ミリタリー沼にハマった訳ではありませんが、前回に続いて今回もサービスシューズです。

Genesco Inc.が製造した「サービスシューズ」と言うと真っ先に思い浮かべるブラックのU.S.Navy物。

6アイレットで羽根下はダブルステッチ


サイドはシングルステッチ

踵はドッグテイル


アウトソールはレザー

トップリフトはO'sullivan、あまり削れていないのは嬉しい。

ディティールからすると60年代です。
では何年の製造かライニング表記を見てみましょうか。

やばい、消えかかっててわからん、、、
もう片方に期待

こっちも製造年月日が消えてる!

しかし両足の情報を合わせてみると

10 R 59941 11
GENESCO INC.
DPSC
DSA 100-4568
JUNE

の文字が拾えました。
JUNEの後ろがあれば簡単にわかったのですが、、、

これまででわかることは60年代の6月製造ということ。

でも手掛かりはあります。
4行目のDSA100-4568が両足を合わせて拾えたの不幸中の幸い。
このコントラクトナンバーを調べれば特定できる可能性があります。

今回は、製造年月日のないDSA表記の年代特定をされている方の記事を参考にさせて頂きました。検証には製造年月日のあるDSA表記のミリタリーアイテムを用いておられるので非常に説得力があります。

参考にした記事はこちら 

1965年、1966年のDSAを解読する part 1 | D.M.Z.Contract Number DSA-1-XXXX、DSA-100-XXX、DSA-100-XXXXなどの1965年、1966年あたりの年号の入って...リンクD.M.Z.

 とこちら 

1965年、1966年のDSAを解読する part 2 | D.M.Z.part 1で発見したDSAナンバーの規則性は特に辻褄が合わない事もないのでこの規則性に沿って判断してほぼ間違いないと思う。COTTON SATE...リンクD.M.Z.

 です。

わかった法則はDSA100表記は65年7月から、そしてDSA100-2000番台くらいからが66年で、67年7月からはDSA-100-67-C-XXXXと表記が変わるという事。

この法則を今回のペアに当てはめてみると、66年6月か67年6月製造と年月が絞れます。

さらにDSA100-XXXXの最後の4桁が3000番台後半から5000番台前半のものは66年6月の契約とのことなので、めでたく今回のペアは1966年6月と特定できました。

あまり履き込まれておらずアッパーの状態も良し。

でも、流石に無傷というわけではなく、
擦れやキズがありました。

そんな擦れやキズ、今回はこのアイテムで綺麗に。

ブートブラックのコレクションズ

クリームをこんな感じで布にとって

こんなところや

こんなところに塗ります。

いくら染色力の強いコレクションズでも、さらりと塗るだけでは効果はなく、グイグイ押し込むように塗り込みます。目安は布を巻いた指が摩擦で若干熱く感じるくらいの力で。

すると、こんな感じや

こんな感じで
白く目立っていた擦れやキズが殆ど目立たなくなります。

一見ガラスレザーのように見えますが、ちゃんとクリームを吸い込むので、60年代の革質はガラスレザーではなく、肌理の細かい革に顔料を塗っているように思います。

オンオフ問わず履ける面構えかと。

40年代サービスシューズをガシガシ履くのは気がひけるので、代わりにこの靴をガシガシ履こうと思います。