治療体操 | 筋肉ドクターの気まぐれ日記

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Killing Timeに日記を書き候

 

 

 

こういう疾病にはこういう体操をした方が良いみたいなの、多いですよね。

その殆どを私はインチキだと思っています。

何故なら、そのほとんどがそもそも論が間違っています。

 

握力が強い人が寿命が長いから握る練習をしましょう。

骨粗鬆症は骨への刺激が大切ですから踵をトントン刺激しましょう。

腰痛はこういう姿勢で予防しましょう。

腰痛の治療は腰をそらしましょう。

膝が痛い人はO脚になるので、O脚にならないように膝が寄るような姿勢で体操しましょう。

 

全部インチキです。

 

何故そう断言できるかと言うと、人間の運動パフォーマンスに影響する因子として技術的なものと能力的なものがあるのです。

そして、運動パフォーマンスを上げるには技術を上げるのか能力を上げるのかを考えながらやらないと、この運動を強化するために同じ運動で負荷をかけてみたいなどっちつかずの両方に効果の無い運動になりがちなんです。

 

技術を向上するには時間をかけてその運動をすれば良いのは誰でも分かること。

赤ちゃんが歩けるようになるために歩く練習をする、学生スポーツがそのスポーツの技術を練習する、すると技術は向上する。当たり前の話です。

しかし、これは運動能力が特に何も考えなくても向上する成長期の話なんです。

 

では、高齢者が動けなくなったのは何かの技術が無いからなのか?

違いますよね。能力が弱ったからなのです。

高齢者が立てなく歩けなくなったのは、立ち方歩き方を忘れたからではなく、立つ能力歩く能力そのための筋力が低下したからなんです。

要するに能力、筋力を上げてやる筋トレが重要なわけで、技術練習は必要ないんです。

 

で、それに伴ってあっちが痛いこっちが痛い動けないなんてトラブルが発生している時に、技術練習や能力を高めない軽い運動して治ったら逆に不思議なわけで、体の使い方や能力を高めない軽い運動が足りてないからでは無いわけです。

 

と、そもそも論的なところから考えると、高齢者が弱って不具合のある体を何とかする運動は、運動能力・筋力を上げる筋トレ以外に存在しないことが分かると思います。

 

ですから、高名な先生が書いた〇〇を治す△△体操なんて本は、私の本以外はほぼインチキと言っても過言では無いでしょう。