mark(X)Infinity終演。台本の話。 | 劇団鋼鉄村松ブログ

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どうも。バブルムラマツです。
楽日の次の日からバイトしてます。五連勤です。
練習中にお誕生日を迎え、年取ったなーと思う瞬間が増えました。そんな時、よく久石譲の戦場のメリークリスマスの節で「おじいちゃんータタタタタタおじいちゃんー♪」と歌ってみます。もの悲しい響きが僕の心を逆に癒します。

そんなこんなでmark(X)Infinity、終演しました。
本当にご迷惑をかけとおしだったキャスト、スタッフのみなさん、ごめんなさい。そしてそこにお客様を加えて、本当にありがとうございました!

別に特に誰も興味もないかもですがなんとなく書きたくなったので今回の台本の構造の話を。
わりと僕は台本を構造から考えるタイプです。
今回の作品の元になったコメフェス出場の45分の中編mark(X)は「冒頭から登場する主人公ひろゆきが、物語全てを支配していた総統と同一人物であった事が明らかになって終わる」という物語がぴったり一周して閉じる円環の物語でした。

それをフルサイズの長編にするに当たってまず、途中に切り込みをいれました。
それがこの「店長がマークXという物語を見たことがある」というシーンです。
このシーンによってこれがメタ的には「コメフェスの作品の再演」である事を告げつつ作中では「これと似たマークXという平行宇宙があった」と告げる二重構造を出しました。円環は切れ目を入れて伸ばされて二周目に入った事になります。

物語もクライマックスに差し掛かるあたりでゲストが登場します。
これは別の平行宇宙のひろゆきの10年後の姿です。
(画像は初日のゲスト、村松たいすけによる「おっぱいバーガー屋になったひろゆき」)
そして物語終盤、元のマークXではエンドマークが近づいた瞬間、前作には登場しなかった「四天王β」が物語を終わらせる事を拒否します。

そしてβは自分自身と、同じく四天王であるγとδが別の平行宇宙のひろゆきであることを告げます。
(少し話はずれますがヒロインであるエプシイの名前はΖガンダムの裏設定の一つであるε(エプシイ)・ガンダムからとっています。始まりのα(ガンダム世界ではアルパと読みます)である総統と合わせてβ、γ、δはmark(X)の頃から「多分他にそんな名前の幹部がいるよなー」と思ってました)
これにより切り取られた円環はさらに周回を重ねます。
そしてラスト直前、突然店長が「これとは別の、全人類がひろゆきである事が明らかになる平行宇宙のmark(X)Infinity・limited」という幻の再再演作の話をします。
まあネタなんで実際はしないんですが(多分)。
これにより、僕はこの話を閉じた円環からどこまでも開放された長い長いバネのような螺旋の話にしたかったんです。

見に来たお客様が、「もし自分がひろゆきmark(X)の一人だったら」みたいな妄想をしてくれてら、この螺旋はどこまでも続いていって、それはとても作者冥利につきるなー。と思ってます。


ご来場ありがとうございました!