手術着に着替えて、帽子をかぶった父を乗せた車椅子を押しながら、看護師さんが戻ってきました。父は完全にビビっているようで、車いすの上で首をすぼめてちょこんと座っていました。私たちを怒鳴りつける元気もなく、おとなしく座っていました。看護師さんに「手術室まで一緒にご移動お願いします」と言われ、一番下妹と看護師さんと父と一緒に2階の手術室まで移動しました。
手術室前で看護師さんが電話をかけると、ドアが開いて手術室看護師さんが3名出てきました。「ご家族は少しお待ちください」と言われましたが、父はその看護師さんたちと一緒に手術室に入りました。少しして看護師さんが一人出て来て「キーパーソンとなっている方は病棟の談話室で待機してほしいです」と言いました。「談話室だと二人しかいられないですよね? 1階のロビーとかで待っているのではだめですか?」と聞くと、「電波の具合で電話がかからないことがあるんですよ。その際、病棟の談話室だったら、ナースがすぐにお話に行けるので、それで、談話室で待機をお願いしています」「そうですか。わかりました。少なくとも、私は談話室にいます。よろしくお願いします」
妹たちに「談話室、テレビも何もないから、私、寝てるわ。あなたたち、1階ロビーとか喫茶室とか行ってていいわよ」と言うと、「いざってときに判断を求められるわけでしょ? そうだよって同意する人がいた方がいいじゃない?」「そうそう、全部お姉ちゃんが一人で決めて背負うこと、ないんだしさ」 というわけで、今度は真ん中妹が談話室に来てくれることになりました。