君は雪間に希う 東条國孝 感想
ネタバレ全開です。
あと、かなり辛口ですのでご注意を。
苦手な方はブラウザを閉じてください。
君雪一人目は一番好みかつ、一番モブっぽい(褒めてる)東條さんから行きました！！
いや、ほら、こういう“人のいいお兄さん”キャラって絶対無難で真相から一番遠いところにいるんですよ。
乙女ゲーあるあるです。
だから攻略制限もないはず！と。
パッケージに堂々といる智成辺りは絶対真相担当攻略制限あり、とかに違いない。
と、いうわけで東條国孝さんです。
主人公を山村まで迎えに来た温和なお兄さん。
「見える」力を持つ主人公は宵禍という化け物を倒すための使命を帯びた「御庭番」の一員となります。
江戸風の世界を舞台にした和風ファンタジーなんですが、割と特殊設定バンバン入れてます感が独特。
形人、とかいう付喪神みたいなのが普通に共生してるんですよね。
なので初手から「人外と恋愛する」感激薄です。
その辺に当たり前にいるので、特別感ゼロ。
で、攻略キャラ全員この付喪神もどきな上に、敵に付け入られないために「心を封じられていて感情がない」という設定。
感情は無いが、任務をこなしていくために普通の対応が出来るようになっている、という。
で、初回の東條さんは御庭番として働く傍ら、寺子屋で先生をしていたり、と普段から面倒見がいい。
わかりやすく頼れるお兄さんです。
主人公はそんな彼と仲良くなっていく。
ところでこのゲーム、本当に「感情がない」の部分が難しい。
東條さんは常に表情豊か。
人がいない場面(本来取り繕う必要がないはず)でも雀相手に一喜一憂。
感情が無いの？どこがだよ？というツッコミが止まらない。
まあ、攻略キャラ全員綾波レイみたいでも収拾はつきませんが…。
東條さんはお気に入りの雀に嫌われていて、威嚇されては凹むという描写も何度も出てくるので割としつこいです。
雀はもういいわ！！
しかも、バッドとグッドのED分岐はこの雀が頑張るかどうかにかかっているという……。
雀かよー……。
とにかく感情豊かすぎる東條さんに主人公は恋をしてしまうわけです。
しかも、きっかけは事故チュー！
すごい古典的！！！
主人公は意識しまくり、悩みすぎて知恵熱まで出す始末！！
めちゃくちゃ古典的！！！
が、感情のない付喪神な東條さんは主人公の遠回しな質問に「こういう立場だから恋愛感情とか絶対持たないし、わからないよ」ってなことをあっさり答えます。
それで泣く泣く恋を諦める主人公。
その後、江戸で起きる事件の犯人として東條さんが疑われる展開に(寺子屋の子供が呪いに使われたりとか色々で疑われた)
しかも、火事を見たショックで御庭番になる前の記憶が戻り、感情のロックも外れてしまう。
犯人疑惑＆元々記憶や感情が戻った御庭番は処分、というルールに則り、東條さんの破棄というピンチ展開がやってくるわけです。
その時、仲間たちは東條さんをあっさりと捨てます。
彼が裏切ってるかどうかはどうでもよくて、そもそもロック外れちゃったなら処分対象だからそれでいいじゃん、処分しちゃおう、手っ取り早いし、というわけです。
今まで和気あいあいと見えていた無表情で仲間を切り捨てられる…これが感情を封印された形人なんだ……と、プレイヤーに実感させようという意図が見えます。
丸見えです。
なんかこう、感情がない事を実感させるシーンを入れなくちゃいけないのでノルマで入れました、みたいなね。
書き手の意図が見えてしまうと盛り下がりますよね。
そんな感じです。
感情のロックが外れた東條さんは主人公への恋心を自覚し、主人公に叱咤された事で自分に欠けられた濡れ衣を晴らすために立ち上がります。
ノルマイチャイチャも入ります。
オトメイトだなー。
まあ、色々あって実は寺子屋の奥に敵が入り込んでいた事を発見するも、強固な結界みたいなのを張られて救助が呼べなくなる大ピンチに陥ります。
ハイ！ここで雀！
雀が気合で結界突破すると仲間の助力を得てハッピーエンド。
主人公の謎ご都合主義で東條さんは何故か人間になってめでたしめでたし。
え？雑すぎない？
そもそも薄かった人外との恋愛全く描く気が無いな。
雀の気合が足りないと東條さんも主人公も仲間も全滅エンドです。ふんわりと。
雑。
物凄い寝落ちを繰り返した末にクリアしたので記憶が所々飛んでいますが、古典的(王道とは言いづらい)で過去の乙女ゲーあるあるで、ご都合主義で……本当につまらなかったです。
美しい絵と心地よい音楽が眠気倍増。
なんかこう、ハラハラしないんですよ、1ミリも。
期待していたので本当に残念でした。
懸念されていたハライチさん要素は特になく、PS２時代だったら名作だったかもね、というレトロ乙女ゲーあるある詰め合わせルートでした。
残念！！