鼓のお稽古をしている友人からお誘いを受け、「大倉松窓会」へ参りました。場所は目黒の喜多六平太記念能楽堂。仕立て下ろしの、青地に桃色のラインが粋なデザインの小紋を着て行きました。この着物は、地元の自治会長さんの奥様の形見の反物をいただいたので、私の寸法で仕立ててもらいました。着物地自体にしぼがあるので、まだ少し暑い時のあるこの頃にはちょうど良いかと思いました。新しい着物のしつけ糸を取る時はちょっとした快感があります。やはり新品をおろす時はときめきますよね。
着物をデザインした人、染めた人、縫った人、売った人、買った人、、、、いろんな人の手を経て私の手元へきたのだな~と、嬉しくて。
そして、この反物を求めたものの、仕立てる事も無くタンスにしまったままお亡くなりになった奥様へのオマージュとして、着させていただくことにしましょう。
帯は淡いベージュ系で温かみを出し、帯締めは鮮やかなピンクと茶色というモダンな配色の細めのものを選びました。
あれこれ小物を合わせるのも幸せな時です。
本日は秋風がひんやり、空気はからっとしていて、着物日和。
さて、お目当ては、野村萬斎くん??
実のところ、着付師は10月から12月は一番忙しいシーズンで、お休みしてしまうのは心苦しいところですが、
「萬斎君とデートだから」と言うと「じゃあ仕方ないわね」って、お許しいただきました。
自由席なので早めに行き、正面席前から7列目。結構近いです。
こちらの能楽堂はこじんまりしてていいですね~。
万斎くんは、狂言「萩大名」の大名役と、能「船弁慶」の船頭役です。
コミカルな大名と、神妙な船頭さんの2役を見事に演じ分けていました。
最初に大名として登場した時、私たちの正面に立つので、思わず手をふっちゃいました。(腰の方でですけど)
しかし、、進むにつれ、段々いい気持ちになってまぶたが閉じてきます。
夏の終わりからしばらく、長い咳が続いていた私は、観劇中に咳が出ててはいけないと、朝と昼、咳止めの薬を飲んでおりました。これがいけなかったらしく、睡魔が襲って来るのです。
ああ、せっかくの万斎くんなのに...。
ぼーっとしたまま必死にこらえておりました。やれやれ、、、。