LAURENT DE WILDE(1960年、米、ワシントン生まれ)のおそらく通産10枚目になるリーダー作です。ここ数年出していたエレクトロジャズ作品には手が伸びなかったのですが、今回はアコースティック楽器によるピアノトリオで、ドラムスのLAURENT ROBIN(1967年、フランスのフォンテーヌブロー生まれ)、ベースのDARRYL HALLという共演者も良しということで、初めてリーダー作を入手してみました。スペシャルゲストとしてDION PARSON(1967年6月11日生まれ)も参加しています。
本作は、2006年2月21、22、23日録音。全8曲のうち、7曲がLAURENT DE WILDEのオリジナル。いわゆる4ビートジャズやバップフィーリングが曲の途中にうまく組み込まれてはいますが、全体はフュージョン寄りでいろんな表情を見せています。レゲエとブルースが1曲ずつあり、単調でゆったりとしたメロディの繰り返しが中間部でフリーインプロ的になったりする曲もあります。楽曲はハードでノリが良いものが多く、独創的で面白いので退屈はしません。
お気に入りの曲について印象を書きましょう。
1曲目のTHE PRESENTは、16ビート主体にスウィングする4ビートを組み込んだ現代感覚に溢れた楽曲になっています。都会的でスタイリッシュなムード、センスあるピアノの特殊奏法が印象的。
一番のお気に入りは、2曲目のMOVE ON。ちょっぴり翳のあるイントロや、スピリチュアルでメランコリックなメロディがステキ♪と思っていると、中間部ではモーダルに弾きまくるピアノとなり、終盤はどんどん急速調に。10分弱の長い曲ですがタイトなアンサンブルが見事で、曲想の変化と起伏も楽しめる聴き応えのある1曲になっています。
3曲目はDUKE ELLINGTON作曲のFLEURETTE AFRICAINE。8分の12拍子になっているのかな?ユニークなアレンジで面白いです。
6曲目のTHE CLUBは、アシッドジャズ、あるいはレアグルーヴといったらいいのか。カッコエエです。
7曲目のUP AND DOWNは軽快な感じで、なぜか列車の走るイメージ。雰囲気は全く違いますが、どこかDUKE ELLINGTON作曲のTAKE THE A TRAINを想起する音使いだからかもしれません。完結しないメロディが繰り返されるせいか、ぐるぐる回っているような奇妙な感覚を覚えるのが面白いです。
アコースティックなピアノトリオというオーソドックスな編成ではあるものの、出てくる音はアルバムタイトルどおりの、いかにも現代ジャズの申し子的な、新感覚のサウンドです。ピアノの特殊奏法も多く用いていますが、美しい音色が出ていますので、その点も大きく効果を上げているように思います。LAURENT DE WILDEの作曲にはユニークさと独特のセンスがあり、かっこいい曲が多くてアンサンブルも申し分ないので、私はけっこう気に入っています。
それから、このCDにはボーナストラックとして映像(QUICKTIME MPEG4)が入っているのですが、うっとこのパソコンでは再生出来ません(T_T) ご覧になったかたがいらっしゃいましたら、どんなだったか教えてください。
御用とお急ぎでないかたはLAURENT DE WILDEのHPへどうぞ。
http://www.laurentdewilde.com/
DION PARSONのHPもありました。
http://www.dionparson.com/
■LAURENT DE WILDE / THE PRESENT (Nocturne NTCD 397)
LAURENT DE WILDE (p)
DARRYL HALL (b)
LAURENT ROBIN (ds)
本作は、2006年2月21、22、23日録音。全8曲のうち、7曲がLAURENT DE WILDEのオリジナル。いわゆる4ビートジャズやバップフィーリングが曲の途中にうまく組み込まれてはいますが、全体はフュージョン寄りでいろんな表情を見せています。レゲエとブルースが1曲ずつあり、単調でゆったりとしたメロディの繰り返しが中間部でフリーインプロ的になったりする曲もあります。楽曲はハードでノリが良いものが多く、独創的で面白いので退屈はしません。
お気に入りの曲について印象を書きましょう。
1曲目のTHE PRESENTは、16ビート主体にスウィングする4ビートを組み込んだ現代感覚に溢れた楽曲になっています。都会的でスタイリッシュなムード、センスあるピアノの特殊奏法が印象的。
一番のお気に入りは、2曲目のMOVE ON。ちょっぴり翳のあるイントロや、スピリチュアルでメランコリックなメロディがステキ♪と思っていると、中間部ではモーダルに弾きまくるピアノとなり、終盤はどんどん急速調に。10分弱の長い曲ですがタイトなアンサンブルが見事で、曲想の変化と起伏も楽しめる聴き応えのある1曲になっています。
3曲目はDUKE ELLINGTON作曲のFLEURETTE AFRICAINE。8分の12拍子になっているのかな?ユニークなアレンジで面白いです。
6曲目のTHE CLUBは、アシッドジャズ、あるいはレアグルーヴといったらいいのか。カッコエエです。
7曲目のUP AND DOWNは軽快な感じで、なぜか列車の走るイメージ。雰囲気は全く違いますが、どこかDUKE ELLINGTON作曲のTAKE THE A TRAINを想起する音使いだからかもしれません。完結しないメロディが繰り返されるせいか、ぐるぐる回っているような奇妙な感覚を覚えるのが面白いです。
アコースティックなピアノトリオというオーソドックスな編成ではあるものの、出てくる音はアルバムタイトルどおりの、いかにも現代ジャズの申し子的な、新感覚のサウンドです。ピアノの特殊奏法も多く用いていますが、美しい音色が出ていますので、その点も大きく効果を上げているように思います。LAURENT DE WILDEの作曲にはユニークさと独特のセンスがあり、かっこいい曲が多くてアンサンブルも申し分ないので、私はけっこう気に入っています。
それから、このCDにはボーナストラックとして映像(QUICKTIME MPEG4)が入っているのですが、うっとこのパソコンでは再生出来ません(T_T) ご覧になったかたがいらっしゃいましたら、どんなだったか教えてください。
御用とお急ぎでないかたはLAURENT DE WILDEのHPへどうぞ。
http://www.laurentdewilde.com/
DION PARSONのHPもありました。
http://www.dionparson.com/
■LAURENT DE WILDE / THE PRESENT (Nocturne NTCD 397)
LAURENT DE WILDE (p)
DARRYL HALL (b)
LAURENT ROBIN (ds)
special guest
DION PARSON (ds) (3, 6)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)