朝ドラ『虎に翼』の話でありながら、ここ最近全然見れていません。
土曜日のダイジェストは見ているんですが…。
だから「すでに描かれてるけどダイジェストに反映されてないだけ」だったらすみません。
現在の『虎に翼』は戦前。日中戦争はすでに始まっていて太平洋戦争の開戦が近いです。
先週、ヒロインの寅子は先輩2人とともに弁護士試験に受かりましたが、同期は全滅。
様々な事情でそもそも試験を受けられなかったり、男装して男言葉で話す山田よねは外見を理由に落とされた。
今週は「お国のため(戦争のために)産めよ増やせよ」が奨励されていた時代に、独身で子どもがいない寅子が弁護士として依頼主から信用されず仕事がない……という厳しい現実が描かれました。
もちろん、それは差別ですし今の時代は絶対に許してはいけません。
弁護士も性別や結婚や子供の有無ではなく実力で選ばれるべきです。
このドラマのヒロインのモデルは女性差別が当たり前だった昭和の時代に、女性初の弁護士や裁判官になって道を切り開いてきた実在の女性です。
だから当時の法曹志望の女性達が遭遇する差別、偏見など厳しい現実を描くことは賛成です。
朝に観るのは辛いドラマですが、ドラマとして面白いと思います。
その一方で思うのです。
これから戦争が始まったら、健常者の若い男性達は次々と徴兵されていく。
当初は守られていた文系学生も徴兵され
やがて30代や40代男性も徴兵される。
一方で女性が徴兵されることは全く無かった。
同じ時代のソ連では女性も徴兵されていたにも関わらず。
(だからといってソ連がフェミニズムの進んだ男女平等の国だとか言いたいわけではないので悪しからず)
現代のウクライナでも出国禁止なのは一定年齢の男性だけだが、女性にも志願兵はいる。
ガザ侵攻で国際的な批判を受けているイスラエルも以前から男女ともに徴兵してきた。
『虎に翼』は戦前、戦中を描くドラマだけど、放送されているのは2024年だ。
だから今ウクライナやイスラエルで『女性兵士も戦争に行っている』という事実から目を逸らすことはできない。
私は『日本が戦争を始めたら(他国に侵攻された場合も、他国を侵攻した場合でも)女性も徴兵するべきだ』とも思ってない。
一方で『女性は徴兵してはいけない』とも思っていない。
そもそも日本には徴兵制はない。
ただ、自衛官と予備自衛官の数が足りなくなったら徴兵制も『期間限定』という建前でできてしまうかもしれない。
それはさておき。
『障害者は徴兵しない』というのはまだ分かるんです。
障害ゆえに戦えない、というのはあるので。
しかし今や性別を理由に特定の職業に就業させないのは許されない。
寅子が弁護士になった時はまだ女性は裁判官と検事にはなれなかったけど、今の時代、少なくとも法律上はそういうのは許されません。
そもそも寅子が大学に入ったときは女性は弁護士にもなれませんでした。
寅子達が国会に何か働きかけていた描写はなかったと思いますが、性差別に抗い、女性も弁護士になれる日が来ると信じて頑張ってきました。
だからこそ『戦争における、性別による役割分担』に寅子も他の誰も疑問を抱かない展開にはなってほしくない。
寅子やよねが『女だから徴兵されない』という現実にホッとしても構わない。
それでも避けてほしくありません。
(続き。結局『女は徴兵されない』は描かれなかった)
https://ameblo.jp/iroirohitorigoto/entry-12854434286.html