ヨコハマウォーカー③ | 虹色ろんど

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FTMの生活とか恋愛とかセイジを取り巻く人たちの、
そんな実際にある話。

ヨコハマウォーカー!


長いのでおヒマな時にどうぞ。


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他の友人たちと別れ、セイジは一人で横浜散策をして帰ろうとしていたのだが、



「どこ行くの?」

「んー?俺はその辺ふらっと歩こうかと思ってるとこ」

「あたしも行っていい?」

「もちろん!喜んで」



と、D子と二人で横浜の街を歩くことに。



ウォーキングシューズに履き替え、荷物は駅のコインロッカーへ二人でなんとか押し込んで、ゴー!



「ちょっと小高いところにでも行って少しボーッとしてみない?とりあえず野毛山方面行くかー」


と、歩き出します。


なんとなく目的地を決めしばらく歩くも、


「やっべ!地図アプリ見ててもわっかんねぇや。充電器置いてきちまったし、充電切れそう」

「うちも充電はヤバーイ!昔もこういうことあったねー!変わらないねー!」

「そうそう、あった、あった。ま!このまま歩いてりゃどっか出るからいいや!」

「確かにどっかには出るわ!歩こー!!」


と迷子になりながら、それはそれで楽しいからいいやと笑ってました。



目的地にはかなり遠回りをしてなんとか到着。

街を眺めるにはちょうどいい場所でした。

神社やお寺も回りながら今日が無事に迎えられて良かったなー、なんて思い返してみたり。

昨日は天気が怪しかったから今日は晴天で良かったと思ってみたり。

真面目なことを考えながら、そんな自分が少し面白く思えたり。


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「うちらも大人になったね」

「年は嫌でも取るもんな」

「みんな変わっちゃうと思ったけど

「案外変わってねぇんだよなあ、これが」



街を見下ろしながら二人でしみじみ。



先日のブログ記事の余談でウテナの曲「輪舞」に触れましたが、


2番のサビ前の歌詞に


「でもね私達 トモダチのこと 何より大切にしてる きっと大人よりも」


という部分があるんだけど。


大人になってもこうして大切な友がいて良かったな、と思いました。

この曲を一番よく二人で歌っていたのがそれこそ俺たちはウテナたちと同じ14歳前後。


大人になっても少なくとも俺たちは友達のことを大切に出来てるかな?出来てたらいいな!と。

「何よりも」になれない時もあるけど、それでも当時14ぐらいの俺たちが想像していたよりは、大人になっても友達のことを大切に想ってるんじゃないかな


なーんてね。


二人で顔を見合わせてニーッと笑い合って、それからしばらく、長い間、無言で街を眺めていました。



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そのままふらっと立ち寄っては休憩を繰り返しながら、俺が新幹線の時間が近くなり横浜散策は終わり。


「次はもっと時間取って会おう」

「とか言って結局ドタバタするんだよね」


と笑い、ここでD子とも別れ。


横浜の街とも別れたセイジ。


なんだかしんみりしたり笑ったりのヨコハマウォーカーでした。

 


(セイジ)