いや、ちょっと足が当たっただけっすよ?
カミさんがソファーから立ち上がろうとした時に、たまたま伸ばしてた俺の短い毛だらけの足がちょっと触れた・・・ただ、それだけなんすよ?
なのに・・・
「もう!邪魔!スネ毛三つ編みにするよっ!」
!!!
どんな脅迫やねん DVです。これもうDVですよ皆さん
こんにちわ
粉モンばっか食って栄養が偏ってるせいか、スネ毛にも枝毛があります IRASです
そんなIRAS、今年は例年よりちょっと本気で仕事してるのと、歳のせいか暇さえあればやたら眠たいのとで、今さらながら「備忘録」兼ね盆休みの御報告
8月11日(金)
働き者の同僚の皆さんがまだまだバリバリ仕事しておられる午後4時。「ちょっとトイレ行って来ます」という言葉を残し行方不明になった俺は、自宅にも戻らずその足で迷わず金沢へGO!ニコガクGO!
これが、世に言う 「広島あいらすちゃん神隠し事件」である
さあ!待ちに待った大人の夏休みはじまりはじまり~
しかし、そこは"良心が服着てる男"と呼ばれるIRAS (今笑った奴、あとで体育館の裏に来い)
脇腹の肉揺らして遊び呆ける前に、まずはお義祖父ちゃんのお墓参り
もちろん率先して墓石をゴシゴシ照りつける太陽の下、石の隙間に溜まった泥まで丁寧に磨き上げ、滴る汗も美しい・・・何? 見え透いた好感度UP戦略? いやいや一社会人として当たり前のことをしたまでですよポイント稼ぎだなんてそんなはっはっは!・・・もう手遅れです
まあ、そんな父の不言実行の眩しい背中を見ていたんだろうね
7月後半から一足も二足もお先に金沢入りし既に3週間以上遊び呆けっぱなしで、ちょっと見ないうちにいつの間にか東南アジアの怪しい旅行ガイドに成長した息子さんも、この日ばかりはチャキチャキとお手伝い 少しでも怠けてる気配を見せたら、せっかく前の晩になんとか笑ってごまかした "ほとんど宿題が終わってない事実" を蒸し返されるから、彼も気が気ではない だが、心配するな息子よ 君が宿題を済ませてるなんて、俺たち家族はおろか死んだ爺ちゃんでさえ期待していない
ちなみにこの怪しい少年。
学校給食のおかげかすくすく育ち、ついに母の身長を追い抜き現在164cmなのだが、先日学校から 「成長し過ぎなのでかかりつけの医師の診断を受けてください」 という手紙をもらって来て、両親を笑わせてくれた 学校もムチャぶりにもほどがある(笑)
そんな小6の活躍もありお墓をピッカピカに磨き上げたら
「お仏壇のはせがわ」のCMソングをハミングしながらお手々のシワとシワ合わせて南~無~
心をこめてお墓の中のおじいちゃんに残暑お見舞い申し上げる。
「おじいちゃん、ご無沙汰しています。今年の夏も暑いですねそちらはどうですか?熱中症には気を付けてくださいね。・・・え?石室の中は意外に涼しい?そうなんですか?・・・お前もどうや?いや、遠慮します。俺、名前的にそういう天岩戸みたいな閉鎖空間苦手なんすよ。むっちゃ昔の先祖がうっかり閉じ込められちゃって、それ以来DNAレベルのトラウマで・・・え?死んだらどうすんだって?大丈夫!それまでにドラゴンボール集めますんでそれより話変わるんすけど、おじいちゃん。俺、次のクルマ欲しいんすけど、金なんとかなりませんかね?宝くじでも、2000万入りの重箱でも何でもいいんすけど・・・え?神頼みは受付担当が違う?仏にそんな力はない?マジで?そうなんすかぁ?てか、そういうことは早く言って下さいよ、めっちゃ墓磨き頑張っちゃったじゃないっすか・・・」
こういう不埒な行いばっかしてるから、巡り巡って罰が当たりよくわからない病気で手術する羽目になるのだろう
先祖供養を終えたら、ランチタイムまで兼六園近くの 「石川県立美術館」で開催中の「暁斎展」鑑賞。お義姉さんイチオシの「暁斎」。かの有名な「暁斎」。まさかとは思うけど、もちろん皆さんご存知ですよね? そう!「暁斎」 俺は聞いたこともありません緋村抜刀斎とか野村萬斎なら知っとるけど・・・
暁斎の絵はいわゆる「鳥獣戯画」で、その世界観は今で言うところの絵本や漫画のよう。さも日本画に興味があるようなフリして目が泳いでる父子の隣で、ジャンボ鶴田と藤波辰爾みたいなおばちゃんコンビが 「狩野派のタッチね~」と真剣な眼差しで頷いてたが、咄嗟に狩野英孝しか思い浮かばない辺りが俺たち父子の限界だ。
しかし、こういう時に限って神は頼んでもない汚名挽回の機会を与えてくださるようで・・・足早に展示コーナーを流し見してやっと会場を抜け出した・・・と思ったら、突然どこからともなく 「あの~すいません・・・」 と中日新聞の女性記者さん登場誰? そのまま近くのソファーコーナーに拉致られるや、さっとノート&ペンが出てきて 「今回の暁斎展をご覧になって感じられたことなどお聞かせください」 問答無用で取材が始まる 日頃、面倒なことは全て言い逃れてるさすがの俺も、事ここに至って 「実はさら~と流し見しただけです」 とはよう言わん
ただ、幸い取材対象は息子の方ということで俺はほぼほぼ蚊帳の外息子にしても、かつては学校で作文の宿題が出るたびに半泣きだったが、「作文にしろ感想文にしろ、事実である必要はないから先生が喜びそうなもっともらしい言葉を並べるのがコツ」という父の英才教育が実を結び、今ではかなりアドリブも利くようになって来たので心配はいるまい
記 「蛙とか鳥とかいろんな絵があったと思うけど、何か感じたかな?」
(さあ、息子よ。一発気の利いたそれっぽいコメントお願いします)
息 「うーん・・・感じたことかぁ・・・」
(そう、あの絵を見た6年生らしい感想をバシッ!っと言っておあげなさいな)
記 「うん、何でもいいよ 」
(そうそう、子供らしく素直な感想でいいから!)
