再掲・第百五十二夜・Jacqueline Bisset(ジャックリーン・ビセット)様 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2012年7月31日記事

 

I Q高そうな美人

 

Jacqueline Bisset(ジャックリーン・ビセット)様

1944年9月13日~、現在68歳→79歳。(ブログの時も流れました。)

 

 


時は止まる君は美しい

 


 


 

今頃になって、きれいだなあ~と思うようになったお方のお一人。



 

ロングヘアがトレードマークのようでしたが、ショートも可愛い。







 

 

初期の段階で、1965年、ロマン・ポランスキー監督作品『袋小路』に、

ご出演されてたしたのは、全く存じ上げなかったです。

 

 

ドヌーヴ様のお姉さま、カトリーヌ・ドルレアック様ご主演ですね。

機会があれば、是非、拝見したい1作です。


 


時は止まる君は美しい

 

 

1973年、バッド・ヨーキン監督作品『おかしなおかしな大泥棒』

当時の実力派、ライアン・オニール様との粋なコメディ。

 

フランス系で、フランス語ご堪能。  

『袋小路』以降も、フランス映画へのご出演も多いです。

1973年、フランソワ・トリフォー監督作品

『La Nuit Américaine(映画に愛をこめて アメリカの夜)』 









 

 

 

時は止まる君は美しい

 

 

 

 

 

↓ 監督とご休憩中?


 

同1973年、シドニー・ルメット監督作品『オリエント急行殺人事件』

 


 

 

 

 

翌1974年。フィリップ・ド・ブロカ監督作品

『Le Magnifique(おかしなおかしな大冒険)』  


 

冒険作家のジャン・ポール・ベルモンド様の、

現実と創作が錯綜する、冒険コメディ。

 

 

 

 

 




 

 

『ルパン三世』ブルージャケットに世界一近い男?

ベルモント様?

 

他にも『ブリット』『大空港』『ザ・ディープ』『料理長殿ご用心』等の、

豪華娯楽作品にもご出演。

 

1990年の『蘭の女』では、若い娘に乗り換えられて、

当時モテモテ系俳優、ミッキー・ローク様に捨てられる役されてた。

やはり、どんなにいい女でも、男性は若い女性の方がいいのかな。


 

代表作・話題作目白押しの中で、何故これ?ですが、

7月6日以来の、納涼シリーズ第4弾で、

1971年、ポール・ウェンドコス監督作品『悪魔のワルツ』を。


 

原作本の裏表紙がこの衝撃的な写真。

ずっと、ビセット様かと思ってましたが、

改めて見ると、もうひとりのヒロイン役の、

バーバラ・パーキンス様。

 

時は止まる君は美しい

 

主要人物で、髪型、似過ぎ!

がらっと違うタイプの女優さん同士でもよかった気もするんですが、

突き詰めたら、似ている方がいいのかな?  

 


 

『The Mephisto Waltz(悪魔のワルツ)』

フランツ・リスト様 ↓ のピアノ曲。ゲーテの『ファウスト』からの、

メフィスト(悪魔の名前)のイメージの曲ですが、上手い邦題!


時は止まる君は美しい

 

「常に弱く 軽やかに 幻想的に」がテンポ、

・・・って、リストをそんな風に弾くって、マジ、超技巧派。

原作者フレッド・M・スチュアート様御自身、

コンサート・ピアニストを目指した事があるそうです。


 

映画を拝見して「あれ?B級ホラーだぁ」

ってちょっとびっくりしたくらい、原作でイメージが膨らんでました。

いいんですけど。B級ホラー、好きだから。


 

 

可愛い娘にも恵まれた、仲良し夫婦が主人公。

夫マイルズ役にアラン・アルダ様。

かつてはピアニストを目指すも、断念。

現在は、音楽ライターが職業。

その、マイルズに、取材嫌いで有名なピアニスト、

ダンカン・エリーから、インタビュー承諾の電話が入る。


 

