山で道に迷わない為に(1)-はじめに

最近、山での遭難をよく耳にするようになり、遭難した人の行動に批判が集っている。
登山計画書を提出していない、冬山の装備をしていない、悪天候なのに出発した、見当外れのところを下山したなどいろいろである。

遭難すればたくさんの人が遭難者を救助する為に動き、多大な迷惑と費用がかかる。
テレビ局がやってきて、救出状況を中継したりして大騒ぎする。中には救助されても「遭難していない!」と開き直る人もいる。
山を登るものとして、決してこんな状況には出会いたくないのは当たり前なのだが、誰にでもその可能性、危険性を持っていることを頭に入れておきたい。

ここまで読んで、「自分は経験豊富で、遭難になんて遭うはずはない。」「ちゃんと下調べして登っているので心配ない」と思った方。繰り返すが、誰にでも可能性がある。

ちょっと振り返って欲しい。
山を登っていて、「この道であっているのか?」と不安になったことはありませんか?
その時はたまたま正しい道だったかもしれないが、実は間違った道だったら?

「道に迷ったとことがある」、もしくは「不安になったことがある」登山者は多い。
かくいう私も、間違った道に入ったり、ルートを見失ったことは何度かある。
この経験が全くないのなら、その人は天性の才能を持ったスーパーマンかもしれないが、本当のところは、危険を認識する能力が欠如しているか、そんな状況に”まだ”出会っていないだけである。


中高年の登山ブームを受けて山登りをする人口は増え、登山道はよく整備されるようになったが、一方で遭難事故も増えている。安易な計画や体力の過信、原因はいろいろだろう。

ついては、山登りをしている私個人として、もっと安全に山登りを楽しんで欲しいと思い、「山で道に迷わない為に」という題で、何回かに分けてその方法を書いてゆきたいと思う。

基本的に初心者の方を意識して書いているが、熟練者の方もご意見があればコメントいただければ幸です。