ALEX RIELは1940年9月、コペンハーゲンの生まれ。1960年代からヨーロッパで活躍し、1965年には初リーダー作でDANISH JAZZ MUSICIAN OF THE YEARを受賞しています。多くの有名ジャズメンとの共演暦があり、北欧を代表するジャズドラマーの一人として現在も精力的な活動を続けていて、リーダー作もたくさん出しています。
ALEX RIELの名前は知っていたのですが、アルバムを聴くのはこれが初めてです。本作はデジパック仕様で、表にはRIELの幼少時代と思われるモノクロ写真。半ズボンとジャケットのスーツにハイソックスといういでたちで、髪を七三に撫でつけてもらい、ポケットに両手を入れてにっこり笑って立っている姿が可愛らしい!デジパックを開くと、これまた愛くるしいワンちゃんのお澄ましポーズ!母性本能&動物愛護精神をくすぐられます。
もちろん演奏の方も素晴らしいですよ。スタンダードの4ビート曲にしろ、ノスタルジックで古いナンバーにしろ、躍動感みなぎる演奏は粋で洗練されていて聴いていて楽しく、気持ちよくのめり込めますし、ピアノやベースのソロもバッチリ決まっています。リーダーのRIELはピアノとの小節交換ぐらいであとはサイドに徹しており、スタンドプレイは一切無しの職人気質。それでいて余裕と遊び心を感じるドラミングが好感度大です。
あ~私、今、ジャズ聴いてんねんな~...ジャズってこんなに楽しくてうきうきするもんやったんや~。スウィングってこういう演奏のことをいうんやろか?エエ感じやわ~...。というのがこのアルバムを聴いた主な印象です。アルバムには10曲しか表示されていませんが、10曲目が終わって一分後に11曲目が始まりますので、そのまま待ちましょうね。タイトルや演奏者は書いてないので分かりませんが、アコースティックギターをメインにしたゆったりした曲です。
スタンダード曲のほかには、JOHN COLTRANE作曲のGIANT STEPSが入っているのが嬉しい。他にオリジナル曲が4曲入っているのですが、このうちの3曲を書いているピアニストのHEINE HANSEN(写真を見る限りではRIELの息子といってもいいほどの若さ)がものすごく気になる!この人はいったい何者ですか!?演奏もなかなかに素晴らしいのですが、CHICK COREAが好んで書きそうなラテン・フュージョン風の曲や、いかにもENRICO PIERANUNZIが書きそうな無調感漂う曲などを聴いていると、HANSENが只者だとはとても思えません。これを読んで下さっているかたで、このHEINE HANSENというピアニストについて何かご存知のかたがいらっしゃいましたら、どんなことでも結構ですので教えてくださいませんでしょうか。どうかよろしくお願いします。
さて、強面でちょっと近寄りがたい風貌のヴェテランドラマー、ALEX RIELですが、ホームページを見てみますと、テディベアのブリーダーにして美容師の資格をも持つという彼の意外な一面を知ることが出来ます。この人、ユーモアと茶目っ気のあるステキな人なんだな~と思いました。
御用とお急ぎでないかたはALEX RIELの↓ホームページをご覧ください。
http://www.alexriel.dk/
■ALEX RIEL TRIO / WHAT HAPPENED? (Cowbell Music ♯14)
ALEX RIEL (ds)
HEINE HANSEN (p)
JESPER LUNDGAARD (b)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)