半年で着付け師デビューが目指せる着付け塾・

きもの美人道の権田ひとみです。

 

先日、両親と浅草へ参りました。

 

着物姿は、それほど見かけませんでした。

浴衣のような着物に半幅帯のほぼ観光客ばかり。

 

わりと穏やかな陽気ではありましたが

寒くはないのかしら・・・?

 

着物の下にちゃんと着込んでいるでしょうが、

アップヘアの首筋や手首は寒そうに見えますね。

 

でも、皆さん楽しそうでたくましいな〜^^

 

 

 

さて、わたしは叔母の形見の小紋(*1)を着ました。

 

遠目からは分かりにくいですが、

実はシミが数カ所あり、

悉皆から古いシミだから取れない

と言われましたので、

いずれ羽織にするか

染めなおしに出そうと思っています。

 

その前に、そのまま一度

着てみようというわけです。

 

着物の地は「毘沙門亀甲」柄(*2)。

全体が淡い色調なので

濃いめの芍薬色の色衿で

メリハリをつけてみました。

 

帯は、地色が着物の色と同系濃色の袋帯。

金銀が入っているので、

着物は小紋でも少し格が上がります。

 

お正月なので

ちょっとだけあらたまった感じで良いかな〜と。

 

総柄(全部に柄がある)な上、

軽くしなやかな織で扱いやすい帯です。

 

帯締めと帯留は、

帯のお太鼓部分にある柄の中から

新橋色と漆黒の

「洒落水引(R)」でアクセントに。

 

 

今回は、何も考えずに普段通りに巻いたので、

写真を見て気づいたのですが、

帯の巻く方向を変えれば

胴に違う図柄が楽しめるものでした。

 

 

関東と、関西とでは

帯の巻く方向が違うってご存知でしょうか?

 

通常は「関東巻き」で習っているので

逆に巻く「関西巻き」はちょっと難しいでしょうね。

 

着付けの現場では、「あら?いい柄が出ない・・・」

って思ったら、関西仕立てで逆に巻くのだった!

 

なんてこともあるので、

着付け師は

どちらの巻きもできないといけないのですが。

 

 

逆に巻けば、前柄に新橋色のポイント柄も出るので

洒落水引とのコーデとしてももっと馴染むはずです。

次回は逆巻で楽しもうと思います。

 

天国にいる叔母も喜んでくれているかしら。

 

着物をこうして受け継いていくことができるのは

本当に幸せなことだと思います。

 

 

(*1)小紋:着物の全体に柄があります。

      柄の向きは上下が逆転している部分もあり

      絵羽模様ではないものをいいます。

 

(*2)毘沙門亀甲:正六角形を三山に結合した形。

        毘沙門天の甲冑につけられていた文様なのでその名が付いたとされています。

 

 

(*3)関東巻き:帯を身体に対して反時計回りに巻いて締めます。

   関東に対して、違いを出すために逆に巻いて関西巻きとしたという説あり。

   帯の仕立て方もそれにならっているので、

   巻く方向によって違う柄出しとなることがあり、

   その場合は、出したい柄によって巻く方向を決めます。