眼精疲労ケアアイクリーク代表の加藤真理です。


40代の20人に一人といわれ、日本人の失明原因1位である緑内障。

視神経が痛んできて、徐々に視野が欠損していく深刻な眼病です。

そして、緑内障の方に禁忌の内服薬がいくつかあり、

そのため、眼科には時々調剤薬局からの問い合わせがあります。

「緑内障の患者様に禁忌の内服薬が出ているのですが…」と。

そこで、この問い合わせの手間を省くために、

4月から「緑内障カード」が発行されることになりました。


緑内障は2タイプあります。

解放隅角緑内障と狭隅角緑内障です。

解放隅角緑内障には、

眼圧が高くて視神経を圧迫し痛めてしまう高眼圧緑内障と


眼圧が正常値なのに視神経に緑内障性の変化が起こる

正常眼圧緑内障があります。


解放隅角緑内障は治す方法が今のところなく、

早期に発見して進行を抑えることしかできません。

発症したら、視神経へのダメージを減らすために、

まず点眼治療を開始します。

この眼圧を下げる点眼薬を使用している緑内障の患者様は、

解放隅角緑内障なので、

内服による副作用の心配は基本的にはありません。


狭隅角緑内障は、

眼球の中の水(房水)の出口がある隅角が狭いために、

急性緑内障の発作を起こします。

隅角は、黒目の端っこの内部にあり、

この隅角が狭いと、

瞳孔が開く散瞳状態で房水の出口が塞がる危険があります。

すると、房水が排出されずに溜まって

急激に眼圧が上がり、視神経を強く圧迫します。

これが急性緑内障の発作で、

光が虹色ににじんで見え、強い頭痛と吐き気が起こります。

頭痛と吐き気から内科に駆け込んで処置が遅れる場合が多く、


すぐに点滴などで眼圧を下げないと、

視神経のダメージが大きくなり、失明することもあります。


狭隅角緑内障は、全く自覚症状はなく、

眼科検診で見つかります。

加齢とともに隅角は狭くなっていく傾向があり、

遠視の年配女性に多いそうです。

狭隅角緑内障は治療法があり、

レーザーで隅角に穴をあけることで、発作のリスクはなくなります。

このレーザー治療を行っていない狭隅角緑内障の方が、

一部の内服薬の禁忌に当たります。

風邪薬、胃腸薬、うつの薬などの中で、抗コリン作用があるものは、

自律神経に働いて、瞳孔を散瞳してしまいます。

瞳孔が散瞳状態になると、

急性緑内障の発作を引き起こすことがあるため、

抗コリン作用のある内服薬は緑内障禁忌と書かれています。

ところが、実際に現在緑内障の治療をしている人には影響はなく、

自分は狭隅角だと知らない人にこそ副作用のリスクがあります。

紛らわしいので、

解放隅角緑内障か狭隅角緑内障がわかるように、

「緑内障カード」を眼科と薬局の両方で発行するそうです。

「緑内障禁忌」を書かれた薬の副作用のリスクに本当に該当する人は、

水面下にいるのですが…ね。

ですから、40歳を過ぎたらぜひ、

眼科検診を定期的に受けることをお勧めします。