第四十四夜・コデルロス・ド・ラクロ様 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

「危険な関係」


1782年、フランスで発刊された、

18世紀後半のフランス貴族社会を舞台に、

退廃的な、恋愛遊戯の顛末、悲劇が描かれた、

コデルロス・ド・ラクロ様の書簡体小説です。

私は岩波文庫版で、友人に借りて読みました。

何度も買おうかと思うのに、まだ買ってない・・・


悪徳はよくない・・・でも、「悪徳なんてこわくない」ってSFは、

ロバート A.ハインライン様か。あれは痛快でした。


「悪徳」は、何故にかように人を惹きつける媚薬なのでしょうか。

この長い小説が愛され続けているのは、

プライド高く、悪徳を矜持し続けるメルトイユ侯爵夫人、

このキャラクターあってこそと思われます。


時は止まる君は美しい


とにかく、映像化が多い作品・・・の中、私が初めて見たのはこれ。

主演、シルビア=エマニエル=クリステル様&ナタリー・ドロン様、

だけど、今ひとつ記憶に残らずじまいでした。


時は止まる君は美しい


この1976年版以前に、1959年、同じロジェ・ヴァディム監督が、

舞台を現代に移し、ジェラール・フィリップ様とジャンヌ・モロー様で、

モロー様の目力から逃れられない名作を放っておられます。

(で、何故もう一度、撮られたのか・・・不明。)


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彩る音楽はセロニアス・モンク様等豪華メンバー。

空気を裂くようなジャズの旋律が響きます。


時は止まる君は美しい


地は、とても誠実・真面目なイメージのジェラール・フィリップ様。

正統派のルックスで、しかし演技に入ると、

見事にあらゆる役を演じこなされる方なのにびっくりします。

美徳に揺らいでしまう、悪徳でなければならない筈のヴァルモン役。

魅せます、揺さぶります。


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現代に置き換えられても、ラクロ先生の魅惑は健在。

ちなみに、2003年フランスでは、国宝(勝手に指定)

カトリーヌ・ドヌーヴ様が、

270分!のドラマ版で演じておられるそうで、共演も、

ルパート・エヴェレット様、ナスターシャ・キンスキー様、

リーリー・ソビエスキーさま。


時は止まる君は美しい


あああああ、観たい!!!!!いつかきっと。

って、買うのか?買えるのか?私?DVD?無理~。


時は止まる君は美しい


そして、1988年、何と製作はアメリカ、

スティーヴン・フリアーズ監督作品!

あの長い小説を、素晴らしい脚本で仕立て上げて下さいました。

グレン・クローズ様、ジョン・マルコヴィッチさま

(穴を抜けたらなれる人?)、


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ミシェル・ファイファーさま、うら若き、ユマ・サーマンさま、

キアヌ・リーヴスさま・・・ ↑


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お貴族様のお支度は、遅い時間から、時間をかけてじっくり。

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丁々発止の、恋愛ゲーム。

時は止まる君は美しい


もう、やらかして下さってます。

全編、手ぬかりなし。ファブリックとドレスの色も完璧。

で、グレン・クローズ大先生、完璧以上。


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クローズ様の想いのまま。小娘のユマ・サーマンさま。

で、↓ 嫁入り前に、こんなことになっちゃったりする。


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貞淑なる夫人。美徳の人、ミシェル・ファイファー様。

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万全の体制で、悪徳の女王、グレン・クローズ様を、

際立たせて下さいます!!!

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何度拝見させて頂いても、飽きる事ない一本。


ついつい、チャンスがあると追いかけてしまう「危険な関係」。


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昭和のかほり。


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1978年、藤田敏八監督作品で、何と日本にも上陸。

これはこれで、かなり面白かった一本です。

三浦洋一様、宇津宮雅代さま主演。

1998年には宝塚・雪組でミュージカルにもなっているそうです。


時は止まる君は美しい


じゃ~~~ん。日本で映画化されてるくらいなので、こちらでも。

2003年、イ・ジェヨン監督作品「スキャンダル」

よんさまこと、ペ・ヨンジュンさま、チョン・ドヨンさま、

イ・ミスクさま。う~ん・・・「悪徳」感が足りなかったかな???


他にも、アネット・ベニングさま版や、高校生版、昼ドラ版等々。


時は止まる君は美しい  

                            (1796年挿絵)

これからも新たな映像化の可能性がある、

恐るべき古典作品「危険な関係」。

そろそろ、もう一度、原作を紐解いてみるといいかもしれません。