腰痛治療に筋トレは諸刃の剣だ。
私は言ったこと無いが、腰痛に筋トレが大切って言うてますよねみたいに言われることが多い。
ってことは、そう思い込んでいる人が多いのだろう。
基本的に腰痛治療に安静が良くないことはもはや常識になりつつある。
だから筋トレして鍛えなければと早計に失する人が多い。
どこまでも心理社会的因子との関わりが強い腰痛だが、そもそも心と体は分離できるものではない。
なので、じっと安静にして楽だってのは、動くとしんどい、動くと痛くなるという考えを強くする。
これが腰痛を酷くする。
ちょっと動いたら、ほらまた痛くなったということを繰り返し、どんどん動くと腰痛になるという意識を増幅していく。
こういう人に筋トレを突然やってもらうと、そりゃ最高の恐怖を味わうわけですから、心理社会的因子でより腰痛を酷くさせやすくなるわけです。軽い軽い重量を担ぐだけでぎっくり腰みたいになる人をたまに見かけますが、そういう人はこの系統だと思っています。
でも、腰痛の本態は心理社会的因子だとしっかり理解できたことろでやるべきことは、運動なんです。
動いても大丈夫、動いて体の損傷を起こして痛むというのは間違っているという確信を得るには、運動するしかありません。
で、何やっても大丈夫ってことを心底理解するためには、筋トレは最高の教材になるわけです。
自分の一番きつい運動をするわけですから。
ついでに体力の増強、容姿の改善っていうおまけ付きで。
ある意味筋トレを存分にできるようになることは、腰痛を卒業する鍵になると考えています。
しかし、筋トレは腰を痛めるのでと、腰にベルトをグルグル巻きにして、姿勢に注意して痛めないようになどとやっていると、これは逆効果になるわけです。
まあ、競技的にやっている人は腰ベルトしないと記録が落ちるみたいなので、そういう人は巻けば良いわけですが、それは腰痛の予防ではなく(実際予防にならない)、記録に挑むためだと認識することです。
簡単に言えば筋トレと腰痛は無関係なのですが、腰痛治療の強敵は運動恐怖症であり、それを改善するために筋トレは使えるが、心理社会的因子を理解していないと逆効果になる諸刃の剣ということです。