認知症発覚にいたるまで2/3 | プラモデルできるかな

プラモデルできるかな

初心者がミニプラモデル制作に挑戦してました

そんな夏のある日、テレビを見ながら父がブツブツと独り言をしている様子を目にしました。テレビに対する独り言だろうと思ったのですが、聞き慣れた名前が出てきたので内容を尋ねてみると、母方妹さんと再婚するという答えが返ってきました。
母方妹さんは自分たちと同じ町内に住んでいて、母が生きてたころとても熱心に面倒をみてくれた人です。自分もよく知っていて親戚付き合いも長い人物なだけに父の返答がにわかに信じがたく、夜になって母方妹さんに電話で確認をすることに。結果そのような予定はなくそのような間柄でもなく、父の思い込みだということでした。なぜ父がそのように考えたのかはわかりませんが、私は父にそのようなことはないと言い聞かせてその日は終わりました。

しかし翌日になると父は同じことを私に報告してきます。それは毎日のように続きました。それは食事中だったり、深夜就寝中だったりと時と場所を選びません。そのたびに父の思い違いであることを説明し、ときには母方妹さんに電話をして本人から「その気はない」と言ってもらって納得させるのですが、時間をおいたり翌日になったりするとまた同じようなことを言い出します。
思えばこのとき専門医に診てもらうべきだったのですが、私は「身内だけでなんとか収まっているから」と考え診察させませんでした。父もこちらが説明すれば(そのときは)納得して引き下がったので、言ってくるたびに説明すればいいと考えていました。

過ぎて10月、私は関東にいる友人と会うため泊まりがけで出かけます。これまでも何度か泊まりがけの外出はしていたので、今回も問題ないだろうと思い父に予定を告げて出発しました。関東に出かけて一泊して翌日の昼ごろ、母方妹さんから携帯に電話。「いまお義兄さん(父)が来ているけど、○○君結婚してるの?」と問い合わせがありました。私が独身なのは母方妹さんも知ってるはずなのですが、母方妹さんによると「○○は結婚していて関東に家族がいる」、「いま○○は関東に行って家族をこっちに連れてくる相談をしている」と父が言っているそうなのです。
これを聞いたとき、私は自分の行動の遅さを痛感しました。