学校検診後で忙しくなるたびに感じること。
もうひとつは、子供の近視の増加です。
世界的にも子供の近視の若年化が問題になっています。
近視自体は悪いことではなく、
むしろ近くが楽に見える目ですから、
近見作業が多い現代社会に順応した
人間の進化ととらえられるかもしれません。
でも若年化には問題があります。
身長が伸びるとともに近視は進みますから、
早くに近視化し始めると、強度近視になってしまいます。
強度近視とは-6.0D以上の強い近視です。
適度な近視は便利な目ですが、
強度近視は病的近視のリスクが高く、
眼軸(目の長さ)が長くなると
網膜の周辺部分が薄くなって網膜剥離を起こしやすくなり、
眼軸が長いことで眼球後部の変形に伴う様々な眼病も起こります。
緑内障や白内障の要因にもなり、
私は-13.0Dの強度近視だったので後嚢下白内障になって、
43歳で白内障の手術をしました。
近視が強いとすべてが病的近視というわけではありませんが、
強度近視のリスクのために子供の近視抑制の研究が進んでいます。
今注目されているのがバイオレットライトです。
外遊びでしっかり太陽光を浴びている子供の近視が少ないことから、
太陽光のバイオレットライトに近視抑制効果があるかもしれないとのこと。
慶応大学での研究によると、
バイオレットライトが目に入ると
近視抑制遺伝子『EGR1』を活性化して
眼軸が伸びるのを抑え、近視化を抑制する可能性があるそうです。
近視は遺伝的要因もありますが、
両親が強度近視の子供も
太陽光を十分浴びることで近視化が抑えられたというデータもあります。
最近は紫外線がすっかり悪者扱いで
メガネのレンズも窓ガラスも99%UVカットされています。
子供の外遊びも減り、太陽の光を浴びることは減るばかり。
子供の近視の若年化を実感する眼科の現場としても
今後の近視抑制の研究に注目していきたいと思います。
