NGUYEN LE QUARTET / WALKING ON THE TIGER'S TAIL | 晴れ時々ジャズ

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

NGUYEN LEについては全く知らなかったのですが、試聴できるサイトで気になったので新譜を購入してみました。たいていは好きなアーティストの名前を見つけてアルバムを購入し、さらにそこから気に入ったミュージシャンをたどっていくのですが、たまにはこのようにして未知のミュージシャンを開拓するようにしています。するとこれが大当たりでした!
全曲がNGUYEN LEのオリジナル。美しいメロディが印象に残るヨーロッパ的流麗サウンドが概ねで、どの曲にもそれぞれにLEの卓越した作曲能力とセンスの良さがうかがえます。
NGUYEN LEはヴェトナム人の両親を持つパリ生まれの2世なのだそうです。そのせいかどこかエスニックなテイストが顔をのぞかせる場面が多いですが、アジア特有のリズムと音階を使ったジャズロック曲などは彼の個性が強く出ているようで興味深く、大変面白いと感じました。
ほかにエレクトリックギター炸裂のジャズロック、チェンバーロック風暗黒サウンドなどもあったりしますが、どの曲においても各人のインタープレイ、アンサンブルともに素晴らしく、要所に散りばめたエレクトロニクスサウンドも効果的で違和感がありません。そのうえアルバム全体に統一感があって表現力が豊かなのでイマジネーションがかきたてられ、聴き応えは満点となっています。
かつてない新しい感覚のNGUYEN LEワールドに当分のあいだはどっぷりと浸かってみたいと思います。
御用とお急ぎでないかたはNGUYEN LEのホームページ↓もご覧くださいね。
                      http://www.nguyen-le.com/
■NGUYEN LE QUARTET / WALKING ON THE TIGER'S TAIL (Act Music ACT 9432-2)
NGUYEN LE (electric & electroacoustic guitars, electronics)
ART LANDE (p)
PAUL McCANDLESS (tenor, soprano & sopranino sax, ob, ehr, bcl)
JAMEY HADDAD (ds & perc)
入手先:Amazon(通販)