あるエッセイ本を読んだら冒頭が著者の中学受験(2000年代後半)の話だった。


そもそもその本に中学受験の話が載ってるとは全然知らなかった。それもあり吐き気を催してしまった。


(その人が経験したのが中学受験だっただけであって、これが高校受験でも同じく吐き気を催したと思う)


その人は特に中学受験や私立中高一貫校に関する事前説明もなく親に中学受験の塾の入塾テストを受けさせられ、親に言われるがまま全国トップレベルの私立男子校の受験クラスに通わされた。


本人が本に「今から思えばブラック企業みたいだった」と書いてたけど


  • 成績別にクラス分け
  • 同じクラス内でも成績順に席が決まる
  • 講師が「合格しなかったら君達の人生は終わる」と脅す


ああこれ、私が行かされてた高校受験塾と石井志昂さん(不登校経験者で不登校新聞の創業者)の中学受験塾と一緒じゃん。


(エッセイの著者は石井さんより13歳下ですが)


学校にも習熟度別授業というものがあるので(今は知らんけど)成績別にクラス分けするのはまだ許せるのですが


クラス内の席を成績別に決めるっていうのは意味が分かりません(自分の塾の席順がどうやって決められてたかは分かりません)


石井志昂さんの中学受験塾の経験はこちら。

https://benesse.jp/kosodate/202105/20210516-1.html 


それと3年前の「あさイチ」で、私立中高一貫校を中退した子ども達が高卒認定試験を受けるためにNPOの学習支援に通うのを取材していました。

生徒のひとりが「自分が中学受験したいって言ったんじゃなくて親にやらされた」って言ってたも覚えていますが、

何より印象的なのがそのNPOの責任者らしき大人が「中高一貫校を中退してうちに来る子は口を揃えて『人生終わった』と言う」って言ってた事です。

これって中学受験塾あるいは親から「合格しなかったら人生終わるぞ」って事あるごとに脅されたからですよね。

エッセイの人は私立中高一貫校では「勉強しろ」と全く言われなかったそうですが、学校によっては「(一定レベル以上の)大学行けなかったら人生終わるぞ」とか教師が言ってそう。。。

そういう経験が積み重なって、中退してしまった時点で人生を諦めてしまうんですね。

元ツイート見つからなかったけど、「進学校を中退した子は暴走族には入らず引きこもりになる」ってツイートを去年見かけたんですよね。
(スポーツ推薦で進学した子が挫折して中退すると暴走族に入ったりしてグレる、というツイートへの反応でした)

あとNPOの方によると学習支援に通ってくる生徒は私立中高一貫校の中退者が多いそうです。

非行や成績不良や出席不足で教育困難校を中退してきたタイプはあまりいないそうです。


「合格しなかったら人生終わり」とかデタラメ言うな!!

子ども達の人生使って塾の合格実績増やして金儲けしたいだけだろ!!

子ども達の人生は塾の金儲けの道具じゃありません。

私も高校受験の塾で
「勉強できなくなったら人生終わるぞ」とか
「(いい)高校行けなかったら人生終わるぞ」
って講師から言われてきましたが、その言葉は後年まで私の人生の呪いの言葉になってしまいました。

「ちゃんと勉強してちゃんと高校と大学に行ってちゃんと就職しないとちゃんとした大人になれない、ちゃんとした人生を歩めない」と思いこんでしまい、
恥ずかしながら二十歳の時点で視野の狭い大人になっていました。

しかし「ちゃんとした大学」に入って真面目に勉強してても内定は取れず、卒業後は無職でした。

リーマンショックの頃です。

あの頃を思い出すと辛いのであまり思い出したくないけど、同級生が入社式や新人研修に行ってたであろう4月をずっと家で過ごしていた日々は辛かったです。

何のために中学時代、すぐ怒鳴ったりテキトウな事言って脅したりする講師がいる塾に、嫌な事を我慢して行かなきゃいけなかったのか、

なぜ勉強も学校も嫌いだったのに「ちゃんとやらないとちゃんとした大人になれないし社会で生きていけないよ」という親や学校含む周囲の大人達の言葉を真に受けて頑張らなければならなかったのか、


大学も本当は辞めたかったのに親に退学させてもらえず卒業するまで通わなければならなかったのか? 

(今から思えば二十歳以上なら辞められたと思う。でも辞めてたら引きこもり確定だし、親から引きこもり更生塾に入れられてスパルタ教育受けて死んでたかもしれない)

ホワイト企業に就職できて仕事も充実しててハラスメントも受けてなければ、我慢と苦痛の連続だった幼児期から大学時代も肯定できたのでしょうが、そもそも内定も取れなかったんで。


だから「(いい学校に)合格できなければ人生終わるぞ」なんて大嘘です。


地元では評判良かったいい高校と、東大ほどではないにせよ偏差値のいい大学出たのに就職できなかった(その後就職できたけど低賃金労働の)私が言うんだから、これ本当です。


「嫌な事は全部辞めれば良かった」
「大学は行かなきゃ良かった」
「もっと遊んでおけば良かった」って、私の人生に関しては30代の今も思います。

冒頭のエッセイの著者は塾で学校以外の人間関係ができた事が良かったと言ってるけど、学校以外の居場所なら塾以外でもいい。

塾の同級生と学力競争をするのが楽しかったと言ってたけど、そういうの向いてない子もいる。

志望校に入って良い友達や先生に恵まれたらしいけど、それも人それぞれ。
結果的に楽しい中高一貫校生活を送れなかったら、中学受験の経験を肯定する事はできなかったと思う。

その人の母校を悪く言うつもりはないけど、どの学校にも学校が合わないと密かに思ってる子はいるはず。

それに、その人が中高一貫校で充実した生活を送れたとしても、中学受験塾の講師が「勉強ができなくなったら、○○中学に受からなかったら人生終わるぞ」と小学生に言うなんて許されてはいけません。

派な教育虐待だと私は思うんですが、世間的には黙認されてるっぽいのが不思議です

(新聞社にもよるだろうけど、新聞にも中学受験塾の広告や、中学受験、高校受験、大学受験体験記や有名人の受験の思い出インタビューとか載っています。
そういう新聞社は塾のこういう教育虐待も黙認してるんでしょうね)

最後に、ユニセフの「こどもの幸福度ランキング」のページを貼っておきます。

尾木ママと阿部彩さんのコメントのとこ、時間あれば読んで下さい。