息 「えーっと・・・・絵が上手いなぁと思いました」(父、椅子からズリ落ちる)
お前ね・・・当たり前だよ・・・どっから目線だよ・・・
仮にもココは「暁斎展」 その辺の「ちびっ子絵画コンクール」ではない 素直にも程がある・・・
さすが、俺の子・・・本番に弱い。
その後も、家では感心するほど減らず口でしゃべり倒す小僧は、終始実力の1/10も発揮できぬまま、何ひとつ気の利いたコメントもできずに取材終了......
「ありがとうございました。大変参考になりました聞かせて頂いた内容はこちらで整理して「暁斎展」の特集コーナーに掲載させて頂くかもしれません。掲載日が確定しましたらご連絡差し上げますので、ご連絡先を教えて頂いてもよろしいですか?」
記者さんはそう言って下さったが、ウチの息子のコメントで有料紙面の一角を埋めるようと思ったら、もはや改ざん以外の手を俺は思いつかない 一応、連絡先として俺の携帯番号をお伝えしてから1カ月・・・もちろん女性記者さんから"掲載のお知らせ" も "食事のお誘い"も届いていない。
ちなみに余談だが・・・この取材を始める際、記者さんが最初に口にした一言。
「今日はご兄弟で来られたんですか?」
成長し過ぎの坊ちゃんは、40超えた父親と兄弟に見られたことが地味にショックだったようで、その後数日間こっそり落ち込んでいた(笑)はっはっは!ざまぁ!
そんなこんなで、結婚14年目を迎えても今なお新鮮な驚きに満ちている素晴らしき金沢だが
この連休最大のサプライズはこのあとのランチ
「お昼ご飯はもう予約してるからね~」 というお義母さんに、近所のラーメン屋に行くノリで 「あざーす」と尻尾フリフリ付いてったのだが、そこは嫁の実家 ・・・過去の例から考えても、そんなワケはなく、辿り着いたのは 「しいのき迎賓館」の中にあるフレンチレストラン
黒服のおねーさんに案内されるまま入った部屋には、純白のテーブルと、なんだかいかにも偉そうなコックさん(←シェフ?いや、うちの実家じゃコックさんですけど何か?) 2人がどや顔で写るでっかいフォトパネルこれはヤバいどうやらホンモノっぽい。こういう時、下手なマナー違反で恥をかかないために大切なことはただ一つ。絶対に最初に動かないこと。高尚な場に慣れてらっしゃるお義父さん&お義母さん、お義姉さんの動きを忠実にコピー&ペーストすること。結果、このあとの1時間に見せた俺の集中力は予選に臨むF1ドライバー並みだったと言っても過言ではないふっふっふ
もちろん、早過ぎず遅過ぎずこちらの食事の進み具合に合わせ絶妙のタイミングで運ばれて来る料理は、"トウモロコシのなんとかかんとか冷製ゴニョゴニョ・・・"という前菜を皮切りにどれもまいうー それがフレンチとして一流なのかどうか三流の俺には判断のしようはないが、途中で前述のおねーさんが
「こちらのお部屋は以前、天皇皇后両陛下が金沢にお越しになられた際もご利用され、昨年も皇太子殿下と国土交通大臣、谷本県知事が会食されたお部屋でございます」
なんてこと言うもんだから、2品目以降の味はあまり覚えていない・・・
そして、記念写真
育ちの良い爽やかな一家に、一人だけ "おのぼりさんのマタギ" 的なのが混じってるのは気のせい。まあ、心霊写真みたいなものだから無視してください。
(→②へ続くんばい)