この手があったか、ショスタコーヴィチ

2024年5月5日

東京国際フォーラムcホール

 

指揮:井上道義

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

トランペット:児玉隼人

 

トランペット・ヴォランタリー(Jクラーク)

ヴェニスの謝肉祭による変奏曲(アーバン)

交響詩「ローマの祭り」(レスピーギ)

 

ほんとに14歳?

2009年生まれの天才トランペッターを迎えて

とのことで、実演に触れて本当に天才だと思った。

案外、プロでも、音が暴発するのに

華麗なテクニックだ。

もう1度、オリジナルを確認したくて

探したところ、

モーリス・アンドレの実演に行きついた。

彼のアイドルとのことで

完コピのようでもあるが

音の正確さでは上回っていたのではないだろうか。

もっとも、ご本家/オリジナルの演奏は、

速度を落としたところでのしみじみとした

音色の深さに秀でているように感じられる。

 

ちなみに1曲目の

トランペット・ヴォランタリーは

ボクに言わせると、“春が来た”変奏曲だ。

 

後半は、レスピーギの「ローマの祭り」

ある意味、金管フィーチャー音楽が

このプログラムの隠しテーマだとしたら

ときに怪獣映画かと思われるような

不気味さ、迫力は、

この老指揮者が最後まで、追い求めてきた

ショスタコーヴィチにつながる、

おふざけと狂気が織りなす

カオスの音楽にダブる。

今期で、タクトを置く前に

彼のショスタコーヴィチを

聴く機会があればと思っていたが

望外に?叶った。

 

本来は

舞台の裏側から鳴る別働隊の金管

遠目の強火 なんて、焼き魚みたいだけど

舞台横に、特設スタンド立てて

本体のオケと相聞させたのも

2007年の日比谷公会堂での

ショスタコーヴィチの交響曲全曲演奏会を

思い出させる。

 

でもレスピーギって

イタリアの音楽なのでしょうと

疑う人がいるかもしれないけど

例えば、ロシアごりごりの

スヴェトラーノフのローマ3部作の録音は

本当にすごい

それが、イタリアらしいかは、兎も角