TIERNEY SUTTONの歌を初めて聴いたのは、CHRISTIAN JACOB TRIO / STYNE & MINE (Wilder Jazz)でのことでした。とにかく心に迫る歌声を聴いたとたんに、グッときてしまったんですね。すぐに彼女のリーダー作を何枚か入手し、その後もリーダー作が出る度に必ず手に入れるようにしています。
TIERNEY SUTTONのヴォーカルで特筆すべきは、器楽的唱法を正確なピッチで自在に駆使する才能に長けていることで、ジャズには欠かせないアドリブスキャットやフェイクのセンスなどにも光るものがあり、ウッドベースとのデュオなどでも高度に技巧的なヴォーカルパフォーマンスをさらりとやってのけます。どちらかといえば豪快に歌いまくるタイプではなく、シャウトもめったにせず、ノンヴィブラートとヴィブラートを絶妙に使い分けて伸びやかな透き通る声で歌う彼女に、汗は決して似合いません。あくまでもエレガントで洗練された大人のムード。実力と豊かな表現力を兼ね備えた素晴らしいシンガーだと思います。
TIERNEY SUTTONの魅力においてもうひとつの強みは、なんといってもCHRISTIAN JACOB TRIOと共演していることでしょう。シンガーとバンドの力量がバランスよく釣り合っていて相性も抜群なので、歌、ピアノ、ベース、ドラムスのうち、いずれに集中して聴いたとしても気持ちよく演奏にのめり込むことが出来ます。
本作はTIERNEY SUTTONの7枚目のリーダー作で、2006年8月録音、2007年リリース。13曲全てジャズや映画音楽などのスタンダード曲集となっています。タイトルにHAPPYのつく曲を多く取り上げていますが、もちろん幸福だけをあっけらかんと明るく楽しく歌っているわけではなく、幸福と背中合わせの哀切をもしっとりと歌い上げていて、奥行きと深みのあるヴォーカルを堪能できます。
また、本作で注目なのが、ゲストにJACK SHELDONを迎えていることです。私は彼の歌と演奏を初めて聴きましたが、サッチモが現代に蘇ったのかと思ってびっくり!さすがだと思いました。
1曲目のGET HAPPYは、バンドの重厚な演奏と伸びやかなヴォーカルがゆったりと重々しく響きます。歌の内容は典型的な黒人霊歌で、泥臭さはないもののなかなかスピリチュアルに歌っていると思います。
3曲目のYOU ARE MY SUNSHINEは、通常明るいムードで演奏されることが多い曲ですが、こちらはスローなテンポで実に切なく寂しい曲調です。もともと失恋を歌った曲ですからこういう演奏のほうがしっくりくるというものですが、最初にこれを聴いたときは一瞬、移調して演奏しているのかと思ったほどです(^_^;) バンドとヴォーカルが美しく繊細に溶け合った演奏は、聴き応え満点で実に素晴らしいです。
4曲目のGLAD TO BE UNHUPPYは、憂いをたたえたヴォーカルが優しく包んでくれるようで心打たれます。JACK SHELDONのトランペットソロが渋くていい味出してます。
5曲目のSOMETIMES I'M HAPPYは、躍動する2ベースとドラムスをバックに囁くような感じで明るく軽快な歌いっぷり。
TIERNEY SUTTONのヴォーカルで特筆すべきは、器楽的唱法を正確なピッチで自在に駆使する才能に長けていることで、ジャズには欠かせないアドリブスキャットやフェイクのセンスなどにも光るものがあり、ウッドベースとのデュオなどでも高度に技巧的なヴォーカルパフォーマンスをさらりとやってのけます。どちらかといえば豪快に歌いまくるタイプではなく、シャウトもめったにせず、ノンヴィブラートとヴィブラートを絶妙に使い分けて伸びやかな透き通る声で歌う彼女に、汗は決して似合いません。あくまでもエレガントで洗練された大人のムード。実力と豊かな表現力を兼ね備えた素晴らしいシンガーだと思います。
TIERNEY SUTTONの魅力においてもうひとつの強みは、なんといってもCHRISTIAN JACOB TRIOと共演していることでしょう。シンガーとバンドの力量がバランスよく釣り合っていて相性も抜群なので、歌、ピアノ、ベース、ドラムスのうち、いずれに集中して聴いたとしても気持ちよく演奏にのめり込むことが出来ます。
本作はTIERNEY SUTTONの7枚目のリーダー作で、2006年8月録音、2007年リリース。13曲全てジャズや映画音楽などのスタンダード曲集となっています。タイトルにHAPPYのつく曲を多く取り上げていますが、もちろん幸福だけをあっけらかんと明るく楽しく歌っているわけではなく、幸福と背中合わせの哀切をもしっとりと歌い上げていて、奥行きと深みのあるヴォーカルを堪能できます。
