世界保健機関のアルコール規制にみる「業界」と「政府」と「規制」 | 色塾BLOG-

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日々のビジネス・社会に対する思いや、起業に向けた考え、読書に対する感想など様々な話題を、海外で働くマーケターとしての第3者の視点から展開。

ちょっと前のニュースになるが、22日世界保健機関(WHO)がアルコール規制案を採択した。
タバコに続く規制だ。

具体的には、
・小売りする日や時間の規制
・イベントなどでの販売規制
・10代の若者の飲酒を防ぐ「障壁」の確立
・酒の広告内容や広告量、メディアの規制
・スポーツ・文化イベントのスポンサー規制
・公共の場での飲酒をめぐる施策
・若者を対象にした販売促進の禁止や制限
・飲み放題、値引き販売の禁止や制限
・アルコール課税、最低価格の導入

などになる。

広告業界といった意味においては、
4媒体広告費の中で、業界別で第4位の出稿量を誇る飲料の規制は痛い。
$色塾BLOG-シンガポールで働く外資系マーケターの日記

さっそく各アルコール飲料会社もみずから広告規制を敷いたようだ。
どこまでの規制になるのかわからないが、この広告不況の中で、7.5%の金額シェアを占める業界の締め出しは広告業界にとっては痛手に違いない。

これによって、「広告費の上昇」などという良くありがちなイタイ手段には出ないで欲しいと思う。
そして、テレビ業界も大分これで悲惨な状態がさらにまずくなるだろう。

TBSなどは、どんどん持ち株子会社化して、子会社に務めさせることで、従業員給与をカットしたりなどしていると聞く。NHKはこの前61億円の赤字予算を出した。

はっきりいって、業界として人権管理費が高すぎる。
それに、消費者からみると、業界人の中では番組の差別化をしているつもりかもしれないが、同じニュースを何局もが同じ時間に流すなどというのは効率が悪い。中にはいろいろ事情があるのかもしれないが、僕にはこれも内部の規制による怠惰が起こしたものだと思えてしまう。

あまりここに言及するのは避けたいのだが、NHKの課金制度は時代錯誤も甚だしい。
情報がどんどん無料化されていく中で、WOWWOWやスカパーなどはしっかりサービスを差別化して、課金をしているのに、なぜNHKだけに特別に視聴料を「特別に」払う必要があるのか?番組のQualityが高いのはわかったし、それはそれで素晴らしいと思う。しかし、あの課金方法ははっきり申し上げるが、窃盗か詐欺かといわれても変わらない。

勝手に電波を流していて、クリックしたらいつの間にか課金をするようなアダルトサイトかと錯誤してしまうようなビジネスモデルである。

この不況を終えたとき、テレビ・広告業界は少しは変化しているのだろうか?

だいぶ話がずれてしまったので、もとに戻すと、「アルコール規制」のお話。

僕の最初の感想は、そこまで管理してもらわなくて結構です・・・
なんだかまるで親や学校から管理されている高校生に戻った気分である。

しかし、一方でアルコールが社会的に害を及ぼしているというのも事実だろうし、楽しい面をもたらしてくれているというのも事実かもしれない。

ただ、個々が管理できない場合は、それは仕方ないのだろう。

タバコでやったときのように、酒税をどんどん高くして、また官僚の天下り先が増えるのだろうか・・・各アルコール飲料に、飲むと肝臓がんに・・・のようなえぐい広告が載るようになるのだろうか・・・

こういうよくある規制論には、よく思うのだが、
中途半端なことやめて、「目的」が正しいと信じるのであれば、アルコール企業をつぶしてでも禁止にするとか、飲んだら禁固とか、そういう風に禁止すればいいのではないか?と思う。

シンガポールではドラッグは死刑だし、だから入ってこない。

そのくらいの決断・覚悟がないのであれば、中途半端にすべきでない。
政府の「酒税」といういいとこだけいただいて、なんとなくアルコール禁止といいことだけいって、適当に業界を仲間につけて、牛耳るみたいな魂胆があるのではないかと疑ってしまうのは僕だけだろうか。

中途半端な規制などいらない。やるなやればいいし、やめるならやめればいい。
どうせ日本にだって、酒というものが消え去ってしまえば、ほとんどの人は忘れるし、どうしても飲みたい人は移住する。

それだけある様々なリスクを取ってでも、やるべきだというのであればやればいい。
腹を決めてくれ。

中途半端な官僚様たち・・・