しんもりです
先日のエコー侍の超音波解剖教室にて少し話題になった
第一肋骨疲労骨折の際に肩甲骨の内側に痛みを訴えるのは何故?
という質問に自分の見解を書いとこうと思いました。
結論からいうと、
❶上後鋸筋支配の枝
❷肩甲背神
❸長胸神経
の関与があるのではないかという事です
肩甲骨の内側部に痛みを訴える方は多く、多くは
①肩甲背神経(C56神経根)+上後鋸筋
②C78神経根+上後鋸筋
の、はり治療で改善します。
私の経験では斜角筋のアプローチでは、取りきれない痛みもあり、上記アプローチの方が
改善します。
なんで上後鋸筋のアプローチを追加すると効果が上がるのか不思議に思って色々調べました。
上後鋸筋の支配神経は以下と記載がある。
・C8、1−4肋間神経
・約半数例においてC8前枝の枝が中斜角筋を貫いて進入することがある。
・C8前枝の基部背側から起こった神経が、第一肋骨を乗り越え上後鋸筋の最上部に達している
・固有背筋が脊髄神経後枝で支配されるのに対し、後鋸筋は前枝(肋間神経)を受けていることである。
(リハビリテーション解剖アトラス P115 医歯薬出版株式会社)
つまり、
❶上後鋸筋支配の枝
❷肩甲背神
❸長胸神経
は、中斜角筋を貫き背部に達するが
✅第一肋骨を骨折
✅中斜角筋にストレス
✅上記神経にストレス
✅肩甲骨に痛み
という機序が考えられるのはないかと思いました。
まあ、斜角筋にストレスがかかり第一肋骨が骨折していると思いますが。。。
勿論、脊髄神経後枝も肩甲骨に分布しているようなので、そこの関与が否定できる訳ではないですが、斜角筋と末梢神経というところから考えるとという視点でした。
なんで上後鋸筋のアプローチを追加すると効果が上がるのか
については、肋骨にへばりつく筋肉を緩めると、内圧が下がり、神経や血管周りの内部環境が良くなるのではと考えています。