また、本作で注目なのが、ゲストにJACK SHELDONを迎えていることです。私は彼の歌と演奏を初めて聴きましたが、サッチモが現代に蘇ったのかと思ってびっくり!さすがだと思いました。
1曲目のGET HAPPYは、バンドの重厚な演奏と伸びやかなヴォーカルがゆったりと重々しく響きます。歌の内容は典型的な黒人霊歌で、泥臭さはないもののなかなかスピリチュアルに歌っていると思います。
3曲目のYOU ARE MY SUNSHINEは、通常明るいムードで演奏されることが多い曲ですが、こちらはスローなテンポで実に切なく寂しい曲調です。もともと失恋を歌った曲ですからこういう演奏のほうがしっくりくるというものですが、最初にこれを聴いたときは一瞬、移調して演奏しているのかと思ったほどです(^_^;) バンドとヴォーカルが美しく繊細に溶け合った演奏は、聴き応え満点で実に素晴らしいです。
4曲目のGLAD TO BE UNHUPPYは、憂いをたたえたヴォーカルが優しく包んでくれるようで心打たれます。JACK SHELDONのトランペットソロが渋くていい味出してます。
5曲目のSOMETIMES I'M HAPPYは、躍動する2ベースとドラムスをバックに囁くような感じで明るく軽快な歌いっぷり。
7曲目のHAUNTED HEARTは、ただうっとりと聴き惚れるしかありません。
8曲目のI WANT TO BE HAPPYは、JACK SHELDONのサッチモばりの歌(上手いのだ!)とゴキゲンなトランペットソロが聴きもの。ミュージカルふうのアレンジで聴いていて楽しく、嬉しくてついニンマリしてしまう。また、トリオのスタイリッシュな演奏をバックに、ユーモラスで楽しいこんな会話がフィーチャーされていて面白いですよ。
JACK:「ああ、ティエニー、君はとっても美しい」
TIERNEY:「ありがと、ジャック(*'-'*)」
JACK:「君のボディ、君の瞳、君の唇、君の髪、全部好きだよ」
TIERNEY:「あらん、ジャックったら...(*μ_μ)」
JACK:「...あの~、君、歳はいくつだい?」
TIERNEY:「紳士は決して淑女に年齢を訊かないものよ」←優しく諭すように
JACK:「アハ...アハ...で、実際のところ、何歳なんだい?」←彼女は1963年6月28日、ウィスコンシン生まれらしい(バラしちゃった)
TIERNEY:「私が何歳かっていうことよりも、あなたが私をいかに若く感じさせてくれるかってことが肝心なのよ、ジャック」←冷ややか
JACK:「ウヘ...ウヘ...(^_^;)」←たじたじのジャック
TIERNEY:「さ、もう歯磨きしてパジャマに着替えて寝なさいっ!」←これじゃまるで口うるさい母親ですな(笑)
JACK:「うひゃぁ...(;^_^A」←もっとたじたじになって大汗かいてる可哀想なジャック(笑)
TIERNEY:「なんてザマなの、ハニー」←TIERNEYさん、呆れてます
JACK:「...」
TIERNEY:「何か食べたいの?コーンブレッドなら作ってあげてもいいけど?」
JACK:「幸せになりたあああい!(≧▽≦)」←ほとんど悲鳴に近いです(笑)
8曲目のI WANT TO BE HAPPYは、JACK SHELDONのサッチモばりの歌(上手いのだ!)とゴキゲンなトランペットソロが聴きもの。ミュージカルふうのアレンジで聴いていて楽しく、嬉しくてついニンマリしてしまう。また、トリオのスタイリッシュな演奏をバックに、ユーモラスで楽しいこんな会話がフィーチャーされていて面白いですよ。
JACK:「ああ、ティエニー、君はとっても美しい」
TIERNEY:「ありがと、ジャック(*'-'*)」
JACK:「君のボディ、君の瞳、君の唇、君の髪、全部好きだよ」
TIERNEY:「あらん、ジャックったら...(*μ_μ)」
JACK:「...あの~、君、歳はいくつだい?」
TIERNEY:「紳士は決して淑女に年齢を訊かないものよ」←優しく諭すように
JACK:「アハ...アハ...で、実際のところ、何歳なんだい?」←彼女は1963年6月28日、ウィスコンシン生まれらしい(バラしちゃった)
TIERNEY:「私が何歳かっていうことよりも、あなたが私をいかに若く感じさせてくれるかってことが肝心なのよ、ジャック」←冷ややか
