木を見て森を見ず | 筋肉ドクターの気まぐれ日記

筋肉ドクターの気まぐれ日記

Killing Timeに日記を書き候

 
筋トレとは筋肉を成長させるものですから、筋肉だけ知れば良いと思われているかもしれません。
 
逆にどこどこが痛いと言うと、筋肉かな?腱かな?靭帯かな?関節かな?今なら腱鞘かな?筋膜かな?関節包かな?膝なら半月板かな?脊椎なら椎間板かな?椎間関節かな?とかより細分化して考えるのが正しいと思いがちだ。
 
しかし、筋トレは筋肉の動きを考えるのは基本ですが、関節可動域を考えるのに関節や靭帯のことを考えなければならないし、実際に全身を動かす中で他の組織に過剰な負担をかけることなく、鍛えたい筋肉が最大限に使われる動きを考えなければならない。
そして、限界まで追い込むと言っても、それが、無酸素的なものなのか有酸素的なものなのか考えると、心肺機能も考慮しなければならない。
 
他方、膝が痛い、腰が痛いなどとなった時に、要素還元主義的に細分化して考えて、結局治療に失敗してきた歴史がある。
膝や股関節に関しては靭帯だ軟骨だ半月板だなどの痛みの局在は無視して、痛い膝関節を全部取り除いて人工関節入れちゃえば膝痛くないよねってのがある程度成功しているが、人工関節の感染や緩み、破損などの問題もある。
そもそも、痛くて動けないのを改善するためにやる手術だが、その後弱らないように筋トレを指導してきた私としましては、いくら変形してても自分の体なら多少の損傷も自然治癒するが、人工関節は壊れたら交換しなければ治らないので、運動してもらうのに怖さがある。
しかし、やらなければ弱るだけですしね。
人工膝関節の入った寝たきり老人など見ますと、この手術に何の意味があったのかなと思わなくもない。
 
要するに体を鍛える、どこどこが痛いなんてのはそれ以上でもそれ以下でも無くて、じゃあ体をどう使う?そこが痛いのを治すにはどうする?みたいにそのまま捉えて観察して対応するのが正解で、細分化して分析するのは間違いの始まりと思わなくもない。
 
そのものを見ずに要素還元主義を知識で知って分かった気になっている、木を見て森を見ずの人が多いですよね。