ネタバレしています。ご注意ください。

 

(自分の記録・記憶のためにあらすじを書いています。)

 

 

 

 

産みの母のお母さんと、育ての母のママがいる宙(そら)。

育ての母であるママとパパ、姉の萌がパパの転勤のためシンガポールへ行くことになったために産みの母と暮らすことになる。

愛情たっぷりにきちんと育ててくれたママとは違い、綺麗で面白いお母さんだった花野との生活は驚くことばかりで、自分をほったらかして仕事や恋人に夢中になるカノさんに愛されていない必要とされていないと感じるようになる。

このお話には宙のまわりのたくさんの家族の形が描かれているけれど、どの家族もとても歪で、外からは正しく見えていても歪んでいたり、歪んで見えていても暖かかったり、立場によって違う受け止め方になったり、傷つけて傷ついて、家族っていう縛りのせいでこんなに苦しくなるんだと訴えてくる。

家族として過ごす時間は人としての大切な部分を形成するためにとても大事なもので、この世の中に本当に間違いのない形の家族なんてあるのだろうかと思ってしまう。

 

宙と花野の関係。花野と恋人の柘植さん。姉の花野と妹の風海。大崎マリーと宙。鉄太と宙。鉄太の姉佳澄と娘の葵と、やっちゃんの奥さんの智美。花野さんと祖父母と母。風海と祖父母と母と父。風海と家族。遠宮廻と父と理恵。和田ヒロムと雅美。花野と宙の父。そして佐伯

恭弘やっちゃん。家族の物語の中に料理がある。傷ついて苦しんでいる宙に魔法のパンケーキを焼いてくれたやっちゃんは、ずっと宙のそばにいて、宙に料理を教えながら父親のように愛情を注いでいくと同時に、周りの皆に優しさと暖かい料理を与える。家族であることの苦しさや辛さ、傷ついた心を料理で癒していく物語。

 

初めは小学生の宙が大人すぎてなかなか物語にのめり込むことができなかった・・。花野さんがあまりにも身勝手で魅力を感じなくて、やっちゃんの優しさが痛々しかった。

でも、少しずつ育ってきた時間を遡っていくと、そうだ、大人も、大人たちに育てられた子供だったんだと気が付く。

 

やっちゃん、智美、和田ヒロムと雅美、遠宮廻の物語はただ辛かった・・。

誰かにとっては悪でも、誰かにとっては善であることは多々ある。その逆もまた。

 

赦しを乞うのは暴力。

その通りだと思った。

 

宙がやっちゃんがしていたように、みんなの心をあたためる料理人になる未来が見えてとても良かった・・。