牛若丸ゆかりの地を訪ねて | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

京の奥座敷と呼ばれている、牛若丸ゆかりの地、鞍馬へ行ってまいりました。NHKの大河ドラマや歴史小説の好きな夫が以前から行きたがっていましたので、今回は夫のお付き合いです。
京都へ着くなり私の足元を見て夫が「君、そのサンダルで山登りは出来んぞ。」って、そんなん家出る前に言うてくださいな。鞍馬散策のあと、京都国立近代美術館で「藤田嗣治展」を観て、高島屋デパートのパパスで夫のカジュアルウェアを買うという予定なのでそれなりの格好をしてきたのですが。しかし、サンダル履きが原因で鞍馬山で遭難ということはまず無かろうということで、そのまま鞍馬へと向かったのでした。

鞍馬駅から山門へ向かう途中、2人ともなんとなくお腹がすいていたせいもあって、みやげ物店に置いてある美味しそうな義経饅頭やら佃煮やらになんべんもフラフラと吸い寄せられそうになりました。が、これから山登りなので荷物になっては困るからと、こみあげる購入意欲をぐっとこらえつつ、鞍馬寺の山門に到着。

神社仏閣を訪れたら、動物大好きの私が必ずチェックするのが狛犬です。山門前に鎮座していた狛犬をよーくご覧ください。ちょっと普通のとは違っていますよ。

お分かりでしょうか。ここの狛犬は虎なのです。阪神タイガースファンの皆さん、ご存知でしたかー?(笑)

向かって右側は阿形(あぎょう)の虎です。迫力ありますねー。「ガルルル...!」


向かって左側の吽形(うんぎょう)の虎。「フッフッフ...。」という感じの不敵な笑みをたたえたカッコイイお姿にしばしうっとりと見とれる私。

でもなぜ虎なのでしょうか?この先の鞍馬寺本堂の近くにある霊宝殿で見つけた説明書きによりますと、
     虎は、ご本尊の一尊である毘沙門天のお使いの神獣である。
     毘沙門天の御出現が虎の月、虎の日、虎の刻であったことから
     鞍馬山では特に大切にされている。
     阿吽の虎は阿形、吽形一対にして浄城の守護としている。
ということです。

あっ、山門の写真撮るの忘れた!(こらこら)

いよいよ鞍馬寺を目指して山を登ります。まず途中までケーブルカーに乗り、降りるとあとはひたすらこのような山道を登るのですが、日ごろの運動不足がこたえます。


鞍馬寺へ到着。本殿を拝観したあと、さっそく狛犬チェック。


こちら、吽形の虎です。「こっから先、怪しいヤツは一歩も通さへんもんね。フンッ!」ていう荒い鼻息が聞えてきそう。石造りではなくてブロンズ製のようですね。



こちらは阿形の虎。「ガオーッ!!」

妖怪を思わせるちょっと不気味でユニークなデザインが面白い。

あっ、本堂の写真撮るの忘れた!(またかいな)


霊宝殿で国宝の毘沙門天三尊像などを見たあと、さらに山道を登ります。




やっとたどり着いた義経堂の前でご神木をパチリ。いよいよお天気が怪しくなってきて時折雨がポツリポツリと落ちてきました。

今回の最終目的地、奥の院魔王殿を目指してさらに登ります。鞍馬山は2億6千万年前に海底火山の隆起によって生まれた山だそうで、地面のすぐ下が固い岩盤のため、途中このような木の根道になっていることろがあります。

薄暗くなってきたせいもあって、あたりはなんとなく神秘的な雰囲気に包まれています。静寂の中にカラスの鳴き声だけが響いて、いつ天狗が出てきてもおかしくないという感じでした。



木々が鬱蒼と茂っているので涼しいですが、ここまでずっとキツい登りでしんどかったです。


魔王殿と聞いてどんな凄い建物かと思っていたのですが、名前の割に見かけはえらいあっさりした建物で拍子抜けしてしまいました(;^_^A


建物はぜんぜん凄くないのですが、ここに残されている伝説がちょっと凄くてびっくりなのです。

その伝説とは、はるか650万年前に、宇宙の大元霊である尊天の指令によって人類救済の使命を帯びて金星から派遣された大魔王尊がこの山に降り立ったというものだそうで、ここ魔王殿にはその大魔王尊が祀られているのです。

しかし、金星からやって来た大魔王ですよ、皆さん(笑)いや~、面白いですね~。


さて、ここからもと来た道を引き返して山門へ戻る元気など私たち中年夫婦にあるはずもなく(笑)、このまま先へ進み、山の反対側へ降りて貴船神社へ向かうほうが早いだろうということになりました。今度は下りなので楽かと思ったらさにあらず。登ってくる人たちは老若男女にかかわらず皆さん杖を突いていらっしゃる程で、キツい下りの連続でした。杖の無い私たちは、鉄製の手すりにつかまりながら急でデコボコした山道をひたすら下り続けました。


ようやくの思いでふもとに到着したときには2人とも膝がガクガクに(笑)鞍馬山へ登るのにサンダル履きはやめておいたほうがいいですよ。スニーカーを履いて行きましょうね(^▽^;)

貴船神社の近くで旅館が出している川床料理でお昼ご飯。涼しい床でせせらぎの音を聞きながらいただく鮎の塩焼きが美味しかったです!


涼しいを通り越して寒くなってきましたし、雨も降ってきたので、貴船神社へと向かいます。

ああ~、またまた階段を登るのね。



貴船神社は、水の神様と縁結びの神様として古くから信仰されているのだそうです。2人の息子の良縁を願って、夫が絵馬を奉納してくれました。しかーし!奉納した絵馬は1枚だったのでご利益は半分ずつかもしれません(;^_^A


本降りになってきた雨の中、鞍馬山をあとにして京都国立近代美術館へ。

鑑賞時間は一時間半と短かったのですが、生誕120年を記念する「藤田嗣治展」は大変に充実した展示内容で素晴らしかったです。出来れば平日の午前中、もっと人が少ない時間帯にもう一回ゆっくりと鑑賞してみたいものです。帰りに図録とポストカードを購入しました。


*オマケ

同館では9月23日から「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」(東京国立博物館は7月4日から)が開催されます。伊藤若冲は大好きな画家ですし、プライスコレクションということであば、これはもう必見ですね!

詳しくは↓こちらをご覧ください。

   http://www.jakuchu.jp/