
悲しくて、切なくて、けなげで、やるせなくて……
名前をつけられない感情が押し寄せて涙が出た。
観てきました。
坂本龍一さんの遺作のピアノが、人間というものの哀しさをえぐりだしつつ、愛というものも感じさせてくれます。
内容を書くのはこれから観賞する方々のために憚れるけれど、少し。
二人の少年を巡る親と教師、少年自身の三方向の視点から描かれています。
怪物は誰か?は軸かもしれないけれど、何気ない日常の中で、自身も気づかないところで、心に潜む小さな歪みによって、誰でもが怪物に成りうる怖さと哀しさ。
そして、
怪物と戦うものは、その過程で自分自身も怪物になることを気をつけなくてはならない、つまり、ミイラとりがミイラになる、みたいな痛い面も土台のひとつになっているのかも、と思う。
他、沢山の課題が内包されている作品。
いじめ。親の虐待が産み出すもの。親の責任。社会的責任。社会のしくみ。LGBT。他。
これは、どの世界でも当てはまる、全てだと思う。
これはBTSの中でも、テテが一番口にする言葉。
誰かだけがつかめるものは幸せとは言わない」
映画の中で、そんな言葉が出てくるのですが、
ふと、なぜか、Inner ChildやSceneryなど、テテの歌が頭の中を巡り、少年期のテテに思いを馳せてしまいました。
もちろん、映画の少年たちとは全く違うのに!です。
そして、「幸せになりました」と、テテの放った言葉に含まれる様々な感情を思ったのです。
また、
もしも、口に出して言えないことがあったなら、管楽器を口にあて、思いっきり吹く!の校長の言葉も印象的。
吹いて、吹いて、吹き飛ばす……。
テテちゃん!
サックスはもう、吹かないのですよね?
さて、
映画の最後は、とてもオブラートに包まれている。捉え方は様々だし、監督も明らかにしていない。個人的には、少なくとも愛ある救いがあったと思いたい。