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6月になると見たい花はたくさんあります。

山では先日紹介したミヤマキリシマ、ピンクがかわいらしいタニウツギ、小さな釣鐘状のアカモノ。
中旬以降はノハナショウブ、ハンカイソウなどの湿原の花。
思いつくだけ挙げるとキリがないのですが、年に1度、会っておきたい花があります。
それは山ゆり(ササユリ)です。

広島では6月になると原爆症に苦しむ人々を子供たちが慰問しますが、その時に持っていく花が山ゆりなのです。
山ゆりといっても標準和名はササユリですが、山ゆりのほうが広島では馴染み深いのです。

山野草は華やかさでは園芸品種の花に劣る場合が多いのですが、このササユリだけは別格で、緑の草原にぽつぽつと白やピンク色の大きな花が咲き、「女王」と呼びたいほどの存在感がありますが、可憐で優しいその姿は「草原のプリンセス」と表現したほうが良く似合っていると思います。
白いほうが多い感じがしますが、場所によってピンク色だったりします。

ササユリは山の中でも日当たりの良い草原に良く見られますが、人家のある里にもよく見られます。
草刈などの手入れを施すと増えるといわれますが、逆に言えば、手入れがされていないと減っていく花でもあります。
放置される山林が問題になってきていますが、ササユリがたくさん咲いている環境が、人間にとっても好ましい環境といえるのでしょう。

ちなみに広島県では豊松村に山ゆりの里があり、約1000本のササユリが見られます(時期的には今頃)。地元の方が草刈などの手入れをして増やされています。