ココだけの話、トリミさんのガレージで念願の愛車と対面した瞬間からドン引きしたのが、その車幅。
(カタログ値)【全長×全幅×全高】 3990×1870×1190
全長は初代ロードスターより20mm長いだけなのに、全幅は成金サンシャインのアルヴェルよりも20mm広く、全高はロドより45mmも低いという脅威の扁平率
。ロードスター(NB)、スピアーノ、FIAT500、ハスラー(偽)・・・ずっと"ちんからこうまい"カーライフを歩んで来たオッサンには、さすがにいきなり荷が重すぎたか・・・・これっぽっちも乗り回せる気がしない
何を今さら・・・と思うでしょ?
いや、だだっ広い草原で開催されたイベントで実車を1、2回見ただけで、ディーラーでの試乗どころか実車確認もしないままにクルマを買うとこういうことがあるみたいですよ
みなさんもお気をつけて!
まあ、そんなことを今頃言っても仕方ない。とにかく距離を走ってクルマの感覚を身体に染み付かせるしかない。通勤快足のアテンザも今じゃしっかり手の内感あるし、俺は"できる子"だと信じよう。ま、アテンザは慣れるまでに2回ほど崖下にダイブしかけたがな・・・
ちなみに、キーを回すと一拍置いてヴゥワオオォォォン!と思ったより控えめな重低音を響かせる107th(ワンオーセブンス)のマフラーは「アクラポビッチ」。ガレージで最初に見た時、何を思ったか無意識に 「お!イブラヒモヴィッチだ・・・」と呟いたのを誰にも聞かれなくてホントによかった。それは、元スウェーデン代表のエースストライカーだ
そんなオッサンは、「ご無事で
」 と手を合わすトリミ社長の心配そうな視線を背に、クルマのスペックを爪の垢ほど引っ張り出し恐る恐る走り出して高速へ。幅はもちろんだが、ペダルの感触もいつもの足とはまるで違うので、おっかなびっくり
急発進とカックンブレーキの連続で、とてもじゃないが、街中なんて怖くて走れない
……いや、ブツかるとかそういう事じゃなくて、前後に筑豊ナンバーのマジェスタとか来た日にや間違いなくボゴられる
なんせ彼らは発煙筒や車検証は積んでなくても、木刀と鉄パイプだけは常備してるから・・・
(←完全な偏見)
とはいえ、温室育ちのおっさんにとってはただ走るのも一苦労
「イタ車
なんだからそりゃ左でしょ
」と大して深く考えず左ハンにしたのだが、なんせ幅が幅だけに、いつもの感覚で走ってたら3分に1回は助手席の嫁が 「きゃー!
はみ出てる!はみ出てる!
ぶつかる!
もっと寄ってぇっ!
」と涙ながらに大騒ぎで命乞い
結果、俺は常に左の車線ラインを睨みながらのドライブで気を抜く暇なし。走り出して僅か20㌔で早速ピットインして、大きなため息と一緒に魂も抜ける
しかし、偉い俺はそんな状況下でも平常心
ブレイクついでに早めの給油
をしようと思い付く
そういえば、社長が20リットルだけは足してくれたと言ってたが、なんせこの手のクルマの燃費がどれほどのものかも皆目見当がつかない。"トイレとGSは入れる時に入る"、これは高速ドライブの鉄則だ。
という訳で、内心のドキドキを押さえ込み余裕の表情でエネオスの兄ちゃんに 「ハイオク満タンね
」
・・・ところが、である。
ノズル挿したかと思ったら、速攻でガコン!と自動停止
温風ヒーターじゃあるまいし、そんな直ぐ満タンになるハズはないのだが・・・
事実、燃料系の矢印はちょうど真ん中を指している。
「すいません、ほとんど入らないんですけど・・・
タンク容量どれくらいですかね?」
怪訝そうなエネオス・ボーイ。
タンク容量?・・・・そんなん知りませんけど?
