STEFANO BOLLANI(イタリア人)、JESPER BODILSEN(デンマーク人)、MORTEN LUND(同)による2作目。BOLLANI は私が今一番気に入っているピアニストです。前作のMI RITORNI IN MENTE (Stunt Records)もそうでしたが、この新作GLEDAも素晴らしいです。前作ではスウェーデンのトラディショナルをラストに1曲だけ収めていましたが、今回は北欧のトラディショナルや有名曲(100年前~現代まで)のみを収めた作品集で、BOLLANI があえてレコードなどで原曲を聴かずにほとんどのアレンジを手がけたとのことです。
BOLLANI は演奏に独特のユーモアを表現する人で(悪ふざけが過ぎて実際に笑ってしまうことがあります)、まるでいたずらっこのようにクレイジーなフレーズを連発したり、キーを平手で打って刺激的な不協和音のかたまりをアクセントに用いたりすることが多いです。が、しかしここではユニークなアイディアや閃き、まるでピアノで歌っているかのような演奏はそのままに、北欧で生まれた音楽に敬意を払いつつ一曲一曲を大切にしながら弾いている...そんな感じを受けます。
なぜか妙に懐かしさを覚える曲、民族的舞踏曲を思わせる曲、歌謡風の曲などもあり、気持ちよく聴いているうちにいつしか北欧のメロディの数々に引き込まれてしまいます。静と動がバランス良くミックスされていて、3人の美意識が横溢し深く静かに心に染み込んでくるような演奏が多く、何度聴いてもその度ごとに心が穏やかになり幸せな気分に満たされます。
■STEFANO BOLLANI, JESPER BODILSEN, MORTEN LUND / GLEDA (Stunt Records STUCD 05012)
STEFANO BOLLANI (p)
JESPER BODILSEN (b)
MORTEN LUND (ds)
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