眼精疲労ケアアイクリーク代表の加藤真理です。
仕事の日は朝8時半過ぎに家を出るので、
『あさイチ』のオープニングを見て興味がある特集を時々録画します。
1週間ほど前のNHK『あさイチ』の番組で、
スマホ老眼について放送されていました。
テレビの健康番組は、様々な情報をとてもやさしく分かりやすく説明していて、
特に目に関する特集は、できるだけチェックするようにしています。
とはいえ、健康情報があまりにあふれ、
何を実践したらよいのか、わからないですよね。
『あさイチ』で紹介されていた
100円ショップのメガネを使ったスマホ老眼改善法は、
お金をかけずに簡単にできるという点で、興味深く拝見しました。
+2.00の度数のメガネを5分間かけて遠くをぼんやり見るだけで、
スマホ老眼が改善されるということです。
プラスレンズを使って毛様体筋を休ませる方法を、「雲霧」といいます。
遠くがぼんやりする状態を作ってボゥーと見てもらうことで、
物を凝視することができずに毛様体筋が働かなくなり、
緊張で凝り固まった毛様体筋を回復させるのです。
うちの医院でも、眼精疲労の患者様が増え始めた10年位前は、
眼精疲労の患者様に対して、この」「雲霧」を行っていました。
ぼんやりした状態になるプラスレンズを20分ほどかけてもらい、
雲霧前と雲霧後の視力のデータを比較していたのです。
20分見えない状態で目を閉じずに遠くを見ているのは、
患者様にとってはなかなかつらい検査ですが、
雲霧した直後に、「楽になった」とか「すっきりした」という方もいました。
自分で行うためには、つらくない程度の度数が+2.00なんですね。
ところが、年々眼精疲労が重篤になると雲霧程度では効果がなくなり、
眼精疲労専門外来を設けて、調節麻痺剤による検査を導入したのです。
調節麻痺剤を点眼すると、
20分ほどで毛様体筋が麻痺して、近くが見づらくなり眩しくなります。
3~4時間で元に戻りますが、
調節麻痺剤点眼の前後では、明らかに視力のデータが変わる方が多く、
近視の場合は調節近視がとれて近視の度数が下がり、本来のデータが出ます。
そして雲霧以上に、点眼だけで「楽になった」という方が多くなりました。
今では調節麻痺剤の点眼薬を処方して、眼精疲労の治療に高い効果を上げています。
番組で紹介された、+2.00の度数の100円ショップのメガネを5分間かける方法ですが、
確かに一時的に多少は毛様体筋を休めてくれると思います。
ただ、1日中パソコンで仕事をしていて、さらにスマホばかり見ているような人は、
毛様体筋の緊張はかなり強固になっているので、
その程度では回復は期待できません。
スマホ老眼にならないためには、
やはり近くを長時間見る時の毛様体筋の負担を減らすことこそが根本対策です。
わざわざメガネを使うならば、
パソコンやスマホを見る時に目の負担を減らす、
パソコンやスマホ用の度入りのメガネを使うべきです。
度入りメガネを1時間使ってみると、明らかに違いを感じられます。
そうはいっても、
見えているのにメガネをかけることはなかなかハードルが高く、
簡単にできる対処法として、
+2.00のメガネで一時的に毛様体筋を休めることは、何もしないより良いと思います。
もう一つの簡単な方法としては、
番組でも紹介された、目を温めることもとても有効です。
今年は、クリークアイピローがネットでよく売れていて、品薄状態です。
それだけ、眼精疲労に悩む人が多いということなんですね。

