第六十八夜・エリザベート・オーストリア皇后 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

「美人」への執念


たまげるくらい「美人」で、未だに、その「グッズ」が、

世界中から来る観光客に売れ続けてるんだから、

「長期的スタンス」で見たら、マリー・アントワネット王妃と同じく、

国益になってるのかも?なくらい、美しく、

ご本人も「容姿」に執着された事で知られる、

オーストリア最後の皇后、エリザベート皇后。


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夫、ヨーゼフ1世が、「最も妃に似ている」と言ったといわれている、

「どや」の見返り美人図。

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姉ちゃんに来た縁談なのに、妹が選ばれた。 ↓ 姉妹図。  


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↓ 少女時代。せ・・・性格出てらっしゃる。

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いつもは従順な皇太子が、周囲の反対を押し切っても、

「あの娘じゃないと結婚しない」と、我を通した。

そして、不幸な結果。

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何だか、あの国、この国、歴史上のあの人、この人・・・

似た話が幾らか頭に浮かんで・・・

近々のお方では、海外好きって所も共通したお方がおいでで。


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しかし、それだけに、美人。

その上、「肖像画」の時代から「写真」の時代への移行期にあって、

どちらもが、大量に残ってて、全盛期を彷彿とさせてくれます。


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身長172cmで50キロ。激細ですが、モデルさんを考えたら、

そんな無理な体重ではないかもしれない。

しか~し、ウエスト50センチって・・・

コルセットで絞めてだと、驚く数字ではないのかな?


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体型維持の為の、過酷で贅沢なダイエット、長時間速歩運動、

今でいうジムのはしりの採用等々、伝説がいっぱい。


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嫁いだ宮廷での生活になじめず、長男は、

「あんたには任せられない」と義母に取り上げられ

(と言われてますが、そこも真実は不明)、

元々、自由奔放なご性格でもあって、

宮廷を後にし、放浪の旅と、美貌と痩身を保ち続ける事に、

多くの時間を費やされ、打ちこまれた。というあたりが、

いくらか拝読した書物では共通するところ。


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さまざまな政治的背景の元、当時、オーストリアの一部だった、

ハンガリーを熱愛され、国民の支持が絶大で、

その自治権の締結にも尽力されたそうです。


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自らが最も居るべきオーストリア宮廷には、

近付くのをさえ、嫌悪されておられますが・・・


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徹してらっしゃいますね「斜め45度」


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色々と、欠点も指摘されることが多いものの、

それでも、やはり美人は美人。思わず目が行くご容貌。


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日本でも、宝塚の舞台が有名です。


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本家本元では、オーストリア生まれのロミー・シュナイダー様。

生涯、当たり役だったとも言える、「シシー」役。

哀しい運命の繋がりを感じます。


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「プリンセス・シシー」3部作(1955年~1957年)で、

国民的アイドルになられ、その後、公私とも不遇の時代を経て、

「映画に愛された女」と呼ばれるような、女優さんに。

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巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督からも愛され、

映画、舞台と起用されてらっしゃいます。


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その中の1本。1972年「ルードヴィッヒ」で、

再び、エリザベートを、今度は「プリンセス」でなく、

皇后として演じられることに。


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ロミー様がご登場になると、スクリーンが止まるかと思う程に、

神々しくお美しかった・・・って、ことは、

オリジナル・エリザベート皇后さまがご覧になったら「不愉快」?


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今、写真を比べて拝見すると、似ている似ていないと言えば、

似てはいらっしゃらない気がします。  


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↑ 撮影中に。御愛息と。

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ただ、どこか悲壮な程の美しさ、そして、実際に哀しい定め、

共通するものをお持ちになられている運命が、

時を超えてお二人を結びつけられたのかもしれません。

ロミー様も、愛息を失われてた事が、最大の悲しみでいらしたのでは。


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↑ マリー・ヴェッツェラ嬢


「マイエルリンク」(マイヤーリング)という地名を、私すら知っている。

エリザベート皇后の、長氏・皇太子ルドルフの山荘での心中事件。

政治的背景も色々あって、暗殺説もあるほど。

心中にまで付き合ってくれたのがなのが、たまたま、

ヴィッツェラ嬢であっただけで、浮気は他にも色々・・・とか、

「短くも美しく燃え」のような、ひたすら「純愛」の心中事件とは、

言えないようです。しかし、庶民には「ロマンス」として記憶され、

物語がつづられ、スクリーンにも刻まれ・・・


時は止まる君は美しい-うたかた


1936年、アナトール・リトヴァク監督作品「うたかたの戀」

では、シャルル・ボワイエ様と、ダニエル・ダリュー様。


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1968年、テレンス・ヤング監督作品「うたかたの恋」

オマー・シャリフ様とカトリーヌ・ドヌーヴ様。


「どこまでもついて参ります」

「死出の旅であっても?」


本物の死出の旅のお伴、マリー嬢は17歳。

皇太子30歳。本当に男性って、若い娘さんが好きだわ。


時は止まる君は美しい-ロイヤルバレエ


ロイヤルバレエでの演目にもなっていました。


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皇太子の死後は、喪の黒しか身につけず、

アイデンティティーである容色の衰えに、深くヴェールをかぶり、

日傘や、革製の扇などでひたすらカメラから身を隠された、

エリザベート皇后。


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離れ続けた生活の末、夫との愛情も冷め、

自ら選んだ愛人にまかせきりでらしたそうです。

愛人を妻に選ばれるってのも、旦那様、いかがなお気持ちか。

しかし、御相性はよくていらしたようです。


時は止まる君は美しい-カタリーナ・シュラット


舞台女優だった、カタリーナ・シュラットさま。

帝国の夕暮れ、フランツ・ヨーゼフ1世は、

彼女の存在に癒されたとも言われていますので。


エリザベート皇后は、

1898年9月、旅行中のジュネーヴ・レマン湖のほとりで、

イタリア人の無政府主義者ルイジ・ルケーニにより、

鋭く研ぎ澄まされた短剣のようなヤスリで心臓を刺され、

60歳の生涯を終えられました。

その暗殺自体が、本当は他を狙って失敗だったから

・・・という、場当たり的な暗殺。

しかし、刺されたことにすら気がつかず、

静かに亡くなられたと言われています。

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旅先で突然迎えられた、安らかな「死」。

もしかしたら、最期だけはお幸せだったかもしれない・・・


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皇后の訃報に接した皇帝の言葉が残っています。

「私は既にあらゆる辛酸を嘗めつくした」

と、そのまま公務に戻られたと・・・


1916年、フランツ・ヨーゼフ1世の崩御に伴い、

実質「ハプスブルグ」帝国終焉。

エリザベート皇后。誰一人幸福ではなくとも、

沈みゆくひとつの歴史を彩った、最後の輝きかも。



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