取説はトランクなので、その場でスマホでタンク容量検索するおっさん
カッコ悪過ぎて泣けてくる・・・
結果、4Cのタンク容量は40㍑であることが判明。ということは、まだ20㍑は入る計算だが・・・まあ、入らないものは仕方ないし、とっても恥ずかしくていたたまれないので、爺ぃの尿漏れ分
くらい注ぎ足しただけでリスタートした
そして。のちに判明した衝撃の事実 
実は・・・ガソリンは元々ほぼ満タン。
俺が見てた矢印は、燃料残量ではなくちょうど半分の目印だった・・・
その後、日田ICで高速を降りて、曲がりくねった下道を前泊地の黒川温泉
へ
だが、ここからが超スリリング
なんせお世辞にも広くはない道幅なのに、対向車線からは丸太やら廃材やら満載した大型トラックが程よいアンダーステアで気持ちよくコーナーをはみ出していらっしゃる
キャー! 一方、こちらも右ハン感覚で左ハン。結果、紙一重のニアミス離合の繰り返しで、嫁さん再び命乞い
キャー!。涙目の中年夫婦が2人でキャーキャー騒ぎながら黄色いスポーツカー走らせる絵は、さぞかしオカルトじみてたことだろう。
それでもなんとか、命からがら黒川温泉に到着。
①車高の低いクルマでも入れそう
①車高の低いクルマでも入れそう
②ホテルの前に駐車場がある
という理由だけで決めた宿は、「湯狭の響き・優彩」
チェックイン手続きをしていると、奥から力士崩れみたいな、つかぢさん顔負けの立派な体格したおっちゃん出て来て、「おクルマの鍵をお預かり致します
」とニコリ。
(え?
あなた、駐車係の方?
ちゃんこ当番じゃなくて?)
あまりのサイズ感に念のため駐車作業を見守っていると、勝手にシートポジション変えて巨体を捻じ込んだまではよかったが、そのまま(え?寝てるの?
)と思うくらい見事にフリーズ。で、一向に動く気配がないので近寄っていくと、「すいません、動かし方がわかりません
」とあっさりギブアップ。結局自分で駐車することになったのだが、ちゃんこ当番が無理矢理乗り降りしたおかげで、シート位置どころかサイドシル部にも靴跡汚れ
幸い拭き取れるレベルだったから特にクレームはつけなかったが、駐車係はせめて中肉中背のスタッフにした方がいいと思う
まあ、この手のクルマはホテルといえども他人に任せるな、ということなんだろう
ひとつ勉強になりました。ありがとう、ちゃんこ当番。さようなら、ちゃんこ当番。
ここからは、意外にも個人的には初めて
の黒川温泉郷を徒歩で散策

湯布院よりも一段とこじんまりとまとまっているので春の散歩にはもってこい。何故か至近距離でも大声で会話する中韓旅行者も意外に少なく、久しぶりの温泉街の雰囲気にすっかりいい旅夢気分
途中から、今回の旅の目的が翌日の「九州トリコローレ
」であることを完全に忘れていた
(笑)
そんな黒川温泉グルメは数あれど、一番最初に目についた食事処「うふふ」の赤身のお肉キラキラ
の看板にまんまと吸い寄せられ、迷わず赤うし丼
でも、これは大正解
やわらかい赤身肉と上品に和風だれの組み合わせは、会計しようとする客を店員がシカトする斬新さと、盗み聞き
した相席の非モテ系男子3人組のトークが死ぬほど面白くなかったことを差し引いてもお釣りが来る美味さ
いやー時代は今やどこもかしこもレッドブルやね
※優彩HPより転載
心も胃も満たしたあとは、宿に戻ってさっそく汗を流す
このお宿、種類豊富な大浴場はどれも素晴らしく、GW直前のタイミングということもあってか、常に貸し切り状態
お陰様で、先述のちゃんこ当番の不手際もキレイさっぱり洗い流された。
ちなみに今回、おっさんは図々しく女子旅特別プランで予約。フロントの兄ちゃんは一瞬笑顔が引きつったものの、すぐに気を取り直してスマートに受付。He is プロフェッショナル
そしてこのプラン、「女子会のおしゃべりに欠かせない飲み物とお菓子を準備します!」がウリということで、部屋に用意されてたのがコチラ
いや、女子会どんだけ食うねん。
世の男性の皆さん。これが知られざる女子会の世界の真実だ!あいつら結構食ってるぜ。
夕食は部屋食で阿蘇の地物コースに舌鼓
特に、ベテランの仲居さんが 「これはね、コーラゲンが豊富でね。もうね、お肌もプリプリになるからね
」 (コーラゲン?
)とイチ押しの阿蘇美豚の蒸ししゃぶや、熊本名物の馬刺しなんかは、こういう時でもないと食べられない。
朝一から色々あったけれど、日曜のメインイベントに向けて充電完了
仲 「お客様はとんこつラーメンなんかやっぱりお好きなの?」
俺 「え?ええ、まあ・・・」
仲 「私は苦手です」
いや、さっきから何なの?仲居さん・・・
(Episode‐3へつづく)














