ネタバレしています。ご注意ください。
(自分の記録・記憶のためにあらすじを書いています。)
浮世離れした母と優しい父に育てられた家内更紗は綺麗なものが好きで、大人になったらお父さんみたいな人と結婚してお母さんみたいに楽しく暮らすことを望む自由な女の子だった。
お父さんがいなくなって、お母さんがいなくなって、親戚の家に引き取られた9歳の更紗は家族と思うままに過ごしてきた幸せな時間を失い、いとこである中学2年生の孝弘に抑圧されていた。
苦しさでいっぱいになってしまった時、降り出す雨の中いつも行く公園でロリコンと噂されていた19歳大学生の佐伯文に声をかけたれた更紗は、「うちにくる?」と聞くとても鼻が美しくて綺麗な顔をした文に「いく」と、すべてを捨ててついていくことを選んだ。
厳格でルールブック通りに育てられた教科書みたいに動く文と自由な更紗の生活

は、溶け合うように混ざり合い心地のよい時間だった。
そんな生活に慣れたころ、動物園に行きたいという更紗をつれて出かけた文は、誘拐事件の犯人として警察に逮捕される。
再び伯母の家に戻った更紗は孝弘を瓶で殴り児童養護施設で過ごすことになり、高校卒業後は働き、文と離れてから15年が経った。
亮という彼と同棲し、ファミリーレストランでバイトをし、自由な女の子だった更紗は、自分を出さず語らず「幼女誘拐事件の被害者」という目に晒されながら、目立たないように生活する無口な女の子になっていた。
彼である亮との結婚の話も自分のこととして考えることができず、波に揺れながら過ごす中、バイトの同僚につれていかれたカフェ「calico」で文と再会する。
文といた時間だけが今の更紗にとっては、本当の自分だった時間で、憎まれているかもしれない、声をかけたいけれどかけられない、そんな日々を過ごしていくうちに亮との関係や自分の気持ちの変化があらわれてくる。
文の恋人の谷さんに文のストーカー認定されてから文のことを忘れようと試みるが、亮のDVによって、文と直接的な再会を果たす。
更紗の同僚の娘梨花を預かったことで、文と更紗は、これまでの時間と心の隙間を埋めるように寄り添っていくが、更紗と文のことに気が付いた亮によって、ふたりの心の休まる時間はあっという間に壊される。
文が加害者で更紗が被害者であることをネットで晒し、週刊誌でインタビューを受け、そうして追い込んでいく亮の怪我により更紗が警察にいくことで、梨花のこと、さらに文まで巻きこむことに。
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文といる自分が本当の自分。
更紗は自由の象徴。
男女の愛ではない。
でもこれは、愛だと思う。
愛という言葉であてはめられる愛をしっているのなら。
一緒にいたい。
ふたりを分析して、こういうことがあったから、こうだ。
こういう病気だからこうだ。
だからそうなんだ。
そうやって、答えのようなものを導き出していくことは可能だけれど、自分の中から湧き上がってくる感覚や感情には、答えなんかなくていいと思う。
一緒にいたい、一緒にいて心地よい時間をもって、楽しく暮らしたい、優しくしたい。
大切にしたい。
そんな思いが自分の中から湧き上がってくるなら、一緒にいればいいだけ。
これからも自由に生きていく更紗と、更紗がいくところにはどこでもついてくよという文。
ふたりがいつも楽しくありますようにと願いたくなる、そんなお話でした。
追記:自分の価値観で、世間の価値観で、みえているものや知っていると思い込んでいるものが、まったく別の形をしていることがある。私自身に起きること以外は、すべて私が決めつけていいことではないんだってことを思い出しました。忘れないように・・。