JACK:「ウヘ...ウヘ...(^_^;)」←たじたじのジャック
TIERNEY:「さ、もう歯磨きしてパジャマに着替えて寝なさいっ!」←これじゃまるで口うるさい母親ですな(笑)
JACK:「うひゃぁ...(;^_^A」←もっとたじたじになって大汗かいてる可哀想なジャック(笑)
TIERNEY:「なんてザマなの、ハニー」←TIERNEYさん、呆れてます
JACK:「...」
TIERNEY:「何か食べたいの?コーンブレッドなら作ってあげてもいいけど?」
JACK:「幸せになりたあああい!(≧▽≦)」←ほとんど悲鳴に近いです(笑)
TIERNEY:「あなたは私をハッピーにしてくれるわ、ジャック」
JACK:「君だって僕をとってもハッピーにしてくれるさ」
以下省略
このあとスキャットの応酬で楽しく盛り上がりながらフェイドアウト。ザッツエンタテイメントってな感じになっております。
9曲目のMAKE SOMEONE HAPPYも情感を込めて丁寧に歌われています。聴き惚れましょう。
13曲目のSMILEは、CHRISTIAN JACOBの素晴らしいピアノをバックに情感を込めて歌われています。あぁ...私事で恐縮ですが、この曲は涙なくしては聴けません(訳は...訊かないでね)。
どの曲も本当に素晴らしいものばかりです。
現在、手持ちのTIERNEY SUTTONのアルバムが全てジャズ友のYちゃんとこへ長期出張中ですのではっきりと断言はできませんが、本作は、これまでのうちでも出色の出来なのではないでしょうか。特にアレンジが秀逸で何度聴いても飽きることがありません。これまでの作品では技巧が先行しがちな部分が無きにしも非ずと感じていましたが、本作ではそれも感じませんでした。ヴォーカルとバンドの一体感もこれまで以上で、本作の演奏者をTHE TIERNEY SUTTON BANDと銘打っているのも納得の、完成度の高い作品になっていると思います。
以下省略
このあとスキャットの応酬で楽しく盛り上がりながらフェイドアウト。ザッツエンタテイメントってな感じになっております。
9曲目のMAKE SOMEONE HAPPYも情感を込めて丁寧に歌われています。聴き惚れましょう。
13曲目のSMILEは、CHRISTIAN JACOBの素晴らしいピアノをバックに情感を込めて歌われています。あぁ...私事で恐縮ですが、この曲は涙なくしては聴けません(訳は...訊かないでね)。
どの曲も本当に素晴らしいものばかりです。
現在、手持ちのTIERNEY SUTTONのアルバムが全てジャズ友のYちゃんとこへ長期出張中ですのではっきりと断言はできませんが、本作は、これまでのうちでも出色の出来なのではないでしょうか。特にアレンジが秀逸で何度聴いても飽きることがありません。これまでの作品では技巧が先行しがちな部分が無きにしも非ずと感じていましたが、本作ではそれも感じませんでした。ヴォーカルとバンドの一体感もこれまで以上で、本作の演奏者をTHE TIERNEY SUTTON BANDと銘打っているのも納得の、完成度の高い作品になっていると思います。
本作のTIERNEY SUTTONの歌には、聴き手の心に訴える“何か”があります。聴き終えるころには、静かな感動があなたを包んでくれることでしょう。
御用とお急ぎでないかたはTIERNEY SUTTONのHPへどうぞ。本作の試聴も出来ます。
http://www.tierneysutton.com/
■THE TIERNEY SUTTON BAND / ON THE OTHER SIDE (Telarc CD-83650)
TIERNEY SUTTON (vo)
CHRISTIAN JACOB (p)
KEVIN AXT (b)
御用とお急ぎでないかたはTIERNEY SUTTONのHPへどうぞ。本作の試聴も出来ます。
http://www.tierneysutton.com/
■THE TIERNEY SUTTON BAND / ON THE OTHER SIDE (Telarc CD-83650)
TIERNEY SUTTON (vo)
CHRISTIAN JACOB (p)
KEVIN AXT (b)
TREY HENRY (b)
RAY BRINKER (ds)
guest
JACK SHELDON (tp, vo)
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JACK SHELDON (tp, vo)
入手先:HMV(通販)