♪万獣こわい | 旅するオランウータン Coco の漂流記

旅するオランウータン Coco の漂流記

国内外の旅行だったり、まさやんのことや関ジャニ∞のことだったり、ちょこっとの出来事だったり…を、のらりくらりと書いてみようかと。

5月24日(土)福岡市民会館です

駐車場もありますが、40台といったところ。
13時開場でただ今11半なので、まだ駐車場は空いておりました。
中に入るときに係りの人にチケットを見せて入れてもらうシステム。
今日はパン屋さんといい、運が良いぞ


ねずみの三銃士という”生瀬勝久さん、池田成志さん、古田新太さん”の三人が言いだしたお芝居チームです。
脚本は宮藤官九郎さん。演出は河原雅彦さんです。


パンフレットを読むとクドカン曰く『最近のは答えや解釈がひとつしかない芝居が多い』とのこと。なるほど。小説にしても、書きすぎるのはいけない、と色んな本に書いてあります。余韻で読者が想像する。それが楽しいのだ、と。
でも、『こうだよね?』と答え合わせをしたときに『そうそう。』って話ができる安心感もお芝居には必要?右へ倣えではないけれど、『私は間違ってない』と思える分かりやすい共通の“答え”を求めるのは個性が大事と言いながら集団生活を由とする、日本人気質なのかな?



さて。「饅頭怖い」とは落語のお話の一つ。
以前、クドカンさんが落語をリメイクしたドラマ「タイガー&ドラゴン」でもあったので内容は知ってる方も多いかな。ひとまず。

時は昔。
男どもが集まって何やら「おれはアリがこわい」だの「クモがこわいだの」話しておりました。
そこへ「おれは怖いものなど何もない」と言い放つ輩が現れます。
男どもはそいつのことをあまりよく思っておらず、なんとか怖いものを聞き出そうとします。すると、輩は「実はな・・・」と話だし、「饅頭がこわいんだ・・・」とこっそり吐きます。
男どもは喜び、輩が寝たところへいろんな種類の饅頭を置き、ふすまの向こうから様子を伺うのです。
ふすまの向こうからは「わー、そば饅頭。こわーい。」「わー、○○饅頭、こわーい」という声が聞こえます。
男どもはしめしめ、とにやけ顔。しかし、しばらくすると、輩の「こわーい」の間のむしゃむしゃ・・・という音に気づきます。
ふすまをがらりと開けると、輩は満面の笑みで饅頭を平らげている、というお話。

つまり、怖い=好きなもの、したいこと。
しかも、自分で動かず人を動かすことで手に入れる、と。



「万獣こわい」のお話は「監禁」による人間の心理状態を中心に。北九州市で
起きた一家監禁事件を元に作られてて。いわゆる、“洗脳”ですね。
”逃げようと思えば逃げられたのでは?”裁判のシーンで生瀬さん演じるマスターとその嫁の小池さんは責められます。しかし、そんな考えはできない。それが洗脳なんですよね。
中心人物は自分の手を汚さずに、周りをどんどん追いつめる。考えることをさせないようにするのです。


夏帆さんのネギを片手にスキップしながらの『ミーティングゥ♪』がコワイ。
可愛く無邪気、故にコワイ。
どんどん引いていく自分に気付きます。


こわ  い   もの は   な    んで  すか?


パンフレットのこの表記の仕方も怖さ倍増です。



正直、テーマがテーマだけに観終わった後に「面白かった」とは言いにくいお芝居でした。みなさん軽快に演じてらっしゃるので、それが救いなんですが、それでもそのあとに「・・・笑っちゃった」と思わされるのです。自分にドン引き・・・



タイトルを忘れてしまったのですが。
看守役と囚人役に分かれてしばらくその役になりきって生活する実験があったとかで、その実験についての映画を以前観ました。
看守役は看守らしく囚人を扱い、どんどん傲慢に。
囚人は囚人らしく、卑屈になり考えることをやめていくのです。
本当にあった話らしいのですが、あまりに危険な実験だったためそれ以降はしていないとのこと。


人の心理って・・・こわい。