劇的な冬です薔薇
ルドゥーテの薔薇の夜のせいか???
ここのところ、コメント欄では何故か「ベルばら」ブーム。
「ベルサイユのばら」が、本場おフランスで、
しかも「シェルブールの雨傘」のジャク・ドゥミ監督と、
ミッシェル・ルグラン様の音楽で映画化されたのは、1979年。
何と、スクリプターは「百一夜」のアニエス・ヴァルダ監督。
この雑誌、持ってました。確か。探したら出て来るかしら?
映画も拝見しましたが、1度しか観ていない。
1979年・・・記憶、遠すぎ。
資生堂がバックについて、総制作費、10億円。
(役者をケチったな、資生堂?脇でいいから、名優入れないと。)
しかし、興行収入9億3000万。平たく言って赤字。
何となく解る気がする。今や日本発信の文化として定着しているものの、
当時はまだ、「MANGA」は海外を席巻してなかったし。
「少年っぽい所が魅力の女性が発する色香」ではなく、
「男装で軍人として生きる女性の一個人の魅力」は、
原作と直接接していなくては、理解できない魅力だったのかも。
う~ん、衣装、もう少しどうにか・・・
しつこいが、ジャック・ドゥミ監督作品なんだけどなあ。
しかもベルサイユでロケ。(「特別」とかなんだかんだ言って、
フランスって、色々な名城で、割と撮影させている気がするのは、
気のせいかな?ソフィア・コッポラのアントワネットも、
ベルサイユロケしてなかったっけ???)
桃の節句が公開かいっ!?
おフランス版、ポスター、なかなかイケてます。
アントワネット様、ちょっとイケてません。クリスティーナ・ボーム様。
オスカル様、カトリオーナ・マッコール様。
ジェームズ・アイヴォリー監督作品にもご出演。
地道に、現在もテレビのレギュラー出演等、現役でらっしゃるらしい。
時代も変わって来たし、「まぼろしの市街戦」のように、
「カルト映画」として「オスカルが帰って」来てくれないものか?
あまりに記憶が遠すぎて、今、拝見したらどう思うかが不明。
再見してみたいです。
映画版、「ベルサイユのばら」だけでも、充分ディープな気もしますが、
これらのスナップを探していて、巡り合った画像の数々が、
はるかにディープな世界に連れて行ってくれました。
世界各地?のレディ・オスカルの存在。
何やらロマンチックな活字のおフランス版「ベルサイユのばら」
書き文字はさすがに日本語のままなのが嬉しい。
ここら辺までは、まぎれもなく本物ですね。
↓ こちらは「オスカル」の名前を貰ったにゃんこさんか???
↓ 男装の麗人というより、男女どちらか解らない。
だんだん楽しくなって来たところで、朝日新聞出版の
「池田理代子の世界」から、理代子先生の談話、
「大奥」映画化、超メジャー大先生になられた、
よしながふみ先生のインタビューを挟みつつ、拝見。
まずはよしながふみ先生のインタビューから、ほんの一部ですが。
ー子供の時に印象的だったシーンは?
まず天然痘です。(中略)それからアンドレがオスカルを押し倒す
シーンが、怖くて嫌いで忘れられなかったんです。
子供だから、何をしているのかはっきりとは分からないんだけど、
自分から見ると、すごく大人ないい年したお兄さんが
「しくじってる」姿を見るのが切なくてつらくて・・・・・・。
3~4年経つと大好きなシーンに変わるんですけど(笑い)。
アンドレはお約束的な部分のない、とても人間的な人だと思うんです。
あの大失敗は、オスカルとの関係がめちゃくちゃに崩れても
おかしくないくらいのものですから。
だから大人になって読んだ時にオスカルの寛容さに感動したんです。
(中略)だってアンドレを好きになって、なあなあで許しわけじゃ
ないんですよ。明らかにフェルゼンが好きだった時に、
きちんと許してあげた。オスカルの人間的な大きさを感じさせますよね。
それにひきかえアンドレはどこまでも心が小さい(笑い)。
こういう二人が恋に落ちるシュチエーションを描くところが、
池田先生のすごいところだなあとしみじみ思います。
↑ 小坂明子様に似てないか?
「ベルばら」は、ものすごく明確に「アンドレが好き」!
当時その言葉はなかったけれど、アンドレが、オスカルとの関係が、
↑ ↓ どうしていいかわからない。
そもそも池田先生は、最初オスカルとくっつけるつもりがなかったので、
あれほどの得意なキャラクターになったのかもしれないとも思うんです。
革命思想に全く目覚めない平民の男っていうこの特異さですよね。
平民で、オスカルという貴族の娘が好きなんだkら、
多少は勉強してもいいと思うんです。でも全くそうは思わない彼。
むしろ「俺が貴族だったら・・・・・・」なんて考えている。
アンドレは貴族にさえなれば絶対にオスカルと結婚出来るという
確信に満ちている。草をむしりながらくやしがっているんですが、
選んでもらえるかどうかはオスカル次第ですよと
ツッコミがしたくなります。アンドレのその確信がバカで、
またキュンとしてしまうんです。
オスカルは男装の麗人ですけど、ずっと自分は女だって
言っているんですよね。男装しているのに、男と間違われると
ショックっていう・・・・・・。なぜショックを受けるかというと、
自分が軍人であることで女性性を否定されていると思ったことが
一度もないから、オスカルの「女で軍人ですけど、何か?」
ちなみに、以前、よしなが先生の「ベルばら」同人誌、
60万くらいの値が付いていたような記憶が・・・
↓ 「タンタン」風「ベルばら」?
↓ 映画との合成もありますね。
では、ここらへんから今回の池田理代子様の楽しい自慢話を。
「ベルばら」連載当時の忙しさを振りかえられてのお話し。
売れて印税が入っても、お金を使う暇がないんです。
数字として通帳に記帳されるだけなんですよ。
出版社から支払調書が月2回届いて、
どんどんお金が入ってくるのは分かっているのに、実感がない。
やっぱりストレスがたまるんで、たまに締め切り明けに
「このまま寝るのはもったいない」と言って、
アシスタントを連れて出かけるんです。
「宝石以外だったら、好きなものを買ったり、食べたりしていいから」
と言ってね(笑い)。でも、食べるものにはキリがあるの。
どんなに高いレストランに行っても、人間の胃袋には
限界があるんだって分かりました。
こんなに高いものを食べて、お洋服を買っても、
確か5~6人で行ったと思いますが、最大で200万円がやっとでした。
池田先生には、周囲の「遠慮」というものは考慮外らしい。
当時でも、一人で一日2000万位、「宝石(不動産も)以外」でも、
簡単に使えたと思いますが?
そりゃ、先生以上の金額のものなんて、誰も買わないでしょう。
しか~し、そのKYでぶっ飛んでる自信過剰さが、
理代子先生のチャームポイントなのだ。
そんな理代子先生だから、つい「池田理代子の世界」なんて本、
買ってしまうのであります。気が抜けるような笑いを求めて。
まだまだ、ホームランを期待しております。池田理代子様!