アークタイムズ(東京新聞)の尾形記者、望月記者が指名されずに会場で怒った一件に思うことは色々あるので箇条書き。

(事実誤認があったらすみません)


・そもそも指名NGリストというものが存在すると記者会見にいた記者たちは誰も知らなかった。その前提を忘れてはいけない。しかし現実にリストはあって、尾形・望月両氏をふくむ一部の記者は指名NGにされていたことも事実。


・9月の記者会見で望月記者が東山紀之新社長に「ジャニー喜多川氏から性被害に遭ってないのか?」「『俺のソーセージを食え』の性加害をしたのか?」を質問したが、被害経験の有無を聞くのは二次加害でありまずかった。

一方で「『俺のソーセージを食え』は本当か?」という質問は、東山氏が新社長にふさわしいか判断する材料になるので意味のある質問だったと思う。というか私はそこ知りたかった。誰も質問しなかったら「やっぱり日本のマスコミは未だにジャニーズに忖度してる」と呆れていた。


10月2日の記者会見で「挙手しても当てられない不満」を司会者に訴えたのは悪いことではないと思う。尾形・望月両氏だけでなく積極的に挙手しても当てられないのは不可解だ(指名NGリストがあると判明して、理由は分かったが)。だから「さっきからずっと挙げてるのに指名されない」と訴えるのは悪くない。しかし、指名されないからといってマイク無しで登壇者に質問するのは支持できない。これを許したら他の記者も挙手せず聞きたいことを聞くようになるし、質疑応答がスムーズに行われない。収集がつかなくなる。

それと、東山氏も指名されてない人からの質問には答えない方がよかった。


・井ノ原快彦氏の「子どもたちにはルールを守る大人の姿を見せたい」発言だが、創業者が長年にわたり未成年者に性暴力をふるってきた会社の新副社長として言うべき内容ではない。


「記者会見で指名されてないのに質問する記者」よりも、「力関係を利用して未成年者に性暴力をふるう大人」の方が遥かに子どもたちにとって悪質だ。


・上記発言は「トーンポリシング」だという指摘もある。第三者がそういうのは問題ないけど、記者本人が言ってるのを見るともやっとする。

上記の通り私は「指名されてないのに質問する行為」は支持しないので逆ギレしてるように見えてしまう。しかし、「ずっと挙手してるのに指名されない」と不満を訴えるのは問題ない。むしろ後になって自社媒体や個人のSNSで不満を訴えるより正々堂々としてると思う。だからこそ「指名されてないのに質問」への批判に「トーンポリシング」と言い返すのは支持できない。


・指名されないのに質問したことは支持しないが、「記者会見のルールに疑問を投げかける」という面ではお二人の行動に意義はあったと思う。


「1社1人」に絞るのは、大メディアと小メディアやフリージャーナリストの不公平な差をなくすために適切なルールだと思う。


しかし「1問」は厳しすぎる。質問の回答内容に疑問点があっても更に質問できないのはおかしいし変えてほしい。


また、1社1問に限るならすべてのメディアに質問させないと不公平だ。