広島県尾道市百島にあるアートベース百島。

 

 

10年くらい前、廃校となった島の中学校をリノベーションした新しいアートセンターの情報を得た。広島市現代美術館に通うようになって現代アートが面白く感じており、ここにも行こうと思っていたのだったが、子供が小さいこともあって行かずにいた。

 

2020年にひろしまトリエンナーレが開催されることになったのだが、あいちトリエンナーレで問題視された「表現の不自由展・その後」の出品作が2019年にここで開かれたプレイベントで展示され、それへの抗議が発端となり、現代アート専門家を排除した事実上の検閲体制となったことで、これに抗議する形で芸術監督が退任し、最後は新型コロナの感染流行を理由に開催自体が強制終了された。これを機会に行くつもりであったのに足が遠のく。

 

昨今、流行りのように地方の芸術祭が開催され、今回もその流れに乗った経済振興を主目的としたもので、岡山・香川で開かれている瀬戸内国際芸術祭が世界的なイベントになったので、これに追随しようとしたのだろう。しかし、行政のトップ層にはしっかりとした芸術観がある人が少ないのか、一部の声の大きな人に騒がれると、怖気づいてしまうのであろう。

 

 

足が遠のいたままであったが、クラウドファンディングで10周年記念イベントの「ART CAMP IN MOMOSHIMA」が5月4日~5日に開催されることを知り、これはいい機会だと支援して、ボランティアスタッフとして参加することにした。

クラウドファンディングは成功し、1日目は無料で、2日目は有料だがチケット代は下げることが出来た。

 

 

イベント両日は雨の予報で心配したが、曇りの予報に好転した。事前準備を手伝うため、イベント前日の朝にJR尾道駅に向かい、歩いて数分で港に到着。百島の福田港までは片道780円。11:11発のフェリーに乗る。

 

 

フェリーは百風号で、赤と青でデザインされたラッピングが特徴的で、アートの島に向かうという気分を高めてくれる。瀬戸内の人間にはフェリーは珍しくないのだが、他の地域の方にとっては新鮮であるし、こうした特別感のある船であれば旅が楽しいものになる。

 

 

2か所ほど島に寄りながら進み、12:08に福田港に到着。

尾道港では車は乗れないが、次の港では車がいっぱいになるほど乗り込み、福田港で降りて、また積んでと、こんなに利用者がいるのかとちょっと驚く。

 

つづく