「危険な関係」
1782年、フランスで発刊された、
18世紀後半のフランス貴族社会を舞台に、
退廃的な、恋愛遊戯の顛末、悲劇が描かれた、
コデルロス・ド・ラクロ様の書簡体小説です。
私は岩波文庫版で、友人に借りて読みました。
何度も買おうかと思うのに、まだ買ってない・・・
悪徳はよくない・・・でも、「悪徳なんてこわくない」ってSFは、
ロバート A.ハインライン様か。あれは痛快でした。
「悪徳」は、何故にかように人を惹きつける媚薬なのでしょうか。
この長い小説が愛され続けているのは、
プライド高く、悪徳を矜持し続けるメルトイユ侯爵夫人、
このキャラクターあってこそと思われます。
とにかく、映像化が多い作品・・・の中、私が初めて見たのはこれ。
主演、シルビア=エマニエル=クリステル様&ナタリー・ドロン様、
だけど、今ひとつ記憶に残らずじまいでした。
この1976年版以前に、1959年、同じロジェ・ヴァディム監督が、
舞台を現代に移し、ジェラール・フィリップ様とジャンヌ・モロー様で、
モロー様の目力から逃れられない名作を放っておられます。
(で、何故もう一度、撮られたのか・・・不明。)
彩る音楽はセロニアス・モンク様等豪華メンバー。
空気を裂くようなジャズの旋律が響きます。
地は、とても誠実・真面目なイメージのジェラール・フィリップ様。
正統派のルックスで、しかし演技に入ると、
見事にあらゆる役を演じこなされる方なのにびっくりします。
美徳に揺らいでしまう、悪徳でなければならない筈のヴァルモン役。
魅せます、揺さぶります。
現代に置き換えられても、ラクロ先生の魅惑は健在。
ちなみに、2003年フランスでは、国宝(勝手に指定)
カトリーヌ・ドヌーヴ様が、
270分!のドラマ版で演じておられるそうで、共演も、
ルパート・エヴェレット様、ナスターシャ・キンスキー様、
リーリー・ソビエスキーさま。
あああああ、観たい!!!!!いつかきっと。
って、買うのか?買えるのか?私?DVD?無理~。
そして、1988年、何と製作はアメリカ、
スティーヴン・フリアーズ監督作品!
あの長い小説を、素晴らしい脚本で仕立て上げて下さいました。
グレン・クローズ様、ジョン・マルコヴィッチさま
(穴を抜けたらなれる人?)、
ミシェル・ファイファーさま、うら若き、ユマ・サーマンさま、
キアヌ・リーヴスさま・・・ ↑
もう、やらかして下さってます。
全編、手ぬかりなし。ファブリックとドレスの色も完璧。
で、グレン・クローズ大先生、完璧以上。
クローズ様の想いのまま。小娘のユマ・サーマンさま。
で、↓ 嫁入り前に、こんなことになっちゃったりする。
万全の体制で、悪徳の女王、グレン・クローズ様を、
何度拝見させて頂いても、飽きる事ない一本。
ついつい、チャンスがあると追いかけてしまう「危険な関係」。
昭和のかほり。
1978年、藤田敏八監督作品で、何と日本にも上陸。
これはこれで、かなり面白かった一本です。
三浦洋一様、宇津宮雅代さま主演。
1998年には宝塚・雪組でミュージカルにもなっているそうです。
じゃ~~~ん。日本で映画化されてるくらいなので、こちらでも。
2003年、イ・ジェヨン監督作品「スキャンダル」
よんさまこと、ペ・ヨンジュンさま、チョン・ドヨンさま、
イ・ミスクさま。う~ん・・・「悪徳」感が足りなかったかな???
他にも、アネット・ベニングさま版や、高校生版、昼ドラ版等々。
(1796年挿絵)
これからも新たな映像化の可能性がある、
恐るべき古典作品「危険な関係」。
そろそろ、もう一度、原作を紐解いてみるといいかもしれません。