オフブロードウェイミュージカル「bare」


千穐楽まで誰一人欠けることなく、
無事に終幕いたしました。


初演は2000年、ロサンゼルス。
歴史も長く、世界各国で上演され続け、
愛され続けている作品。
ジェイソンとピーターの同性愛を中心に、
ドラッグ、酒、宗教観…デリケートな部分を
ダイレクトに衝撃的に写し出した作品。
今では同性愛などは広く受け入れられるように
なってきましたが、当初はどうだったのか。
むしろ今更受け入れられた、なんて
遅いような気もしていますが…
ここでの自分のアイデンティティ。
宗教における自分の立場。
何にすがるべきか…神とは…
遠そうに見えて、意外とあの頃は
自分も近い悩みや葛藤を持っていたはず…
様々な視点から考えさせられる…
昔を思い出させてくれる…そんな作品でした。




この作品との出会いは今後の
わたしの人生においてかけがえのないもの。
こういった作品がもっともっと広まって欲しい。
心から思いました。
同業の方にも絶対観て欲しいな〜とか、
ここまで強く思うことはなかなかないなあ。





初ミュージカルでした。
いつもは外からお客さんとして
楽しんでいたミュージカル。
まさか自分がその舞台に立つ日が
こんなにも早く来るとは…
というのも、いずれは挑戦してみたい、
経験として一度はやってみたい、
という風に思っていました。
マネージャーさんや周りの人達にも
ミュージカルやったほういいよ〜
なんて言われ続けていたのもありました。


今歌っている自分の歌に疑問があった。
歌いながら違和感があった。
言い始めたら細かくてキリがないけど、
それでも求められるものに答えなければ。
そういった中で、歌をやめようという
思いも正直漠然と浮かんでいた時期でした。
歌うとしても、いつか挑戦したいミュージカル。
なので今はそっちの歌唱法をゼロから
学ぶ、蓄える時期にしよう。そんな矢先。
bareで歌唱指導で入ってくださっていた
今泉りえさんにお会いしました。
りえさんに1回目のボイトレでこのお話を
いただいたのがbareとの出会いでした。
りえさんなくしてbareに茜屋なし…
心から感謝の気持ちでいっぱいです!
ありがとうございました!




だけど正直ひとつ返事でいけたかというと
実際そうでもなく…
何事も中途半端で人前に立つのが嫌いなんです。
だからまだ学びの途中である自分が
この素晴らしい舞台に立つのはなんだか
気が引けたというか…恐れ多かった。
躊躇いはありました。
でもこれを逃してしまうのもきっと違う…
ご縁、タイミング、運…今全てが
カチッとハマっている瞬間なのではないか!
そう思って、思い切って決断しました。


もっと時間があれば…
ちくしょーーーー!!!!!!
やっぱりまだ早かったかー!!!!
できないかも…
と思う事も多々ありました(笑)
だけどカンパニーの皆様が本当に素敵で。
演出の原田優一さんはじめ、
こんなにも愛に溢れた人がいるのかと
感動しました。
わたしはこの人たちの愛に答えるんだ。
そういう思いで何度も立ち上がれました。
本番でもキャストの皆様の支えはもちろん、
バンドメンバーの皆様の絶対的安心感の生演奏、
スタッフの皆様の手厚いケア、お客様の愛、
全てに支えられ、歩みを進められました。



とにかくありがとうをたくさん伝えたい。


なんといっても…
ダブルキャストで、前回もアイヴィ役を
やっていたゆったんこと増田有華ちゃん。
本当に素敵な女性であり、人間。
ゆったんにしかできないアイヴィがいる。
ゆったんの持つ人間性に支えられて
わたしなりのアイヴィを見つけられました。
本当に愛してる!ありがとう!






個人的に思う事はたーーーくさんあります。
でも!!!今のわたしだからこそ生きられた
アイヴィがそこにいたのは確かだと思います。





自分の回じゃなくても、
どの回もどのキャストも本当に
素晴らしいのです。
作品が素敵すぎて怖くなるくらい!
間違いなく糧になりました。
わたしに足りない“自信”をひとつくれました。
bareにありがとう。




それからアイヴィ。
期間中あなたのことを考えない日はなかった。
夢の中にまで浸食してきたんだよ!
少し関連づいた言葉でつつかれると
急に涙が溢れて止まらなくて…
驚くくらいあなたがわたしの中にいました。
作品入るといつも自分自身が役に
持っていかれてしまうのですが、
今回もまさにそれを感じました。
まだ抜けてないかも(笑)
でも抜けた後自分を振り返ると、
いつもひとまわり大きくなったなと感じる。
あなたからもらったものを大切にして、
茜屋はこれからも歩いて行きます。
出会ってくれてありがとう!





初めてのミュージカル。
こんなに苦しんでもがいて、
でも楽しい清々しい気持ちで終われたのは
素晴らしい出会いに溢れていたから。
全ての出会いに感謝して…
bareという作品のファンの皆様に
出会えたのもわたしの宝物!
本当にありがとうございました!






最後にbareします!
わたしの大好きなお父さんは、韓国人です。
わたしが歌を褒めてもらえるのって実は
お父さん譲りだったりするのです。
時に厳しく、時に馬鹿みたいにふざける
そんなお父さんが一生自慢で愛してます!
お父さんもひみかが大好きなの(笑)
これからも家族みんなで幸せに…💓




茜屋