再掲:第百二十三夜・トルーマン・カポーティ様 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2012年6月14日記事

 

この年の2月に始めたブログ、いつの間にか10年・・・

 

「アンファン・テリブル(恐るべき子供)」

 

 

Truman Capote様

1924年9月30日~1984年8月25日、享年59歳。

 

 

 

19歳で初めて発表された、

『Miriam(ミリアム)で、「恐るべき子供」と呼ばれ、

『遠い声 遠い部屋』などの名作を送り出し、

決定打『In Cold Blood(冷血)』により、

時代の寵児となって、時代の狂騒の中で生き、

セレブの玩具となり、捨てられ、こと切れられた方。

 

 

 

 

 

 

一般人も成功によって、上流社会に招き入れられる。

でも、あくまで、それは「お遊び」の種。

同種と認められたわけではない。

勘違いした時の失敗は決して許されない。

この姉妹なんざ ↓ こわいでえ。

 

 


この小説はすごいから、是非読んで、と貸して頂いて、

初めては移動したかポーティ様作品は、衝撃的な一遍。

『In Cold Blood(冷血)』でした。

 

 

その方には、Georges Simenon(ジョルジュ・シムノン)様の、

『雪は汚れていた』などのメグレ警部シリーズ以外の作品など、

教えて頂き、かなり影響があり、感謝。

 

 

 

 

 

 

 

『冷血』、取材に協力された、友人で『アラバマ物語』等の作家、

Harper Lee(ハーパー・リー)様と。

 

 

 

 

実際に一家惨殺された被害者と、拘留された犯人との対峙。

自らがノンフィクション・ノヴェルと名付けられた通り、

文章の向こう側に、現実に生きていた人、生きている人達が居る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ひたむきに、新しい文学に向かって夢中で走られたのかもしれない。

いずれ処刑される犯人とも交流を持ち。

しかし、その成功は、「作家」の中の何かを変えてしまった。

 

 

 

 

私にとって『冷血』は、価値観に大きな影響を及ぼした作品。

作品の主題とは外れたところでかもしれないけど。

いつもと同じく普通に流れる『日常』は、

決して約束された時間ではないという感覚。

 

 

 

 

 

『冷血』を教えてっ下さった方は、とてもかわいらしく知性的な方。

教えて下さった世界の暗い鋭さが、

人の持つ複雑な多面性をも、教えてくれた気がします。

 

 

 

「ドリアングレイになりたかったのか・・・」  

若き日の肖像の前でポーズをとる、 「奇矯な男」カポーティ様。

 

 

 

 

 

1976年ロバート・ムーア監督作品『名探偵登場』への、

役者としてのご出演にはびっくりしました。

 

 

が、カポーティ様とハリウッドというと、なんてったって、

1961年、ブレイク・エドワーズ監督作品、 『ティファニーで朝食を』。

 

 

 

 

映画化許可には、マリリン・モンロー様が主演、

という条件が挙げられていた。

しかし、売春婦と言う役柄で、マリリン様が拒否されてしまい、

オードリー・ヘップバーン様へ。この大胆な変更がすごい。

 

 

 

監督は初めからブレイク・エドワーズ監督だったのかな。

だとしたら、自分なら、オードリー様で・・・というお気持ちがあっても納得。

脚本の大幅な書き換えがあったと言いますが、そりゃそうだ。

かくて、あの名作が誕生。(面白いスチール発見)

 

 

 

 

『カサブランカ』だって、撮影中、ラストは決まってなかった。

得てして、何かトラブル?や配役変更があった作品、

名作に出来上がることが、ままありましたね。

 

 

モンロー様のホーリー・ゴライトリーとそうぞうすると、

やるせない焦燥感や孤独、秘められた悲哀といったものを感じるから、

エドワーズ監督という感じではないかも???

ここはもう、監督の魔法に浸りましょう。

 

 

 

エドワーズ監督が、好きにお使いになられたマリリン様作品って観てみたいけど。

ソフィア・ローレン様も素敵に生かされてらしたし。

そして、再びかポーティ様から、衝撃を受けたのは、この評伝。

 

 

これ誰?な美少年・美青年。

表紙、誰?ですよ。

晩年のお姿の方がリアルタイム記憶でしたから。

 

 

 

 

 

身体と精神の均整のなさは、肉体を腐食する・・・のは、

自分で実践済ですが、カポーティ様、私の「師」だったのか?

 

 

 

 

 

この一冊を拝読して以来、『冷血』後のカポーティ様の人生への、

やるせない想いが、いつまでも心に残ります。

 

 

 

映画『冷血』では、小説を害毒した時血も凍るよな気持ちには、

なりませんでした。

でも、映画の方が、みどりより、作品自体の趣旨は正しい気がする。

 

 

2005年、ベネット・ミラー監督作品「カポーティ」 。

 フィリップ・シーモア・ホフマン様主演。

ここでは、『冷血』執筆から、犯人処刑までが描かれます。

犯人が処刑されないと、小説は仕上がらないのだから。

5年をかけた執筆。

 

 

 

 

あまりに長い執筆機関だったせいか、

なかなか次作に取り組めなかったカポーティ様が、

次の題材に、自分が入り込んだセレブの世界を描こうとした時、

彼の作家生命、社会的立場は叩き潰された。

 

 

「友人」と思っていた人たちによって。

 

 

文学の名の元に、人の犯した罪、裁かれ、下される罰を、  

書ききった作家が残酷なのか、

  文学の名の元に、作家をもてはやし、躍らせて、叩き潰した人の世が残酷なのか。

 

 

  道化自身が、純粋なのか、冷酷なのか。

道化を笑う客が、残酷なのか、平凡なのか。

 

 

失意の中、心臓発作で、

カポーティ様が死去されたのは、  まだ59歳のことでした。

それでも、カポーティ様の恋人は、最期まで寄り添い、

  亡くなられたのは、友人が提供した逗留先。

  人はどれだけのものを失おうと、間違いを犯そうと、

  全てが通り過ぎ、消えてしまうという事はないと思いたい。

 

 

Jack Dunphy(ジャック・ダンフィ)様と。

 

 

「叶えられなかった祈りより、 

 叶えられた祈りのうえにより多くの涙が流される。」

聖テレサ


時は止まる君は美しい

 

↓ こちら、存じ上げませんでした。拝見するのが楽しみです。