 

ダンカン・エリーにクルト・ユルゲンス様。

初取材の日に、あるきっかけがあって、マイルズを気に入り、

自宅でのパーティーで、連弾をする約束まで。



 

ダンカン・エリーの大切な娘、ロクサーヌ(バーバラ・パーキンス様)。

父娘で好意的にもてなされる二人。

しかし、ポーラは父娘に、どこか嫌悪感を感じる。


時は止まる君は美しい

 

かわいい飼い犬、ロビンちゃん。


 

ポスターに採用され、私にトラウマを残した、「お面犬」。

 

 

「お面なんて暑いから嫌だ!」byロビン



 

不気味なパーティーシーンからのひとこま。


 

江戸川乱歩シリーズか?

 

 




 

知り合って間もなく、マイルズにまで高額の遺産を遺して、

ダンカン・エリーは故人となる。

 


 

ダンカンの遺言が発表された時、夫は驚いて見せるが、

前もって、それを知っていたと直観する妻ポーラ。

マイルズとロクサーヌが交わす視線から、

ロクサーヌも知っていたことも。


時は止まる君は美しい

 

「笑うセールスマン」か、トゥルーマン・カポーティのような、

怪しい男の影が見え隠れ。魔の使いにしては珍しいルックス。



時は止まる君は美しい
 

時を経ずして、マイルズの変化をポーラは感じ取る。

 

<ここで彼女は思い出した。手だ。ラフマニノフの手だ。

「どういう意味、手を集めるっていうのは?」

「こういう手をした人間は、一世代のうち百人に一人といないんだよ」。

手だ。まちがいない。偉大なピアニストは完全な手をほしがる。>

 

ポーラに芽生える疑惑。マイルズは本当にマイルズか?


 

死期の迫ったダンカンが、自分の新しい「入れ物」として、

欲しかった、ピアニストの手を持っていたのがマイルズ。



 

突然、ダンカンの遺言にこたえ、ピアニストを目指すと言い、

別人のような天才的演奏を披露する夫。

そして、愛する娘が突然病に倒れ、死んでしまう。

真相を探ろうとして会った、ロクサーヌの前夫ド・ランクルも。


時は止まる君は美しい

 

もう、失うものなどない、真面目な女はつき進みますよ。

 

 


 

赤い字、仏題?すごい・・・さすが、アムールの国。

 

<彼女はベッドのわきにひざまずいて、びんのふたを取った。

そして、床の上に五芒星形(ごぼうせいけい)にたらした。

その☆形の中央に、彼女は十字を描いた。

ついで人差し指を油にひたして、額の中央、両耳、瞼、

鼻の頭、そして最後に唇につけた。そして十字を逆に切った。>

 

<しばらくの間、あたりは寂として物音ひとつしなかった。

やがて、廊下を近づいてくる足音が聞こえた。

足音はしだいに大きくなり、部屋の前でとまった。

祈るような気持ちでドアが開くのを待ちながら、

彼女は目をそこにとどめていた。>

時は止まる君は美しい

 


時は止まる君は美しい

 

ナルシストの執着心・欲望の深さの怖さというか、

それを上回る、妻の報復の怖さというか。

そんな作品なので、↑ のような場面もちらっとありますが、

心理的な怖さでみせてくれます。

 

ラストシーン、ロクサーヌの優美で魅惑的な姿に、

父娘で恋愛関係のダンカン=マイルズは至福を感じる。

娘を愛しているというのが、最高にナルシスティック。

 

 

「新しい香水をつけたね」

「そうよ。さあ、いらっしゃい、あなた。祝杯をあげましょう」

 

お見事な幕切れ。女は強い。

映画は、原作にとても忠実だけど、ラストシーンが微妙に違う。

私は、原作の方が好きでした。


 

 

若干、近影っぽいお写真三枚。いやはや今もお美しい。

一枚目・・・濃いです。