こころと身体を癒す
丘の上のレイキサロン『月のあかり』
〜 横浜市 保土ケ谷 〜
レイキマスター 天原かおるです
はじめましての方···
いつもご訪問くださる方···
ご覧いただきありがとうございます
前回までのお話はこちらへ！
●◐○◑●
大雨の中、なんとか宿坊まで辿り着くと、
女将さんがお出迎えしてくださり、
私の部屋は２階の一番端っこと
教えてくれました
幅の広い厚い木の階段を上がっていくと、
すぐ目の前が私の部屋
２階には、部屋が３つあり、
廊下の一番奥に、
共同のトイレがあります。
廊下の窓からは、鳥居が見えました
あの長い石段が始まる所にある、
大きな鳥居。
私の部屋は「雅」と書かれてありました。
木の扉を開けると半畳程のスペースがあり、
そこでスリッパを脱いで、
そして、襖をツーッと開けると、
８畳の趣のある和室
宿坊なので、置いてある物も最低限。
(それはそれで無駄がなく、質素な感じが、
私は気に入っています···♡)
窓の障子は開けられているけれど(15時半頃)、
このお天気なので、部屋は薄暗い···
真夏とはいえ、山の中にずっといたからか、
身体が冷えていました
お風呂でゆっくりと温まって部屋に戻り、
雨色に染まったものを乾かしながら、
座布団の上にちょこんと座り、
障子が開いたままの大きな窓を
何をするともなくボンヤリと見ていました
窓からは、
白一色の霧景色で何も見えません
窓の外で、木の枝が揺れているのが、
この景色の中で、唯一動くものでした
シーンとしています···
遠くで鳴く風の声と
冷たい窓ガラスに雨がパラパラと
当たる音が聞こえました
もう、すっかり霧に包まれた、
この御岳山は、白くかき消され、
今だけ、下界には存在しない
幻の山となっているのだと思いました。
霧の向こう側では「存在しない」けれど、
霧のこちら側では「存在する」もの···。
過去も未来も見せてはくれない白い闇
神上がる老女の魂
天狗の腰掛け杉の涙
土で汚れた私のレモン色のスニーカー
四つ目の神使
弾丸のような雨粒
天の邪鬼と呆れ顔の天狗さま
近くにいるのに果てしなく遠い人
いるのにいない。
いないのにいる。
そう。
孤独を恐れて立ち止まれば、
私はただの霧となる···············
ふと気が付くと、
すっかり部屋が暗くなっていました
いつの間にか座卓に伏せて眠っていたようで、
音のない世界で目が覚めました
時計を見ると18時ちょっと前···。
あぁ、寝てしまったんだなぁと、
寝ぼけながら、寝癖がついた前髪を
両手でとかして直していると、
突然、部屋の電話が鳴りました
「お食事の支度が整いましたので、
１階にいらしてください
」
」···と女将さんから。
そう、宿坊によって違うようなのだけれど、
ここは、お食事の時間になると、
お部屋に電話をくれるのです。
木の階段をゆっくり下りて行くと、
右手に祭壇のある大広間があり左手には玄関。
私の他に、２組の宿泊客がいるようで、
大広間のテーブルに、今ちょうど、
席に着こうとしているのが、
チラリと見えました
そちらへ行こうとすると、
「あっ、お客さまはこちらへどうぞ···」
と別の方向から聞こえます
そちらを見ると、大広間から、
少し離れた所にある６畳ほどの個室の前で、
この宿坊のご主人(現 神職の方)と女将さんが、
部屋の入口を挟むように２人して並び、
少々、かしこまった様子で、
どうぞどうぞと笑顔で私を呼ぶのです
「あの、あちらの大広間の方では···？」
とポカンとしていると、
「ええ、お客さまには、
こちらのお部屋で、ごゆっくりと
召し上がっていただこうと思いまして···
」
」とりあえず、呼ばれるままに、
個室へと近づいて行くと、
ご主人が続けて、こう仰ったのです。
「この度は、私たちの宿坊に、
よくお越しくださいました！
あの〜···。
もしかしたら···人にはあまりない、
“そういう力”をお持ちなのではないかと···
そんな風に思いまして···。」
つづく。
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