※このブログはクローズアップ現代の「教育虐待」を観た感想も含まれますが、それ以上に「番組とは直接関係ないけど最近思うこと」が多いです。

※あくまでも私の感想や推測を書いています。

去る2024年3月13日、NHKの「クローズアップ現代」が「教育虐待」を特集しました。



(放送から1週間後の3月20日まで視聴可能)

クロ現含めてNHKは観ている方だと思うのですが、NHKがここまで大々的に教育虐待を取り上げるのを観るのはこれが初めてでした。

では教育虐待の話は取り上げていなかったと思います。


といった「いくらなんでも勉強時間長すぎじゃないの?まだ小学生なのに休む時間も無し?」みたいな内容なら取り上げていましたが

それを「大人なら過重労働だ、労働基準法違反になる」みたいな取り上げ方はしていませんでした。

「クロ現踏み込むなぁ」と思う一方、番組によって扱い方が異なるのは放送法違反にならないようにするためかな? とも思った。
(多様な意見を取り上げる事は良い事です)

さてクロ現ですが
私が最も驚いたのが
「受験勉強・受験制度が子ども達の心身の健康に悪影響を与えている」という国連の勧告を報道したことです。

(番組では図表つきで取り上げていたのに「クローズアップ現代 取材ノート」には載っていません。無期限で見られるように載せてほしかった。)

(以下2枚は2024年3月13日放送のクローズアップ現代より。この図表です。)




ただ、この勧告は2019年のもの。

NHK含めてテレビで報道したのを見たのはこれが初めてです。

いや、ラジオ、新聞、ネットニュース等で報道していたか疑問です。
少なくとも私の記憶にはありません。

しかも同じ内容の国連勧告は1998年、2004年、2010年と長年にわたり3回も出されてきました。
(出典:尾木直樹「取り残される日本の教育」)

なぜ今まで報道してこなかったのでしょうか?

理由はわからないけど一旦置いておきます。

とはいえ、私は数年前には既にこの国連勧告を知っていました。

前述の出典である尾木直樹・著「取り残される日本の教育」という本で読んだことがあるからです

尾木ママこと尾木直樹氏が北欧やオランダの教育制度を肯定的に紹介しているのはその本を読む前から知っていました。

だから彼が日本の受験制度に否定的なことを本に書いたこと自体は驚きませんでした。

欧米の教育は日本と全然違うという事も既に知っていました。

しかし「国連が日本の過度な受験競争を批判し、改善するように勧告した」という事実は知らなかったので、本を初めて読んだときに驚きました。

また、同書によれば日本の子どもの自殺の原因はいじめよりも学業不振や進路の悩み(要するに受験や偏差値ですね)が多いです。

これにも驚きました(このグラフについてはNHKスペシャルも3,4年ぐらい前に報道していたと思います)。

今回のクローズアップ現代の最大の功績は国連勧告を報道したことだと思います。

私も含め、自分達日本人がいかに異常な社会環境で子供を教育してきたか、あるいは自分達が教育を受けてきたのかに気づかせられるからです。

私を含め多くの日本人は「日本の受験競争なんて韓国に比べればマシ。かわいいものだ」って思っていませんか?

しかし国連勧告は過度な受験競争についての勧告を韓国と日本の両方に出してるんです。

中国と台湾にはなぜ勧告しなかったのか分かりませんが(北朝鮮もかな。教育制度が不明なのでなんとも言えないけど)

東アジア人の受験競争への肯定ぶりは世界的に見たら異常なんじゃないかと思います(あくまで私の感想です)


番組に出演した武田信子氏(教育虐待という言葉を10年前に初めて提唱した方だそうです)が自身のnoteで「受験競争を肯定するような日本社会を変えるのは市民一人一人でボトムアップで変えることが大事だ」(※私による意訳です)とおっしゃっていました。

「受験競争を肯定するような日本社会」というのは、本当にその通りだと思います。

塾でパワハラを受け、家庭でも高校でも大学行くように私は誘導されていたのですが(親と学校が教育虐待していたかどうかはさておき)、そんな辛い過去を持つ私でさえも、受験という制度のすべてを否定する気にはなれないのが正直なところです。

私も年を取ったんですよね(上の世代から怒られる発言)。

この年になると自分が歩んだ人生を不適切だと批判されるような言説は受け入れたくなくなるんですよね。

話を「受験競争に肯定的な日本社会」に戻しますが、本当にその通り。

もう10年前?いや20年くらい前から某お菓子メーカーが毎年1月頃から受験にちなんだお菓子を売り出しますよね。

「TOPPO」が「TOPPA(突破。入試を突破するの意味)」になったり(パッケージが違うだけで中身は普通のトッポ)

KitKatが「(受験に)きっと勝つ」というパッケージで売られたり。
(桜をあしらったデザインは可愛いと思うけど)

カロリーメイトも受験をテーマにしたCMやってましたよね?
森山直太朗さんの「さくら」をBGMにして東京03の飯塚悟史さんが教師役で、受験を控えた生徒達を励ます、みたいな(もう3,4年前かな?)

親が受験に関心がなくても幼いわが子のおやつとしてTOPPAや受験生応援のKitKatを買い与えていることもあるでしょう。
(さすがにそれまで批判するつもりはないけど)

こういうのを子供の頃から見ていると
「受験していい大学に入るのが勉強する意味なんだ」とか
「受験は学生の一大勝負なんだ。だからKitKatやカロリーメイトすら応援するし
大学入学共通テスト前日の天気予報では気象予報士が受験生を心配するような発言をしてるんだ」
とか刷り込まれそう。

(天気予報まで悪く言うつもりはないんですけどね。でも英検や医師国家試験の前日に気象予報士が特別なコメントはしませんよね

もちろん食品メーカーだけの責任ではなくて、教育産業のCMもそうですし、親や教師や友達の親の発言もそうですし、そういうのに子供たちは影響されていくんですよね。

小学生の親向けの教育雑誌には毎号のように
「東大生のノートの取り方」
だの
「東大生の小学生時代の勉強法」だの
「中学受験 注目の男子校・女子校」
といった特集が組まれます。

こういうのを毎号ではなくても日常的に読んでいたら間違いなく影響されます。
家にこういう雑誌が日常的に置いてあったら子供も影響されます。

まとまりのないブログですが、まとまりのない内容でまだまだ続きます。

(続けるつもりだったけど、時間がなくて続きが書けない!)