこともありました。

あの時、入手した、現在入手困難な『悪魔のはらわた』、

まだ未見。ウォーフォール&ウド・キア様という訳の分からないシロモノ。

早く拝見しなくては。やっと目が字幕を追えるようになってきたし。

 

遂に美形 登場『The Hunger』

 

 

時は止まる君は美しい

 

Catherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)様

(デヴッド・ボウイ)様ご共演の、カルト的名作。

トニー・スコット様、監督デビュー作。当時批評家受けは悪かった。

私は劇場でノックダウンされたけどなあ???



 


 

 

こちらを中心に、次回も今一度、続けて、

ヴァンパイアの夜にさせて頂きます。  

 

 

 

 

いきなりバウハウス様のご登場の、強烈な幕開け。

 







 

この、ドヌーヴ様の着こなしが、今も注目度が高い映画?

とにかく、このご衣裳の写真が多い。

「氷のような女」の役は多くてらしたけど、ミリアム役は、

絵にかいたような「S」だし、この衣装、冒頭のシーンで、

それを徹底的に打ち出してるからなあ。

変装をとった後は、隙が無い、完璧なエレガンスを体現、ドヌーヴ様。


 

 

 

ご飯の後は、ちゃんと入浴。きれい好きです。

不要な「ごみ」はきっちり焼却するし。

 



この時の台詞「forever and ever」劇場公開の時の字幕、

「時ある限り永遠に」、印象に残る字幕でした。

DVDでは訳が変わっていて残念。  







時は止まる君は美しい

 

 

「僕たちって、世界で一番美しい、選ばれしカップルだよね」的二人。

しかし、この映画へのご出演にデヴィッド・ボウイ様が

惹かれた理由が、後半戦の特殊メイク演技の為・・・ 

という所が、またまた、限りなくナルシストっぽくて素敵です。

特殊メイクは、『エクソシスト』『ゴッドファーザー』『トッツィー』等の、

ディック・スミス様が、カール・フラトーン様と参加。






 

二人(いや、ミリアムをか?)を慕う、近所の美少女アリスと、

室内楽、三重奏を奏でちゃったりする、麗しさ。

まことに典雅なるシューベルトのピアノ三重奏ホ短調。

キューブリック監督の「バリー・リンドン」にて、頭にチップが 

埋め込まれた?あの曲を演奏する、時が止まった世界。

なもんだから、サントラ盤もかなり好きです。

前衛的なオリジナルと、クラッシックが交互に組んである。

今、BGMに使ってますが、前衛になると、猫達がびっくりする。

 

 


 

お二人の出会いからして、ロココでらっしゃる。 

・・・お二人とも、あまりヴィジュアルが似合わなかったけど。

いかんいかん、やっと出て来てくれた、本当に綺麗な吸血鬼に。

ミリアムに選ばれしジョンは、目出度く吸血鬼となり、

二人は時の旅人に・・・


 

 

ボウイ様、シリアス・ムーンライト風ショット?

この、映画設定「30歳」、とってもちょっとだけです。

  

 

「時ある限り永遠っちゅーたのは誰じゃい!!!」

と、いかにジョンがわめこうと、止まらない、

急激な老化が、ある日突然やって来る。

毎日必要な6時間の睡眠も、もう彼にはやって来ない。



 

 

折しも話題となっていた、「眠りと寿命」の研究をする医師、

サラの元を訪れるジョン。

 

 





 

軽くいなされて、延々待合室でサラを待つジョン。

待っている間にもどんどん進む老化。二時間。

帰ろうとしたジョンに出会ったサラは驚き、引き留めるが、

ジョンは立ち去って行く。


 

 






衰え、「獲物」を襲えるだけの力をなくしたジョンは、

ハンガー(渇望・飢え)に苛まれ、ミリアムの留守中にやって来た

アリスを襲ってしまう。  





 

「もう少しだけ命を、さもなければ殺してくれ、死なせてくれ」

ジョンの哀願にミリアムが答える。

「分かっていないのよ、あなたは。私達に死はないのよ。

人間のような死は許されないの、暗がりの世界で、

私達は一生何かを感じ続けるのよ」

 

 

 


 

 

殆どミイラ状態とはいえ、ジョンを軽々と屋根裏部屋まで、

抱き運ぶミリアム、力持ち。並び置かれている棺。

「皆、彼に優しくして慰めてあげて・・・ジョンよ」

ミリアムのかつての伴侶たちは皆、突然老いを迎え、

生きた死体となって、スコット兄弟とジョン・ウー監督のアイドル、

白い鳩たちに見守られて横たわっていたのであります。

 


 

一方、何とかジョンを見つけようとするサラ。

ようやく探し出した家を訪れると、夫はスイスへ行ったと告げる

ミリアムが、サラを迎え入れる。


 




 

ミリアムの魔性の魅力にとりつかれるサラ。

ミリアムはサラを次の伴侶に選ぶ。

ドリーブの「ラクメ」をピアノで弾くミリアム。

「ラクメはインドのお姫様の名前、彼女と奴隷のマリカの為の曲」

「ラブソングのようだわ」

「これはふたりの女の為の歌よ」

 

古代エジプトから、生きつづけて来たドヌーヴミリアム様。  

 







「私に何をしたの!」と女プロレス状態の後、

一糸乱れぬ乱れ髪のドヌーヴミリアム様が言い放つ。

「貴女は私の元に必ず帰って来るわ。

その時は、私が飢えを満たすやり方を教えてあげる」

 







 

 

その後、繰り広げられるどんでん返し。

ミリアム様が愛した、ジョンをはじめとする大勢のミイラたちが、

永遠の生から解放される道が一つだけあったんです。

 

 

で、怖い怖いラストシーンへ・・・ミリアム様、

サランドンサラ様に比べれば、まだまだ優しかったのかも???

 

 

ミリアム様のお友達、おふたりショット。




 

休憩中?いやはや、休憩まで「チェス」。粋でお美しい。

ボウイ様、ヘビースモーカーでしたねえ。

ティン・マシンの頃、コンサート拝見しましたが、

ず~っと吸ってらしたもんねえ、ステージでも。

ギターを弾く時は、弦に挟んでらっしゃったのが記憶に残りました。

 

 

Tony Scott(トニー・スコット)監督、イギリス出身。

1944年7月21日~2012年8月19日、享年68歳。

カリフォルニア州サンペドロにて、遺書をのこし、橋から飛び降りての、

覚悟の最期でらっしゃいました。

永遠の命を描いて監督デビューされた監督の、自ら選んだ死期。

ご冥福をお祈りします。