すでに会期は終了して次の展覧会になっているので、他の方の参考にはなりませんが、個人的な感想を簡単にメモっておきます。

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ノーベル賞作家、川端康成のコレクション。ということで、どんな作品に美を見いだして好んだのか。
最初は西洋の芸術家で、ロダン、ルノワール、ピカソなど。買いたい作品がたくさんあったそうです。

次は日本の芸術家たち。
古賀春江とは近所に住んでいたということで交流があったそうで、たくさん作品を収集されています。
幻想的で楽しいリズム感のある作品で好感が持てます。
シュルレアリスムの画家ということですが、シュルレアリスムはダリの印象が強くてあまり好きではないものの、部屋に飾るのにちょうど良い感じ。
個人の収集なので、美術館に飾るような大きな作品はあまりないのですが、部屋に飾るといいなと思う作品が多いですね。

梅原龍三郎、岸田劉生、加山又造など有名画家はもちろんコレクションされていますが、別に有名だから買ったわけではなく自分が気に入ったものを買っていたそうで、
まだあまり有名でなかった草間彌生の作品も2点コレクションされています。
草間彌生というと水玉や網目ですが、20代のころはこんな作品も描いていたんだなと新しい発見。

日本画家、安田靫彦の『川端康成全集』の表紙原画は小品ですが、凛とした気品を漂わすもので、これは私も欲しい(笑)

今回の展示の中心となるのが東山魁夷の作品。
ノーベル賞受賞のお祝いで贈られたという《北山初雪》。大きな作品であるせいもありますが、展示室内でひと際印象的でした。
山肌全体を覆う北山杉の森を、遠くから望遠レンズで切り取ったような作品です。
作品全体から感じる静謐な雰囲気、リズム感。。。私に文章力があればもっと適当な表現があるのでしょうが、難しいですね(^^A

他にもたくさんの東山魁夷作品があり、どれも見応えがあります。
幻想的、といえばそのように感じますが、それだけではなくデザイン的で計算された構図のようにも思え、故に人の印象に残るのかなと?

今回の展示の目玉?、国宝3点も展示されています。
浦上玉堂の《凍雲篩雪図》、池大雅の《十便図》、与謝蕪村の《十宜図》。
伝統的な日本画は私はまだ多くを見ていないのであまりその良さが分かりません(笑)
でも浦上玉堂の水墨画はいいなと思いました。
他の2つはちょっと距離が遠くてよく見えなかったのが残念。見上げる場所に展示されるとね~

それよりも良寛の《恁麼》という書が良かったです。
柔らかくも筋が通っていてリズム感もあって。

最後の展示室では日用品や手紙など。
今の制度で言えば高校生くらいの時に描いた自画像があり、ユニーク。
帽子にマントを羽織った姿ですが、墨書きでささっと描いてあり、これが描けるということは、川端康成自身の画才もなかなかのものだと思います。

太宰治が芥川賞を懇願する手紙も展示してあり、太宰治はこんな文字を書いていたんですね。長い紙に大きな文字で丁寧に書かれています。私の印象では真面目な文字だと思いました。

文字といえば、川端康成の書も展示してありましたが、魅力のある書ですね。
柔らかく少し崩したような印象ですが、楷書のような筋の通った安定感があり、カッコイイ書です。

文学だけに才能があるのかと思えば、絵も描けるし、書も書ける。美しいものを見いだす眼力もあり、芸術家というのはあらゆる分野で才能を持っているんですね。