2.きっとそう、もう二度と
今でもあの時のこと、覚えてる。
まだ、高校生で大人へ向かう途中だったあの頃。
大好きだった私の彼も高校生で、同じ学校で、同じクラスで…
いつも”バカップル”なんて言われて嬉しい、と思う反面やっぱり何処か照れてしまうようなくすぐったい。
そんな感情を持っていたあの頃。
初めて喧嘩した。
原因はとても些細なことだったと思う。
今となってはそこだけ思い出せない。
きっとそれだけくだらないことで喧嘩したんだと思う。
だけど、私も彼もお互いに謝ろうとはしなかった。
どちらとも自分には非はない、そう思い込んでいたから。
私自身、いよいよ罪悪感が渦巻いてきた。
ここ数日会話すらしていなかった彼に謝ろうと決心した。
「ねぇ…―。」
私の呼びかけにくるりと後にいた私のほうを向いてくれた。
でも、彼の表情はいつも向けてくれていた表情ではなく、少し歪んだ表情だった。
「…その、この間…は…ご、ごめん。」
「…ううん。いいよ。…俺もさ、言い過ぎたかなぁって。思ってたところなんだ。」
そういった彼の表情を見れば、数日前まで向けてくれていたあの笑顔だった。
それからはたった数日とはいえ離れていた間の分を取り戻すかのように二人で過ごしていた。
丁度、信じたくない出来事が起こったのは夏休みに入ってかっら。
デートからの帰り、彼が私を家の前まで送ってくれるのが定着していた。
私が一番嫌いなのは彼と別れるとき。
ただ帰宅して、明日もあえるというのに私はどうしてもその時間が嫌いだった。
今日もその通りで、一歩ずつ自宅へ向く足取りに気が重くなってきた。
信号待ちをして仲良く話していた時のこと。
突然私たちがいたところに自動車が突っ込んできた。
突然のことに反応することができなかった私はただ目を瞑ることしかできなかった。