続きまして2025年同志社大学(全学部日程)日本史の設問2の解説に入っていきます!

 

問題は著作権の都合上掲載しておりません。もちろん赤本を買うのが一番ですが、入試問題と解答は東進の大学入試問題過去問データベースを活用することがおすすめです!(ただし解説はついていない場合がほとんど)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは解説です。

 

設問Ⅱ

江戸時代の文化や社会状況に関して問われています。歴史というと政治史ばかりに集中してしまいがちになりますが、文化や社会面を理解しておくことも歴史への知見を深める手掛かりになります。特に江戸時代は寛永期の文化、元禄文化、宝暦・天明期の文化、化政文化と長い時代の中で大きく文化史が動いています。ただ丸暗記するのではなく、教科書等を利用して理解を深めながら解説を読んでくださるとうれしいです。

 

a 糸割符ですね。空欄の前後だけ見ると難しいですが、設問を読めば日本の特定の商人が生糸を一括購入して、ポルトガルの生糸独占を食い止めたといった内容が書かれていますね。問題文をしっかり読めば想起できたのではないでしょうか。

b ひろこうじと読みます。おそらく教科書には出てきていると思いますが、火除けのために設けられた防火施設ぐらいの知識しかない人がほとんどでしょう。広い路という名前から想像できるかもしれませんが、火事が広がるのを防ぐために設けられた広い道路のことなのです。道路が広いと近隣の建物に火が燃え移るのに時間がかかりますよね。見世物小屋うんぬんの話はそうなんだ~と思っておけば大丈夫でしょう。
 
c 漢字4文字の廻船ですから、菱垣廻船を想起したいですね。少し漢字は難しいですが、同志社を受験するなら書けてほしいですね。菱垣廻船よりたくさん運べ、荷積みも迅速であった樽廻船が登場してからは菱垣廻船は減少していきます。
 
d 元和(江戸の初期)に御用絵師になった狩野派の人物ですから、寛永期の文化に出てくる狩野探幽ですね。狩野元信(正信の子)は東山文化で出てくる人物、狩野永徳と狩野山楽は桃山文化で出てくる人物です。狩野派は正信から始まり、明治期の狩野芳崖あたりまで絵画で活躍した一家です。有名な人物が活躍した時代や有名な絵画に関してはしっかり押さえておきましょう。
 
e 野々村仁清が上絵付法をもとに色絵を完成し京焼を生み、それを尾形乾山が引き継いだのです。陶磁器の総称を答えるのですから、答えは京焼です。正直これは他の用語に惑わされる可能性が高いですね。ですが、教科書にも明確に書かれているはずですから、詳しい説明をここで確認しておいてくださいね。
 
 
f 舟橋蒔絵硯箱ですね。蒔絵というのは設問文にある通り、漆で文様を描いてそれに
金属粉を蒔き付けて模様をつける技法の事です。国風文化の所でも出てきていると思います。ちなみに、貝殻の真珠光の部分を薄く剥いで磨いて、任意の形に切って模様とする技法である螺鈿というのもあります。
 
g 沢庵宗彭(たくあんそうほう)です。紫の衣にまつわる事件とありますから、紫衣事件を連想できますね。選択問題ですし、これは完答したいですね。ちなみに、天海は、家康の死後に家康の神号に関して家康を支えた金地院崇伝と論争した人物です。天海が主張した東照大権現の案が認められました。隠元隆琦は、黄檗宗を日本に伝えた明僧ですね。顕如は織田信長との石山戦争で挙兵した本願寺の僧です。
 
h 元禄期の染め物ですから、友禅染ですね。友禅染自体は聞いた事があっても、元禄文化であることと結びついていないと解答するのは少し難しかったかもしれません。文化は詳しい知識を詰め込むより、基本的な時期、作品、作者などの人物名を抑えて結び付けておくことが大切です。
 
i ごちゃごちゃ書いてありますが、「平安後期に厳島神社に奉納された装飾経」がキーワードです。いきなり時代が飛びますので混乱してしまいますが、平安後期の文化ですから「院政期の文化」を思い出しましょう。答えは平家納経です。教科書や資料集で一度は写真を見たことがあるのではないでしょうか。院政期の文化はあまり目立ちませんが、中尊寺金色堂や扇面古写経など有名な寺院や作品がいくつかありますので、一度確認しておくことをお勧めします。量は少ないので覚えやすいです。
 
j 消去法で行きましょうか。まず寛永期(江戸時代)ですから、姫路城は消せますね。桃山文化です。都久夫須麻(つくぶすま)神社本殿も桃山文化の建物です。琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)にあります。実はもう一つの不正解の選択肢、大徳寺唐門も桃山文化の建物なんです。聚楽第(秀吉が建て後陽成天皇を迎えて歓待した場所)の遺構と言われています。正解の桂離宮は、後陽成天皇の弟である、八条宮智仁親王の別荘だったものです。寛永期の文化も院政期の文化と同様、少し地味ではありますが、この機会にもう一度確認しておきましょうね。
 
k 古義堂と言えば伊藤仁斎ですね。古学派には山鹿素行も当てはまります。山崎闇斎は朱子学の一派で、垂加神道を説いた人物です。熊沢蕃山は陽明学派ですね。陽明学は革新性をもっていたため、幕府から警戒されていました。儒学者に関しては、それぞれの思想の違いを理解するというよりは、誰がどの派に属していたのか、系統図などを利用して確認しておくことが大切ですね。山鹿素行の「聖教要録」など、作品を出していたりする人物もいるので、そのあたりもしっかり結び付けておきましょう。
 
l  選択肢の人物はみな国学者ではあるので、作品名で絞りましょう。北村季吟です。契沖は万葉集を研究し、「万葉代匠記」を著した人物です。2人とも元禄期に活躍しています。その後宝暦・天明期(18世紀ごろ)に荷田春満、賀茂真淵、本居宣長などが登場します。本居宣長は「古事記伝」を著したことで有名ですね。他には塙保己一や、宝暦事件を起こした竹内式部が国学者に該当します。
 
m 元禄の浮世絵師ですから、菱川師宣ですね。「見返り美人図」が有名です。順番前後しますが、鈴木春信(宝暦・天明期)は多色刷浮世絵版画である錦絵を完成させた人物、喜多川歌麿、鳥居清長は浮世絵師ですが、鈴木春信と同様に宝暦・天明期に活躍した人物です。鳥居清長はメジャーではありません(筆者は知りませんでした)が、残りの3人は代表的な作品名とそろえて覚えておかないといけないです。
 
菱川師宣→「見返り美人図」
鈴木春信→「五常」(仁、義、礼、智、信があります)
喜多川歌麿→「婦女人相十品」のうち「ポッピンを吹く女」など
 
n 近松門左衛門の代表作は、「曽根崎心中」、「冥途の飛脚」、「心中天網島」、「国姓爺合戦」の4作ですかね。したがって、答えは「義経千本桜」になります。竹田出雲らが合同で制作した浄瑠璃であるようです。「義経千本桜」は代表的な作品名ではありませんので、この問題は近松門左衛門の作品をしっかりおさえられているかが問われています。
 
o 仮名草子ですね。寛永期の文化に当てはまります。御伽草子は室町文化ですし、黄表紙は宝暦・天明期の文化出てきます。恋川春町が有名です。読本は化政文化で出てきます。上田秋成が有名ですね。

 

これで大問2の解説はおしまいです!大問3は後日更新しますね。2026年度の入試問題も今後解説できたら良いなと思っています。

 

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