こころと身体を癒す
丘の上のレイキサロン『月のあかり』
～横浜市・保土ヶ谷～
レイキセラピスト 天原かおるです
※①～④で、１つのお話です！
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《 ご参考までに～
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とても静かで、
少し湿気がある原生林のど真ん中…
寡黙な異郷の者と、
丸太んぼに腰をかける私だけ…。
なんとなく、
あちこち見回したりしていたけれど、
ただただ、その場を感じることにしました…
太陽の光が時々差して、風が木々を揺らし、
ふと思いついて、ここへやってきたので、
私が、今ここにいることを誰も知りません…。
両親も家族も友人も…。
そして、あのカッコウも。
私の居場所を誰も知らない。
願い事も、望みも、なにもない…。
許される条件なのではないか…
私は、大学生の時、
日本の中世文学を研究していて、
卒論では『御伽草子(おとぎぞうし)』の
異郷譚を取り上げました
異郷の者は、必ず、人に禁忌を課すのです。
『御伽草子』は短編物語を集めた作品。
(「浦島太郎」「鶴の恩返し」
「富士の人穴」「蛤の草子」など…)
その中の異郷譚として書かれている
物語の主人公の９割が、
禁忌を犯してしまいます
その結果、その主人公は、
天から罰を受けることになるのですが…。
もし…。
私が、あの寡黙な異郷の者から、
今ここで、禁忌を課せられたら…？
決して覗き見てはいけない…。
誰にも話してはいけない…。
絶対に開けてはいけない…。
なにが起きても振り返ってはいけない…。
私は、守り抜くことは出来るのだろうか…
そんなことを考えていると、
暗くなる前に、戻らなきゃ
祠(ほこら)に向かって、きちんとお礼を伝え、
もと来た道を急いで戻り始めます
10m程、進んだ所で、
ふと背中に視線を感じました。
思わず振り返ると、
そこには、ただ吉田胎内樹型があるだけ…。
一瞬、空気がピンと張り詰めたけれど、
私は目を離さないまま、少しだけ“間”を置き、
もう一度、丁寧に一礼をして歩き始めます。
また、水のない宮川に沿って、
原生林の中をひたすら歩いて歩いて歩いて…。
後ろの方には、薄暗くなり始めても、
なんだか、少しだけ怖くなりました…
焦らないように…と、
何度も自分に言い聞かせ、
【歩きながら最後に振り返った光景】
私が、この異郷の世界に足を踏み入れてから、
いよいよ現実の世界へと無事に戻れるまで…。
私が方向感覚を失わないように、
カッコウは鳴き続けていました 
一生懸命に歩いて、
ようやく、最初に入ってきた、
小さな鳥居が見えてきました
深呼吸をして鳥居をくぐり抜け、
錆びた鉄の階段をカンカンカンと下ります
まっくら森を出た外の世界は、
太陽の光がさんさんと降り注ぎ、
ものすごく明るかった…
空気が動いていると感じました。
カッコウの声は、もう聞こえません…。
そこから、なんとか車まで戻り、
そして、無事に帰宅…
家に帰ると、出迎えてくれた夫が一言…。
「車、なんでこんなに汚れてるの？
洗車しないとだね…これ。
一週間くらい砂漠の中に放置したみたい(笑)」
“え……？”
グルッと車の周りをまわって確認すると、
確かに、信じられないくらい汚れていたのです。
原因は、さっぱり思い当たりませんでした
自宅から河口湖付近まで、高速を使って、
行って帰ってきただけなのに。
風も穏やかでした…。
車を止めていた場所も、
普通のコンクリート地面の駐車場だった
でも、こんな風に思ったのです。
私がたどり着いた吉田胎内樹型は、
異郷の世界だったのでは？と…。
異郷の世界では短い時間だとしても、
※ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の
ラストシーンのような感じ？
どこからどこまでが境目なのかは、
よく分からないけれど、
私は、時間の歪みを越えて、
現実世界(異郷に入る前の)
↓
異郷(吉田胎内樹型)
↓
長い月日が経ってしまった現実世界
↓
戻るべき元の現実世界(異郷に入る前の)
…と運良く、私が元々いた現実世界に、
戻ってこられたのではないだろうか…
うまく時空を越えられなければ、
私は、そのまま、
長い年月が経ってしまった現実世界の方の、
自宅に帰ってしまったかもしれません…
おわり。
①～④まで、お読みいただき、
ありがとうございました
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