この秋の読書週間は…
ベン・アーロノヴィッチ『地下迷宮の魔術師』(金子司訳)
と
エレナ―・アップデール『怪盗紳士モンモランシー』(杉田七重訳)
読みました。
『地下迷宮の魔術師』は、『女王陛下の魔術師』から始まるロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズの第三作目。
一作目と二作目を文庫化と同時に読んだのに比べて、この第三作目は購入したまま放置していたもの。
相変わらず、文章が難解で。
どう難解かと言うと、現代のイギリスジョーク?ブリティッシュジョーク?が散りばめられた文章なので、おもしろいのかどうかが分からないことww
読んでいてここはクスッとするべきなのか、と思う文章はものすごく多いけども、この冗談っぽい表現のどこらへんにウケたらいいのか、微妙…みたいな部分がたくさんある…。
今回は、イギリスロンドンの地下鉄や下水道施設を舞台に、魔法関係の悪役やら殺人事件の犯人やらの追跡が進むので、ロンドンという都市自体をよく知っていたらもっと雰囲気を楽しめただろうな、と思う。
で、この本を読んでいる途中で、衝動買いして、この本よりも後に読み始めて先に読み終わったのが、『怪盗紳士モンモランシー』。
この物語の舞台もロンドン。
時代は遡って、ヴィクトリア朝時代。
日本で言う江戸時代あたり?と思って調べたら、産業革命以降の19世紀前期から20世紀初頭(1901年)くらいまでのことらしい…。
物語の主人公は、完成したばかりのロンドン地下にある下水道を使って、警察の目をかいくぐって泥棒を働く一方で、モンモランシーという偽名を使って高級ホテルに住むという二重生活を送る男。
話の最初の方で、ロンドンの下水道を企画・監督した人物として、サー・ジョゼフ・バザルジェットという博士?が出てくる。
この博士の公開講義を聴く機会を得たことから、下水道を使った盗みをモンモランシーは思いつく、というストーリーの流れ。
『怪盗紳士モンモランシー』自体がフィクションでもあるので、この人物も実在しないのかと思ったら…、『地下迷宮の魔術師』にも出てきた。
地下鉄での殺人事件を追って、ヴィクトリア朝時代に建設された下水道に入り込むシーンで、「バザルゲットがこしらえた19世紀の有名な下水道のひとつ」と書かれてた。
この二つの小説に同名で出てくるってことは、きっと実在する人物なんだろうな、と推測w
二つの小説を合わせて読むことで、現在のロンドン、100年以上前のロンドン、両方を存分に味わった気分になる。
下水道を通してだけどwww
ちょっとロンドン行きたくなるなぁ。
『地下迷宮の魔術師』は、次回作『空中庭園の魔術師』まで購入してあるので、また間をおいてw、読もうかな。
『怪盗紳士モンモランシー』の方は、次回作では怪盗ではなくて英国政府の覆面捜査官になっている、という紹介文を読んで、もう買わなくていいかなと思ったけれど。
(二重生活を送る怪盗の物語、に興味を持って購入したので…)
イギリスでは既に最終巻第五巻まで発行されているとのこと。
だったらシリーズ全部買おうかな、と思いなおしたw
終わりが見えないシリーズ物(現在進行形で続きが出でいるシリーズ物)は、気に入ったものでないとストーリーの展開が遅すぎたり、お気に入りの登場人物が死んでしまったり、思わぬ暗いお話になってしまったり、読むモチベーションが落ちて途中力尽きてしまうことがある。
でも最後まで既に出ているなら!しかも五巻までなら!
買うよ!
と思ったwww 現金ww
翻訳は第二作が年内十二月に刊行予定らしいので、楽しみ。