10年くらい前の事です。どちらかというとどん底の時
映画や小説で同じ毎日を繰り返されるというシーンのある物語に出会うと、これはちょっと現実では避けたいと思ったことがあるにもにも関わらず、毎日はんを押したような暮らしぶりをしていた頃のことです。
その日は近所のドラックストアに行き買い物をしていた所、お母さんと共に小さな男の子がやって来ました。
その子はお母さんがカートに買い物かごをセットしている間、
入り口でとても眩しそうな眼差しでまるで行きたかった遊園地に入場した時の子どもの様にお店を見渡していました。
え、ちょっとここ、どこにでもあるドラッグストアだよ?!と
私は心の中で驚きを隠せませんでした。
その子はまるで新天地に一歩踏み入れた希望に溢れる冒険者のような存在に見えました。おそらくそうなんだと思います。
でもきっと忘れているけど、私たちもそういう気持ちを持ち合わせていたんじゃないかなと思うんです。
後日近くのベーカリーショップでスノーボールを大事そうに両手で包みながら笑顔で帰っていくのを見かけました。
信号待ちでさえ、眩しそうな眼差しで味わっているかの様でした。
あれから見かけることはありませんが、毎日がマンネリ化していた私にとって小さな男の子から大事な事を教えてもらえたような気持ちになりました。
お読みくださりありがとうございました。